宝塚歌劇花組公演『鴛鴦歌合戦』『GRAND MIRAGE!』開幕!柚香光・星風まどか囲み取材レポート!
宝塚歌劇団花組東京宝塚劇場公演オペレッタ・ジャパネスク『鴛鴦歌合戦(おしどりうたがっせん)』ネオ・ロマンチック・レビュー『GRAND MIRAGE!』が、9月2日開幕した(10月8日まで)。
オペレッタ・ジャパネスク『鴛鴦歌合戦』は、プログラムピクチャーの名手マキノ正博監督、江戸川浩二脚本、片岡千恵蔵主演で1939年に公開された日本のオペレッタ映画「鴛鴦歌合戦」を、脚本・演出の小柳奈穂子が初の舞台化を手がけた作品。長屋住まいの貧乏浪人・浅井礼三郎と、隣家の娘・お春の恋の鞘当てに、骨董狂いの殿様・峰沢丹波守を巻き込んでの騒動を、多くの登場人物が織りなす華やかなミュージカル作品となっている。
また、ネオ・ロマンチック・レビュー『GRAND MIRAGE!』は、作・演出の岡田敬二が長年創り続けているロマンチック・レビューシリーズ第22作目となる作品で、大いなる夢と愛、宝塚歌劇ならではの美しさと華やかさや、品格と馥郁たる香りを湛えつつ、ネオ・ロマンチック・レビューとして、より新鮮で魅力的なレビューの世界を追求。 カンツォーネの名曲で構成する場面や、花組トップスター柚香光が牽引する、花組のダンスの魅力が横溢する場面などで綴られたレビュー作品が展開されている。
そんな作品の通し舞台稽古が初日前日の9月1日に行われ、宝塚でしか創れない華やかな世界を届けた花組トップコンビ柚香光と星風まどかが、舞台稽古終了後の囲み取材で公演への抱負を語った。
【柚香光、星風まどか挨拶】
柚香 皆様本日はお暑いなかお越し下さいましてありがとうございます。私、東京での囲み取材が初めてでございまして、こうして皆様とお話できることが本当に嬉しいなと思っております。東京公演も暑さに負けず1日1日を大切に務めて参りますので皆様どうぞよろしくお願い致します。
星風 本日はお忙しいなかお越し下さいまして本当にありがとうございます。私も暑さに負けず…
柚香 やっぱり初めてってね!
星風 はい。
柚香 あ、でも(報道陣に)彼女はね…
星風 いえ、(柚香との囲み取材は)初めてです(二人のやりとりに会場温かな笑い)。暑さに負けず最後まで元気に頑張りたいと思います。よろしくお願い致します。
【質疑応答】
──宝塚らしい楽しさの詰まった二本立てですが、それぞれの見どころをお二人からお願いします。
柚香 『鴛鴦歌合戦』は暑さもありますし、色々なことがありますが、(それらを忘れて)頭をからっぽにしてお客様にご覧いただいたあとで、スカッとしていただけるような、そんな作品になればなと思っております。そしてレビューの方は(囲み取材に顔を出していた演出の岡田敬二を示して)いま岡田先生がいらしてくださっていますが、先生が3歳から100歳のお客様まで、色々な方々に喜んでいただけるレビューをということで、本当に愛情をこめて創ってくださいましたので、私たちも先生の思いをしっかりと抱いて、丁寧に細かいところまで洗練させてできればいいなと思っております。
星風 本当に宝塚らしいお芝居とレビューの二本立てで、日本もののお芝居は私初めてでしたので、専科の京(三沙)さん、紫門(ゆりや)さんや、(花組の)上級生の方々からたくさん学ばせていただいて、また新たな引き出しが増やせたと毎日楽しみながら演じさせていただいております。はじめから大階段が出ていて「チョンパ」ではじまる華やかなところが見どころかなと思います。レビューは今柚香さんもおっしゃっていましたが、岡田先生やたくさんの方々のお力があっての総合芸術ということで、私たちも先生が描いてくださった宝塚らしさというものを求めて、精一杯務めております。見どころはお衣装もとても素敵ですし、ロマンチックレビューらしい華やかさかなと思っています。
──お役柄を演じる上で大切にされているところと、東京での初の囲み取材ということですので、相手役として感じるお互いの魅力を教えてください。
柚香 役作りで気をつけているのは、やはり私たち日本人ですので、作品のなかでなんとも心地の良い空気感や、(少し口ずさんで)どこかで聞いたことがあるような効果音もやはり心地よくて。私たちは外国を舞台にした作品をすることが多いのですが、そういった日本人ならではのテンポ感や粋さ、人情や人と人とのつながりを大切に結んでいきたいなと思っています。(星風に役どころの)お春さんはどうですか?
