鴻上尚史作・演出の新作『サヨナラソング ー帰ってきた鶴ー』いよいよ開幕! 初日前会見とフォトコール開催!

鴻上尚史のプロデュースユニット「KOKAMI@network」第21回公演となる『サヨナラソング ー帰ってきた鶴ー』が、紀伊國屋ホールにて8月31日より上演される。その初日前会見とフォトコールが8月29日に実施された。
本作は、「生きのびること」をテーマに日本の民話「鶴女房」のその後の世界と、現代のある家族を中心とした現実の世界が、交錯しながら展開されていくオリジナル新作。出演は小関裕太・臼田あさ美・太田基裕・安西慎太郎ら人気俳優たちが顔を揃えている。

《あらすじ》
去っていくものは美しい。けれど、残されたものは哀しい。
売れない作家である宮瀬が残した遺書のような物語は、 日本人なら誰もが知っている「鶴女房」のその後を描いた小説だった。
鶴であることが夫にばれ、遠くの空に旅立った鶴が、もし戻ってきたとしたら。
村の中で、二人は、どんな人生を始めるのか。だが、その物語は、小説誌の掲載を断られて、未完で終わっていた。
宮瀬の担当編集者だった相馬和彦は、宮瀬の妻であり、 夫と違って売れっ子作家の篠川小都に、この続きを書いて下さいと迫る。
小都は、悩んだ末、夫のことを知りたくて、夫の作品に没入していく。
物語は、小都と小学三年生の息子の陽翔、相馬、陽翔の家庭教師の結城慎吾との関係から生まれる現実の世界と、 「鶴女房」のその後の世界の二つを、交互に往復しながら展開される。
テーマは「生きのびること」。 どんなことがあっても「生きのびること」。
【フォトコール】
この日のフォトコールでは、冒頭からの数シーンが上演された。
冒頭シーンは「鶴女房」の世界で、鶴が去っていったところから始まる。布を織っているところを覗いてはいけないという禁を破った与吉(小関裕太)が、妻おつう(臼田あさ美)を失ったことを嘆く。その姿を見た村人の馬彦(太田基裕)と吾作(安西慎太郎)は、与吉の妻は鶴だったのではと疑う。

与吉はそれから毎晩、おつうの夢を見る。夢に出てきたおつうに、自分が何よりもおつうを大事に思っていることを切々と訴え、歌まで歌って!自分の後悔と愛を訴える。その思いがついにおつうに通じ、翌朝、与吉のもとにおつうが戻ってくる。

歓喜する与吉だが、村の長老から、人間の姿をしている鶴は「化け物」で、村にも祟りをもたらすにちがいない、おつうを追い出せと告げられる。また馬彦や吾作たちにもおつうと別れたほうがいいと迫られる。


