宮沢りえ×佐藤二朗『そのいのち』開幕!
宮沢りえ×佐藤二朗の共演舞台『そのいのち』が、11月9日に世田谷パブリックシアターにて開幕した。東京を皮切りに兵庫・宮城と巡演する。
佐藤二朗がミュージシャンの中村佳穂の楽曲「そのいのち」(2018)にインスパイアされ執筆した今作。
介護ヘルパーとして働く山田里見と、彼女の雇い主で障碍を持った相馬花とその夫・和清の穏やかな日々、そして、あることをきっかけにその穏やかな関係が徐々に狂い始めていく。「持つ者」と「持たざる者」の間にある埋めようのない「溝」を描き出す。
5度にわたる日本アカデミー賞主演女優賞や読売演劇大賞大賞・最優秀主演女優賞など、数多くの受賞歴を持つ宮沢りえを主演に迎え、相馬花役(Wキャスト)には佳山明と上甲にか。また、その他出演者に鈴木福の弟で、ドラマやバラエティなど益々活躍の場を広げる鈴木楽や今藤洋子、本間剛と佐藤二朗が信頼を置く実力派が揃った。
【コメント】
堤泰之(演出)
宮沢りえと佐藤二朗の演技は、言わずもがな濃密で複雑です。上甲にかと佳山明は、障碍のある女性をとことんリアルに演じます。
本間剛と今藤洋子は、作品に軽やかさを与えてくれます。負けじと子役達も必死で喰らいついています。そして生きたウサギはマイペースでエサを食べるのです。
役者、スタッフ、介護士の方々、子役たちの親御さん、いきものががり等々、とにかく総力戦です。近年稀にみる総力戦であります。
宮沢りえ
『いのち』とは何か、
『愛』とは何か、
稽古中向き合い続けました。
はっきりとした輪郭を帯びない、とてつもなく大きなものを出来るだけ掴みたい。
誠実に、心の密度を大切に、本番に挑みたいと思います。
佐藤二朗
筋ジストロフィーと共生する上甲にか。脳性麻痺の後遺症を抱える佳山明。この二人の女優と共に歩めたことは、座組全員の誇りです。
二人の女優が成し遂げんとすることの向こう側に、二人の女優が開けんとする未踏の扉の向こう側に、目映い光が射すことを、心から願う。
佳山明
たくさんお世話になり、そしてご迷惑をおかけしてしまったスタッフの方々、俳優の皆様とともに公演初日を迎えることが出来まして、大変ありがたく光栄に思います。
観てくださるお客様と一緒に物語の世界を旅しながら、ほんのわずかでも灯りとなりますよう精進してまいります。よろしくお願いいたします。
上甲にか
本日、初日を迎えられたことを奇跡のように感じています。舞台「そのいのち」に関わる全ての方々に御礼申し上げます。
この座組は、生きている人の力を本気で信じています。私は、相馬花として全力で生き抜きます。
舞台「そのいのち」、どうぞお願いいたします。
【公演情報】
『そのいのち』
脚本:佐藤二朗
演出:堤泰之
出演:宮沢りえ、佳山明/上甲にか(Wキャスト)、鈴木楽/工藤凌士(Wキャスト)、福田学人/徐斌(Wキャスト)、日高響/尾形蓮音(Wキャスト)、
今藤洋子、本間剛、佐藤二朗
●11/9〜17◎東京公演 世田谷パブリックシアター
●11/22〜24◎兵庫公演 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
●11/28◎宮城公演 東京エレクトロンホール宮城
公式HP:https://www.ktv.jp/event/sonoinochi/
【撮影:引地信彦】