星風 お春さんの原動力と致しましては、礼三郎さんへの思い、素直なところが魅力かなと思っておりますので、そこを日々大切に出していきたいと思っています。
柚香 お互いの印象としては、お春さんという役をすごく生き生きと演じていて、すごいなと思いながら、礼三郎として私も楽しんでいます。どう?
星風 はい(はにかんで微笑む)。
柚香 あとは、レビューの、日々「もっとここをこうしたらうまくいくんじゃないか」とか「もっと気持ちと気持ちがつながったやりとりがあれば、詩が増えるんじゃないか」ということを二人で模索するなかで「じゃあ、ちょっと今までやったことがないけれども、明日はこういう風にやってみよう!」とトライをしてみることがあるのですが、それに勇気を持ってどんどん応えてくれるのがすごくありがたいなと思っています。
星風 いまおっしゃったことを私もお伝えしようと思っていたのですが、終演後でたくさん汗をかかれて…
柚香 あ、すみません!(汗をぬぐうので会場笑い)
星風 すべてをやられて、最後に幕が下りたあとの大変なところでも時間を割いてくださって、こうしてみよう、ああしてみようと、色々なことに挑戦させていただけることが、私にとっては本当に宝物なので、毎日次もああしたい、こうしたいという気持ちがどんどん増して、日々が本当に幸せで楽しいなと思っていて。それは柚香さんのお人柄あってのことだと思うので、魅力のひとつです。
柚香 先ほど星風も言っていたのですが「舞台が総合芸術である」という言葉を、私たちは岡田先生から賜りまして、色々なスタッフさんのお力であったり、今までの経験、才能からの授かりものを私たちが受けて、それを舞台で日々披露しておりますので、技術さんやスタッフの方々の様々なアイディアを、できるだけお客様にお届けできるように務めて参りたいなと二人共思っております。
レビューの開幕を飾る美しい衣装で囲み取材に登場した柚香、星風コンビの息のあった様子や、柚香が撮影するカメラマンに「3枚くらい目をつぶってしまったかも…」と茶目っ気たっぷりながらも丁寧に気遣い、場が笑いに包まれるなど会見は終始和やかに終了。公演への期待が高まる時間となっていた。
尚、後日公演レビューも掲載の予定です。お楽しみに!
【公演情報】
宝塚歌劇花組公演
オペレッタ・ジャパネスク『鴛鴦歌合戦』
~原作 映画「鴛鴦歌合戦」(c)日活株式会社 監督/マキノ正博 脚本/江戸川浩二~
脚本・演出◇小柳奈穂子
ネオ・ロマンチック・レビュー『GRAND MIRAGE!』
作・演出◇岡田敬二
出演◇柚香光 星風まどか ほか花組
●9/2~10/8◎東京宝塚劇場
〈料金〉SS席12,500円 S席9,500円 A席5,500円 B席3,500円
〈公式ホームページ〉https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2023/oshidori/index.html
※10月8日(日)13:30千秋楽公演全国、台湾、香港映画館でのライブ中継、宝塚歌劇の動画配信サービス「タカラヅカ・オン・デマンド」にてのライブ配信あり。
詳細 https://kageki.hankyu.co.jp/news/20230813_002.html
【取材・文/橘涼香 撮影/岩村美佳】