新国立劇場 演劇『デカローグ』(プログラムC)間もなく開幕!
新国立劇場では連作上演中の『デカローグ』、その(プログラムC)となる5話と6話が、5月18日~6月2日に上演される。
作品は『殺人に関する短いフィルム』『愛に関する短いフィルム』というタイトルでテレビ放映に先駆け劇場公開もされた5話と6話。カンヌ国際映画祭で審査員賞に輝くなど、国際的な評価を得るきっかけとなった2話を(プログラムC)として上演する。
『デカローグ』は「トリコロール」三部作や『ふたりのベロニカ』で知られる、ポーランドの名匠クシシュトフ・キェシロフスキが発表した、旧約聖書の十戒をモチーフに 1980 年代のポーランド、ワルシャワのとある団地に住む人々を描いた十篇の連作集。人間を裁き断罪するのではなく、人間を不完全な存在として認め、その迷いや弱さを含めて向き合うことが描かれたこの作品は、人への根源的な肯定と愛の眼差しで溢れている。
十篇の物語は、オムニバス形式のそれぞれが独立した1時間前後の作品。別々の作品でありながら、緩やかにリンクし、実はひそかなつながりを持っているという隠された楽しみも見つけることができる。
上演台本を、ロイヤルコート劇場との共同プロジェクト、劇作家ワークショップ発の作品『私の一ケ月』(2022年)の作家、須貝英が担当。演出には、新国立劇場演劇芸術監督の小川絵梨子、そして上演時間計7時間半の『エンジェルス・イン・アメリカ』二部作(2023年)の演出を手掛けたことも記憶に新しい、上村聡史の二人があたっている。
そして、全篇に登場する、登場人物たちを見守る”天使“と呼ばれる存在。物語ごとに全く違う職業の人間になり、各エピソードの主人公の選択や岐路には関与せず、ただ見守る。その難役を、小川、上村両名が信頼を寄せる、亀田佳明が担っている。
全10話を大きく3つのブロックに分け、4~5月は『デカローグ1~4』(プログラムA・B)を、5~6月は『デカローグ5~6』(プログラムC)を、そして6~7月は『デカローグ7~10』(プログラムD・E)を上演)。
今回の『デカローグ5~6』(プログラムC)では、小川絵梨子が5話「ある殺人に関する物語」の演出を担当し、そして上村聡史が6話「ある愛に関する物語」の演出を担当している。
各話、十戒の戒律に対応しており、5話は「殺してはならない」、6話は「姦淫してはならない」をモチーフとしている。
《あらすじ》
「デカローグ5」ある殺人に関する物語
タクシー運転手を殺害した青年と、若い弁護士。死刑判決を受けた青年を救えなかった弁護士の悲嘆。20歳の青年ヤツェク(福崎那由他)は、街中でたまたま、傲慢で好色な中年の運転手ワルデマル(寺十吾)のタクシーに乗り込み、人気のない野原で運転手の首を絞め、命乞いする彼を撲殺する。殺人により法廷で有罪判決を受けたヤツェクの弁護を担当したのは、新米弁護士のピョトル(渋谷謙人)だった……。
「デカローグ6」ある愛に関する物語
向かいのアパートに住む魅力的な女性の部屋を望遠鏡で覗く青年の何も求めない愛とは?友人の母親と暮らす19歳の孤児トメク(田中 亨)は、地元の郵便局に勤めている。彼は向かいに住む30代の魅力的な女性マグダ(仙名彩世)の生活を日々望遠鏡で覗き見ていた。マグダと鉢合わせしたトメクは、彼女に愛を告白するが、自分に何を求めているのかとマグダに問われてもトメクは答えられない。その後デートをした二人、マグダはトメクを部屋に招き入れるが……。
【公演情報】
『デカローグ 5・6』[プログラムC上演]
「デカローグ5」ある殺人に関する物語
演出:小川絵梨子
出演:福崎那由他 渋谷謙人 寺十 吾
斉藤直樹 内田健介 名越志保 田中 亨 坂本慶介
亀田佳明
「デカローグ6」ある愛に関する物語
演出:上村聡史
出演:仙名彩世 田中 亨
寺十 吾 名越志保 斉藤直樹 内田健介
亀田佳明
●5/18~6/2◎新国立劇場 小劇場
〈料金〉A席7,700円/B席3,300円(全席指定・税込)
〈チケットお問合せ〉国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999(10:00~18:00)
新国立劇場Webボックスオフィス https://nntt.pia.jp/