2月に吉祥寺シアターにて上演される劇団印象-indian elephant-『女性映画監督第一号』作・演出の鈴木アツトからのメッセージが到着!
劇作家・演出家の鈴木アツトを中心に2003年に設立された“印象”と書いて“いんぞう”と読む、劇団印象。言葉や文化の壁を越えて楽しめ、観劇前と後で日常の景色の印象をガラッと変えるような劇を目指し、日本国内各地、海外でも数多くの作品を発表している。
その劇団印象が今年より、“女性”の芸術家を主人公にし、彼女たちの視点から社会や世界を見ていく『天井を打ち破ろうとする女シリーズ』を立ち上げるという。その第一作目『女性映画監督第一号』の上演を控えた、鈴木アツトよりメッセージが届いた。
【鈴木アツトからのメッセージ】
本作は、日本映画の女性監督第一号であり、巨匠:溝口健二の下で劇映画の監督としてデビューした坂根田鶴子の物語です。
坂根田鶴子が日本映画界に飛び込んだ1930年代は、女性監督どころか、女性の映画スタッフはまだほとんどいませんでした。編集もこなす助監督として、溝口健二に認められた坂根は、男性スタッフからいじめられる対象でした。そんな中、日本の女性映画監督第一号として、『初姿(はつすがた)』で監督デビューを果たします。
しかし坂根は、日本国内では一本しか映画を撮れず、満映(満洲映画協会)に移り、文化映画(ドキュメンタリー映画)の監督として活躍しました。そして、彼女が手掛けた映画は、満洲という日本の傀儡国家を正当化したプロパガンダ映画だと、後年評価されます。
坂根が、魂を込めて作った映画『開拓の花嫁』が、どんな映画だったのか。彼女の苦難の半生を描いた音楽劇『女性映画監督第一号』にご期待ください!
【公演情報】
劇団印象-indian elephant-
『女性映画監督第一号』
作・演出◇鈴木アツト
出演◇万里紗 佐乃美千子 内田健介 藤井咲有里 岡崎さつき 釜木美緒 内田靖子 峰一作 武田知久
2/8〜11◎吉祥寺シアター
https://inzou.com/
なお劇団印象は、2020年より2022年にかけて「国家と芸術家シリーズ」と題し、『エーリヒ・ケストナー』、『藤田嗣治』、『ジョージ・オーウェル』、『カレル・チャペック』を取り上げ、ナショナリズムと芸術家の関係を描いた評伝劇の四部作を上演。2023年に上演した劇団20周年記念・第30回公演では、革命時代のソ連を生きた劇作家・小説家のミハイル・ブルガーコフ(1891-1940)と同時代を生きたソ連の独裁者スターリン(1878-1953)の評伝劇『犬と独裁者』を上演し、同作品で2023年度の「北海道戯曲賞」優秀賞を受賞している。