【会見コメント】

会見には、作・演出の鴻上尚史、キャストの小関裕太・臼田あさ美・太田基裕・安西慎太郎が登壇した。
小関裕太(宮瀬陽一/与吉)
宮瀬陽一と与吉の二役を演じます。本作は鴻上さんの新作ですが、原案自体はだいぶ前に思い付いたと伺いました。鴻上さんにとって思い入れのある原案とのことなので、その一員になってお客様にお届けできることがとても幸せです。
紀伊國屋ホールに立つのは初めてなので、劇場入りした時はわくわくしました。歴史のある空間で、エネルギッシュに、二役を魂込めて演じさせていただきます。
この二役は衣裳をはじめ見た目も世界観も全く違うので、お客様からは容易に見分けられると思います。与吉はチャーミングなところが可愛らしく、宮瀬は一見重いテーマを背負っているようですが、置かれている状況に振り回されているのが面白いです。
二人分の人生を掘り深めるのは大変でしたが、演じること自体は楽しんでいます。
この夏とても暑いですが、稽古場でも高い熱量で集中できました。差し入れもたくさんいただ、特に(臼田)あさ美さんが差し入れてくださったパンがすごく美味しく、キャスト内で取り合いのじゃんけんもしました(笑)。童心に返ったようで楽しかったです!
僕の生きる活力はコーヒー。作品に向かう時にコーヒーを起爆剤にしています。今作は30歳になって初めての作品で、鴻上さんとご一緒するということもあり、自分にない要素を引っ張り出す必要のある挑戦の日々でした。作品の世界に入り込むために、癒しでもあり起爆にもなるコーヒーは不可欠でした。
臼田あさ美(篠川小都/おつう)
今回8年ぶりの舞台出演となり、何もかもが新しい状況の中、0から全てを学ばせていただいています。キャストの皆さんと、鴻上さんを始めとした多くのスタッフの方に支えられ、いよいよ始まるなという実感が湧いてきました。今まで稽古で積み重ねてきたものを発揮するのはもちろんの事、ここから変化していくものもあると思うので、まずは気を引き締めて初日を迎えて、最後まで頑張りたいと思います。
劇中で二役を演じると聞いて、最初は全く別のキャラクターになっていくのかなと思っていました。けれど実際に演じてみたり、皆さんの演技を見ると、どの役柄からも生命力を感じて、違う役でも通ずるものがあるなと思いました。
大変なことはかつらも含めた早着替えです。私は11回も着替えがあります!
自分の生き延びる上での活力は家族です! 家族がいるので無様でも生き延びます…! 家族だけではなく、一緒に舞台に立っている仲間の背中を見ることも活力になります。
太田基裕(相馬和彦/馬彦)
本作は二つの世界線が交互に紡ぎ合いながら展開されていきます。二役を演じる上で個人的には苦労していて、まだまだ苦労しながらこの役を積み上げていかなければ、と思っています。このような不安や怖さといった生々しいものと、自分の演じるセンシティブでナーバスな役が共鳴した時に生まれる揺らぎや歪みが、この紀伊國屋ホールでうごめいたらいいなと祈っています。
二役を演じ分けながらも、自分の延長線上でその役からにじみ出る空気感をどう発していけるかを考え続けています。役が背負っているもの、感じ取っているものをどう組み立てていくかは、とても繊細な作業です。それを乗り越えた時に新たな発見や学びがあると思うので、そういうものから逃げずに真っ直ぐ演じられれば、役がどんどん立体化していくのではないかなと思います。不安もありますが、楽しみですし、そう信じています。
僕の生きる活力は生クリームです!甘いものが大好きなので、一日の終わりに家で食べています。稽古場では羊羹を食べていました。
安西慎太郎(結城慎吾/吾作)
まもなく初日を迎えますが、今の心境は緊張が半分、幕が上がるぞというワクワクが半分です。稽古でやってきたことが全てだと思いますので、みんなで作り上げてきたものを信じて本番を楽しみたいです。僕を含めて皆さんも現代を生きる上で生きづらさを感じる事があると思いますが、この作品はそんな時に温かく寄り添って、包み込んでくれる作品だと思います。是非お客様にも楽しんでほしいです。
日々楽しく稽古しながら向き合ってきたので、二役を演じる上での苦労はあまり感じませんでした。個人的には、今作の登場人物は劇中で困っている人ばかりなので、それを見て笑いを堪えるのが大変でした。(小関)裕太もゲラで(笑)、一緒に笑っていました。
僕の生きていくうえでの活力は、親に恩返ししたい思いだったり、俳優としての今後の目標や展望です。小さいところでいうと、家系ラーメン柔らかめ濃いめ多めです(笑)。
作・演出:鴻上尚史
この作品の構想は、作詞家で精神科医のきたやまおさむさんとの対談から生まれました。
「鶴女房」に出てくる残された男は可哀想だと話していた際、きたやまさんが「鶴がもし居座ったらどうなるんだろう?」と言った時に、物語の前半部分が一気に出来上がりました。
そこから、「かっこよく去っていく」という日本人の美学ではなく、「無様でもいいから生き延びる道」を選ぶ物語ができたらいいな、という思いでこの作品を創り上げました。
この物語は現代と鶴女房の二つの世界が交差するため、出演者にはわずか1分30秒ほどで衣裳を着替えなくてはならないシーンが何度もあります。臼田さんは11回も着替えます。あまりの多さに、舞台裏ではスタッフたちが文句を言いながら大騒ぎになっています。この見事な早替えも見どころのひとつですので、是非お楽しみください。

【公演情報】
KOKAMI@network vol.21『サヨナラソングー帰ってきた鶴ー』
作・演出:鴻上尚史
出演:小関裕太 臼田あさ美/太田基裕 安西慎太郎
三田一颯・中込佑玖(Wキャスト) 渡辺芳博 溝畑 藍 掛 裕登 都築亮介
●8/31〜9/21◎東京公演 紀伊國屋ホール
〈チケット問い合わせ〉サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(平日12:00〜15:00)
●9/27・/28◎大阪公演 サンケイホールブリーゼ
〈チケット問い合わせ〉キョードーインフォメーション0570-200-888(平日12:00〜17:00)
〈公式サイト〉https://www.thirdstage.com/knet/sayonarasong/
【撮影/田中亜紀】