
世田谷パブリックシアターの企画制作により、シアタートラムにて『レディエント・バーミン Radiant Vermin』の再演が開幕した。
演出家・白井晃にとってフィリップ・リドリーは最も創作意欲を刺激される劇作家だと言っても過言ではない。フィリップ・リドリー作×白井晃演 出による上演は、『ピッチフォーク・ディズニー』(2002 年)、『宇宙でいちばん速い時計』(2003 年)、『ガラスの葉』(2010 年)、『マーキュリー・ファー Mercury Fur』(2015 年、 2022 年)、『レディエント・バーミン Radiant Vermin』(2016 年)『メルセデス・アイス MERCEDES ICE』(2023 年)と6作品にのぼる。いずれも斬新な劇場空間と衝撃的な演出により高い評価を受け、話題を集めてきた。
フィリップ・リドリー作『レディエント・バーミン Radiant Vermin』は、2015年にイギリスで初演され、日本では白井により2016年初演された。10年ぶりとなる今回の再演では、清原果耶、井之脇海、池津祥子の3人の俳優を迎え、ユーモアと演劇的な仕掛けを随所にちりばめ、人間の本能的な所有欲や狂気を描き出している。
世田谷パブリックシアター芸術監督である白井晃が2026年度に掲げたテーマは『わたしは、この世界にどう生きるか』。「変化と対峙し、見つめ、しっかりと耳を傾けることで、『わたし』の生き方を見つけたい」と語る白井が選んだ本作にも、私たちの生きる現代社会への鋭い視線が描かれている。



自分たちの“理想の家”を探し求める若夫婦、オリーとジル。大きな秘密を抱えた「家」に翻弄される妻のジル役を2015年の NHK連続テレビ小説「あさが来た」での俳優デビュー以降、映像ではさまざまな話題作に出演、初舞台となった『ジャンヌ・ダルク』では読売演劇大賞杉村春子賞も受賞した清原果耶が演じる。
夫のオリー役を、映像・舞台とジャンルを問わずに活躍の場を広げ、舞台作品では『エレファント・ソング』(主演)、『ボクの穴、彼の穴。W』、『リプリー、あいにくの宇宙ね』などに出演した井之脇海。
そんな2人の前に突然現れる謎めいた不動産仲介人ミス・ディーを、数々の舞台や映像作品でその存在感を発揮している池津祥子が演じるなど、刺激的な顔合わせで贈る、不思議でブラックなコメディー。



《ストーリー》
若い夫婦オリーとジルが、自分たちの「家」の話を始める。
1年半前、彼らはまだ小さいボロ屋に住んでいて、ジルは妊娠中だった。そんなある日、ミス・ディーと名乗る家の仲介者から「夢の家を差し上げます」という手紙が舞い込む。
疑いながらも見に行くと、浮浪者がうろつく荒れ野原に立つ古びた大きな家。ミス・ディーは、ふたりなら素晴らしい家にリフォームできると言って契約書を差し出す。生まれてくる赤ちゃんのために理想のマイホームが欲しい–ふたりは契約書にサインする。
引っ越した次の日。ふたりは偶然、夢の家の残酷な秘密を知る。
たちまちその秘密の虜になったふたりは次々と不思議な“光”とともに家を豪華にリフォームし、荒れ野原をリッチなお洒落タウンへと変貌させていくのだが…。その光とはいったい……?
*Radiant(レディエント)=光る、輝く Vermin(バーミン)=害虫、害獣、などの意味。

トレーラー https://youtu.be/6uPHcWykrn8
【公演情報】
『レディエント・バーミン Radiant Vermin』
作:フィリップ・リドリー
翻訳:小宮山智津子
演出:白井 晃
出演:清原果耶 井之脇海 池津祥子
●6/8~7/5◎シアタートラム
〈公式サイト〉https://setagaya-pt.jp/stage/31083/
〈公式X〉@radiantvermin26
《ツアー公演》
●7/11・12◎兵庫公演 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
●7/18・19◎宮崎公演 メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場) 演劇ホール
●7/25・26◎新潟公演 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場
●7/31・8/1◎愛知公演 春日井市民会館
【撮影:田中亜紀】



