

令和8年9月2日に初日を迎える、歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎」の昼の部で上演される『ひらかな盛衰記』「逆櫓」と、『一條大蔵譚』の特別ビジュアルが公開された。
明治から昭和にかけて活躍した名優・初世中村吉右衛門の功績を顕彰し、俳名「秀山」にちなみ、二世吉右衛門を中心に平成18(2006)年から始まった「秀山祭」。今回も初世吉右衛門にゆかりの作品の数々を、豪華俳優陣で楽しめる舞台だ。
昼の部『ひらかな盛衰記』「逆櫓」は、源平合戦で義経の勝利を支えた船頭・松右衛門にまつわる物語を描き、主君を思う忠義と恩愛を題材にした重厚な時代物として人気の高い名作。この度は、初世吉右衛門、二世吉右衛門が得意とした松右衛門実は樋口次郎兼光を二世の甥にあたる松本幸四郎が初役で勤め、その芸を受け継ぐ。特別ビジュアルでは、樋口次郎兼光の宿命に立ち向かう迫力と鬼気迫る表情を凝縮して表現。覇気をまとった鋭い眼光と力強い立ち姿からは、「秀山祭」の真髄である時代物の重厚さとともに、芸を継承する覚悟も強く伝わってくる。
夜の部の『一條大蔵譚』は、『鬼一法眼三略巻』の一幕で、平家全盛の御代に源氏に思いを寄せながらも作り阿呆として生きた一條大蔵長成の本心を描く一幕。この度は一條大蔵長成を市川染五郎が初役で勤める。特別ビジュアルでは、平家方と内通する八剣勘解由の首を自ら鮮やかに討ち取り、その首を手にしながら再び阿呆の振りへと戻っていく一瞬を捉えている。凛々しく高貴な公家の姿と、世を偽る「作り阿呆」の劇的な二面性を持つ一條大蔵卿。「作り阿呆」の姿ゆえに際立つ内に秘めたドラマ性に、舞台への期待感が一層高まる一枚となっている。
いずれも撮影を手掛けたのは、世界的に活躍する写真家・下村一喜氏。伝統を受け継ぎつつ、新しい歌舞伎の美を切り取った至高の一枚となっている。
【公演情報】
歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎」
■日程:9月2日(水)〜26日(土)[休演]9日(水)、18日(金)
■会場:歌舞伎座(東京都中央区銀座4-12-15)
■演目:昼の部 『春調娘七種』、『三社祭』、『ひらかな盛衰記』「大津宿屋」「笹引き」「逆櫓」
夜の部『雛鶴三番叟』、『沼津』、『京人形』、『一條大蔵譚』
〈歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎」情報ページ〉https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/978



