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情報☆キック
株式会社えんぶ が隔月で発行している演劇専門誌「えんぶ」から飛び出した新鮮な情報をお届け。
公演情報、宝塚レビュー、人気作優のコラム・エッセイ、インタビューなど、楽しくコアな情報記事が満載!
ミュージカルなどの大きな公演から小劇場の旬の公演までジャンルにとらわれない内容で、随時更新中です。

(雑誌『演劇ぶっく』は2016年9月より改題し、『えんぶ』となりました。)
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【ノゾエ征爾の「桜の島の野添酒店」】No.156「鍵が足りない」

都内の公園沿いに佇む小ぶりな庶民系マンション。に居住しているわけだが、玄関はなんとかオートロックになっている。つまり入るためには秘密の番号を入力する必要があるのだが、逆を言えば4桁の秘密の番号さえ入力すれば誰でも入れるわけだ。
それでどうも最近、その4桁を関係ない者がゲットしたらしい。マンションの管理会社から唐突に言い渡された、「最近、関係ない者がよく立ち入るので、入り口の番号入力システムを取りやめます。鍵でのみ入れるようにします。」
我々は非常に狼狽した。
つまり、ゴミ出しや、ポストに行く際も、鍵を持ち歩かねばならなくなるのだ。
そもそも、鍵を持ち歩かない生活をしていたので(玄関のドアも鍵ナシで開くシステムにしている)、家に誰もいない時に鍵を忘れてしまうのも時間の問題だ。
そういう時は、どなたかの部屋を鳴らして、◯号室のノゾエと申しますが、入り口の鍵を忘れてしまって・・などとやるしかないのだろうか。できれば避けたいものだ。
息子にも鍵を持たせなくてはならないし、万が一のための、秘密の場所に隠しておく鍵も必要だ。
というわけで、鍵が足りない。
というわけで、合鍵を作りに行った。
3本作りたいですと伝えると、合鍵屋さんのお兄さんが、ちょっとこだわりの強い人で、「(管理会社からいただいている)マスターキー自体が合鍵なので、ここから合鍵を作るとズレが生じます。0.何ミリのズレで開かなくなるので、いきなり3本作って開かなかったら困るので、まずは1本だけ作ることをお勧めします。」と言われた。いや、また来るの大変だし、3本作ってしまいたいんですけどー・・と一度は食い下がるも、お兄さんも引き下がらない。「いや開かなかったら大変なのでまずは一本試してください。」
なかなかの圧に押し返すことができず、結局1本だけお願いした。帰宅して試したら、そこはこだわり強いお兄さんの腕前だ、マスターキーばりにスルッと開いた。
ありがとうお兄さん、また行くのすげえめんどくさいよ。けどまた行くね。

著者プロフィール

ノゾエ征爾
のぞえせいじ○1975年生。脚本家、演出家、俳優。はえぎわ主宰。青山学院大学在学中の1999年に「はえぎわ」を始動。以降全作品の作・演出を手がける。2011年の『○○トアル風景』にて第56回岸田國士戯曲賞を受賞。

今後の活動

・演出
COCOON PRODUCTION 2026
Bunkamuraオフィシャルサプライヤースペシャル
『アンサンブルデイズ―彼らにも名前はある―』
作・音楽:松尾スズキ
演出:ノゾエ征爾
@Bunkamuraシアターコクーン
2026/3/19(木)~3/22(日) 全6公演
https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/26_ensembledays.html

・脚本
新国立劇場「りんごが落ちる」
脚本:ノゾエ征爾 演出:金澤菜乃英
@新国立劇場 小劇場
2026年 6月13日〜28日
https://www.nntt.jac.go.jp/play/nozoeseiji-newplay/

・出演、脚本、演出
フライイングシアター自由劇場「豪華客船タイクツニック号沈没」
作・演出 串田和美、ノゾエ征爾
構成・美術 串田和美
2026年6月14日(日)〜21日(日)
@吉祥寺シアター
7月10日〜12日 
@信毎メデイアガーデン(松本市)
https://www.k-jiyugekijo.com/titanic

▼▼前回の連載はこちら▼▼
https://enbutown.com/joho/2026/02/18/nozoe-155/