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新国立劇場フルオーディション企画第8弾『エンドゲーム』開幕!

新国立劇場のフルオーディション企画第8弾『エンドゲーム』が、5月15日・16日のプレビュー公演を経て、5月20日に開幕した。

本公演は、小川絵梨子芸術監督が就任以来取り組んできた、すべての出演者をオーディションで決定・上演するフルオーディション企画の第8弾。自身の任期最後となる本企画で、自ら演出も担う小川が選んだのは、1957年の初演から半世紀以上を経てもなお世界中で上演され続けている、サミュエル・ベケットの傑作『エンドゲーム』。 終末的な状況下で、どこにも行けない、行けなくなった4人の登場人物の、絶望的に繰り返される日常を描いた不条理劇で、作者であるベケットが「自分の作品の中で最も嫌いじゃない作品」と評したことでも知られている。

タイトルの「エンドゲーム」はチェスの終盤戦を意味しており、駒が少なくなり逃げ場のない状況を示唆している。登場人物たちは、出口のない部屋の中で、ただ終わりを待ち続けているのか、それとも――。

ディスカッションを重ね、丁寧に創り上げられた本公演。2回のプレビュー公演を経てさらにブラッシュアップされた本日の初日公演では、客席から度々笑いが起きる一方、劇中で描かれる「終わりゆく世界」が現実世界の行く末をも予感させ、その恐ろしさや絶望感を客席に感じさせた。そしてラストには一筋の光を感じさせ、難解なイメージのある不条理劇を見事に立ち上げたカンパニーに、客席からは熱い拍手が贈られた。

《あらすじ》
家具のない室内。舞台奥に小さな窓が二つ。カーテンは閉じている。壁際にはバケツが二つ、並んで置いてある。古ぼけたシーツを被って車椅子にかけている盲目のハム。もうひとり、クロヴが不自由な足取りで室内をウロついている。どうやら主従関係のようだ。二人はとりとめのない会話を続け、ハムは常にクロヴに文句を言い、怒鳴り散らし、イライラしている。クロヴはたまに外を覗いたりもするのだが、見えるのは殺伐とした風景。お互い、そんな日常に絶望しうんざりしていた。やがて退屈しのぎにハムが、バケツの中の人間に話しかける。中にいたのは彼の父親らしい。そしてもうひとりは……。

【開幕コメント】
小川絵梨子(演出/新国立劇場 演劇芸術監督)
本日、『エンドゲーム』の幕が開きます。
オーディションに参加して下さった方々、キャスト・スタッフの方々、そして何より劇場に来て下さる皆様に心より感謝申し上げます。また8年間、本企画にご参加くださった方々に改めまして深く御礼申し上げます。
また、プレビュー公演にお越しくださった皆さま、本当にありがとうございました。とても貴重なご意見・ご感想をたくさん頂きました。一語一語大切に拝読し、作品に反映させて頂いた所が多くございます。皆さまのご反応とご意見は我々の宝物です。本当にありがとうございました。
作品を楽しんで頂けましたら幸いです。何卒宜しくお願い申し上げます。

近江谷太朗(ハム役)
いよいよ初日を迎えます。ほぼほぼ1年前、合格発表があり顔合わせをした最高なチームでじっくり丁寧に時間をかけて作ってきました。作品の奥深さを知りわかってきた気になっていたら突き放されたりと、未だに苦労してもがいてますが、プレビュー公演で楽しんでくださってる空気を感じて、この作品はお客さんと一緒にその空間にいることをより感じることで完成されるものなのではないかと思いました。今まさに観て欲しい作品です。

佐藤直子(ネル役)
私たちの大冒険、「エンドゲーム」のお稽古は、時に穴に落ちてしまったり。
でも、みんなで勇気を持って乗り越えきました。
さあ、いよいよ本番です。最後まで前を向いて、いざ進めです。
劇場でぜひご一緒に冒険へ‼︎

田中英樹(ナッグ役)
プレビュー公演を経て、『エンドゲーム』、いよいよ、初日を迎えました。
一年前のオーディションから今日まで、演出・小川絵梨子さんと共に、全員で、この世界を、もがいてもがいて求めて来ました。
一行一行を丁寧に丁寧に読み解き、重ねて来ました。
ゆっくりと確実に終わりに向かうこの一刻一刻を、我々が「どう生きようとしているか」をどうぞ見届けてください。
そんでもって、ベケット先生の「リズム」を心ゆくまで楽しんでください。

【公演情報】
2025/2026シーズン演劇
フルオーディション企画第8弾『エンドゲーム』
作:サミュエル・ベケット
翻訳:岡室美奈子
演出:小川絵梨子
出演:近江谷太朗 佐藤直子 田中英樹 中山求一郎
●5/15・16◎プレビュー公演 新国立劇場 小劇場
●5/20~31◎新国立劇場 小劇場 
〈公式サイト〉https://www.nntt.jac.go.jp/play/endgame/

【舞台撮影/田中亜紀】