劇団牧羊犬の第7回本公演『ばったん』が、10月28日〜11月3日に東京・テアトルBONBONにて上演される。

劇団牧羊犬は、2014年に演劇プロデュースユニットとして旗揚げ。2022年には活動本格化のため劇団に組織を変更した。現在は、作・演出の渋谷悠、俳優の井上薫(元劇団俳優座)と徳岡温朗、プロデューサーの渋谷真樹子の4名が所属している。
主宰の渋谷悠は、日英バイリンガルの劇作家・脚本家・映画監督として活躍。2025年公開の映画『美晴に傘を』では脚本・監督を務め、モノローグ集『穴』『ハザマ』の著者としても知られる。
劇団牧羊犬は、緻密な人間ドラマと大胆な構成力、そして映像的な演出が話題を呼び、着実に公演を重ねている。2023年の第 6 回本公演『夜の初めの数分間〜画子とひまわりの場合〜』は、第 30 回日本劇作家協会新人戯曲賞最終候補作に選ばれ、また佐藤佐吉賞 2023 にて、最優秀脚本賞(渋谷悠)、最優秀主演俳優賞(平体まひろ)、優秀作品賞、優秀助演俳優賞(井上薫)、優秀舞台美術賞を受賞した。
今回の『ばったん』は3年ぶりの公演で、渋谷悠の新作書き下ろし。刑場の踏み板が落ちる音を「ばったん」と呼ぶ、いつその日が来るか分からない4人の死刑囚と、彼らを取り巻く人々を描いた群像劇となる。
出演は島津見、中島透、小向なる、セキュリティ木村、川口茂人、鈴木穣、沼田星麻、長部努、イワゴウサトシ、大友達人、徳岡温朗、神保有輝美(劇団民藝)と若手からベテランまで力ある俳優たちが参加している。
渋谷悠(作・演出)からのメッセージ

僕は、どちらかといえば死刑に賛成でした。少なくとも、この芝居を書き始めるまでは。
きっかけは、以前書いた作品の受刑者と刑務官の短いやり取りでした。この二人をもっと見ていたい。だったら死刑囚の話を書いてみようか。そんな作家としての好奇心から、死刑制度について調べ始めました。
執行を告げられるのは当日の朝。刑務官たちは、日々親身に接してきた人間の命を、自らの手で絶たなければならない。執行後の遺体の処置も彼らがしなくてはならない。そして、その経験を家族に話してはならない。
知らなかったことが、積み重なっていきました。
書き終えた今、僕は賛成なのか反対なのか、正直わかりません。その議論だけではこぼれ落ちてしまう、制度の矛盾や人間模様に胸が一杯だからです。
かつて賛成寄りだった僕が、なぜわからなくなってしまったのか。そのきっかけとなった言葉や想いを、少しだけ、受け取りに来てもらえませんか?
《あらすじ》
刑場の踏み板が落ちる音を、彼らは「ばったん」と呼ぶ。
いつその日が来るのかを知らされない、四人の死刑囚。
彼らを取り巻く、刑務官、教誨師、ジャーナリスト、獄中結婚する女。
死刑は正義だと信じる者。死刑に疑問を抱く者。そして、職務を全うする者たち。
死刑制度のただ中で「生きる」人々を描く群像劇。





