まる企画が井上ひさし作『⽗と暮せば』を下北沢・楽園でまもなく上演!
井上ひさし作『⽗と暮せば』は原爆投下後の広島を舞台に被爆した父の亡霊と娘を描いた二人芝居で、父娘の限りない人類へのとまどいと愛の物語。作者が渾身を込めて書いた広島弁の温かいやり取りも必見。今回の公演では、作品のテーマの⼀つである「⼥性の⽣き⽅」や「⽣への尊厳」を多様な世代感や地域感で問い直すことを⽬的として娘役オーディションを実施し、トリプルキャストとしての上演となる。
【トリプルキャスト3人からのメッセージ】
髙宮千尋
23歳の美津江が、思いを寄せている人とのささやかな出来事を父に話すシーンがあります。戦後間もない時代であっても、そのような会話の持つ空気感というのは普遍的で温かいものであることを伝えていきたい。絶望の奥底にいる美津江の心に父が寄り添い、立ち直っていく様子を劇場で見守っていただければ嬉しく思います。
下野はな
稽古に向けて美津江役の3人がそれぞれ広島を訪れました。資料館で原爆や当時のことを学び、縁のある場所に身を置いて思った事を稽古初日にみんなで共有しました。心と体で感じた事を芝居に乗せて皆様にお届けできるよう精一杯励みます。
種村愛
稽古場の雰囲気はとても心地よく、疑問に思ったことも気軽に相談できる環境です。「そういう解釈もできるね」と肯定してもらえることで、どんどん挑戦したくなります。三者三様の美津江が生まれるように私も負けずにたくさんトライしていきたいと思います!
【あらすじ】
1948年の広島。終戦から3年。原爆の惨禍のなかひとり⽣き残った美津江は、その負い⽬から恋する気持ちも封じ込めようとしていた。
「恋の応援団⻑」をかって出て励ます⽗の⽵造。(原爆の投下前は旅館を経営していた。実は幽霊!)
美津江の恋を巡る⽗娘の4⽇間にわたる会話の中で、次第に明らかになっていく真実。
温かく微笑ましいやり取りの影に隠れていた、拭い去れない過去とは・・・
⽗の願いが、底無しの絶望から娘を蘇らせる、魂の再⽣の物語。
【まる企画】とは、
劇団俳優座の髙宮千尋が立ち上げた団体で、「○(縁)」を大切に、平「○(和)」を目指して、みんながほっと笑顔「☺︎」になれるような演劇やイベント活動を行なうことを目的に昨年設立。ハワイ語で「まる(malu)」は「木陰」「平和」の意味。
【公演情報】
『父と暮せば』
作◇井上ひさし
演出◇増澤ノゾム
出演◇下野はな 髙宮千尋 種村愛 剣持直明 増澤ノゾム
1/29〜2/2◎下北沢・小劇場楽園。
連絡先→ malukikaku@gmail.com