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株式会社えんぶ が隔月で発行している演劇専門誌「えんぶ」から飛び出した新鮮な情報をお届け。
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(雑誌『演劇ぶっく』は2016年9月より改題し、『えんぶ』となりました。)
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【ノゾエ征爾の「桜の島の野添酒店」】No.158「豪華客船とりんご」

子供乗せ自転車の、乗せていい子供の年齢制限の引き上げを検討していることに大賛成のノゾエでありますが、
最近、久々に、ギターの弾きすぎで指が痛い。いや、痛いのも過ぎて、その次の段階の、指先の皮が固くなってむけ始めているこの頃です。
高校ではバンドでベースをやっていたものの、ギターを弾き始めて30年ほど。たまーにしか弾かないものだから、指先がまるで柔かったことに気づく。加えて、弾きやすいコードしか弾いてこなかったもので、大した難易度でもないコードに苦戦している。
なぜ今ギターを弾いているかというと、次の舞台で生演奏があるからです。
下は25歳から、上は83歳まで、約60歳の年齢幅で稽古が進められているフライイングシアター自由劇場「豪華客船タイクツニック号の沈没」。
タイタニックではないです、タイクツニックです。「退屈」にまつわる、振れ幅の広い作品です。私も一部の脚本と演出を担わせていただいている。
40年以上前から一緒に創作している方々もいれば、初参加の若者もいればで、14人ほどで、わちゃわちゃとやっている。誰もが自由に発言できるとてもいい空気だから、本当に誰もが自由に発言して、本当にわちゃわちゃしている。そこに年功序列もまるでないのがまたいい。
そこに、演奏練習も入ってくるのだが、もちろんめちゃくちゃ楽しいのであるが、やはり、ハイレベルの方に混ざって演奏するのはかなり緊張する。
そして、管楽器の中に混ざると、アコースティックギターは、ほぼ聞こえない。
弾いている本人も聞こえていないのだから、周囲の人に聞こえるわけがない。なので、緊張もするが、聞こえないので、無自覚に油断しているところがある。油断した頃に、音楽監督のチェックが入る。「ギターだけ聞かせてください」。こんな緊張することはない。本番はどうやら、ギターはマイクで拾われることになるようだ。うむ、今日も、悲しい強盗殺人事件のニュースを横目に練習である。
一方、ほぼ全員が初顔合わせの5、6人のコンパクトな座組の新国立劇場「りんごが落ちる」。初日の本読みだけ参加させていただいたが、みなさんとても明るいしハイレベルだし、笑いもたくさん起きて、涙腺をつつかれるようなところもあって、とてもいい本読みだった。もう心配なく現場に任せて大丈夫と確信した。基本的に、脚本だけの際は、稽古場に行くのもあまりしたくないもので。行くと何かを言いたくなるだろうし、できれば何も口出ししたくないからである。作家の意図を聞いて解決するより、想像した方が面白いものが生まれるのである。今回は、幸い、フライイングシアターと丸かぶりなので、稽古に行けないのは幸いと思っている。
まるでタイプの違う自分の2本の作品が、同時期に上演されるのはなんとも光栄だ。
振り幅広く、しなやかに作品を作れたらと思う。

著者プロフィール

ノゾエ征爾
のぞえせいじ○1975年生。脚本家、演出家、俳優。はえぎわ主宰。青山学院大学在学中の1999年に「はえぎわ」を始動。以降全作品の作・演出を手がける。2011年の『○○トアル風景』にて第56回岸田國士戯曲賞を受賞。

今後の活動

・脚本
新国立劇場「りんごが落ちる」
脚本:ノゾエ征爾 演出:金澤菜乃英
@新国立劇場 小劇場
2026年 6月13日〜28日
https://www.nntt.jac.go.jp/play/nozoeseiji-newplay/

・出演、脚本、演出
フライイングシアター自由劇場「豪華客船タイクツニック号沈没」
作・演出 串田和美、ノゾエ征爾
構成・美術 串田和美
2026年6月14日(日)〜21日(日)
@吉祥寺シアター
7月10日〜12日 
@信毎メデイアガーデン(松本市)
https://www.k-jiyugekijo.com/titanic

・脚本・演出
KAAT キッズ・プログラム2026
「子どものための美しい国」(仮)
原作:ヤヌシュ・コルチャック(訳:中村妙子)
作・演出:ノゾエ征爾
音楽:田中馨
2026年8月中旬

▼▼前回の連載はこちら▼▼
https://enbutown.com/joho/2026/04/15/nozoe-157/