豪華俳優5人の競演『海をゆく者』開幕!

 
命運を賭けたカードゲーム。イブの夜、最後に笑うのは誰だ。
PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『海をゆく者』が、12月7日にPARCO劇場にて初日を迎えた。東京公演を皮切りに、新潟、愛知、岡山、福岡、広島、大阪と巡演する。

『海をゆく者』はアイルランド演劇界をリードする気鋭の劇作家コナー・マクファーソンの出世作にして、代表作。2006年に自らの演出により、ロンドンのナショナル・シアターにてデビューした本作は、ローレンス・オリヴィエ賞“BEST PLAY”、トニー賞“BEST PLAY”他三部門に輝き、『21世紀のクリスマスキャロル』と評される傑作芝居で、世界中で上演されてきた。

日本では、演劇界を牽引する5人の名バイプレイヤーが、演出家栗山民也の元に結集し、丁々発止のセリフの応酬と円熟味あふれる絶妙なアンサンブルで、2009年、2014年に上演。大好評を博し、PARCO劇場の 傑作レパートリーとなっている。今回は、PARCO劇場開場50周年のアニバーサリー・イヤーの作品として、平均年齢70歳を目の前にする第一線で大活躍中の俳優5人の豪華競演が実現した。

ロックハート役には数々の映画、ドラマで活躍し、コミカルな役から悪人まで幅広い役柄を演じ、作品にスパイスを加える小日向文世。
過去2公演で吉田鋼太郎が演じたリチャード役には、舞台・ドラマ・映画と多岐にわたり活躍を続ける高橋克実。
アイヴァン役には幅広い役柄に対応する演技力で舞台やテレビに欠かせない名脇役の浅野和之。
ニッキー役には、舞台やドラマなどにとどまらず、時には女方も務め、常に異彩を放ち続ける大谷亮介。
シャーキー役には2014年版の「海をゆく者」で第49回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞し常に存在感を残す平田満が扮している。

 
《あらすじ》
アイルランド、ダブリン北部。海沿いの町にある古びた家に、若くはない兄弟が二人で暮らしている。兄のリチャード(高橋克実)は大酒のみで、最近、目が不自由になり、その世話のために戻ってきたという弟のシャーキー(平田 満)は、酒癖の悪さで多くのものを失い、今は禁酒中。陽気で解放的な性格のリチャードは、クリスマス・イヴも朝から近所の友人アイヴァン(浅野和之)と飲んだくれ、シャーキーが顔を合わせたくないであろう男ニッキー(大谷亮介)を「クリスマスだから」とカードに誘ってシャーキーを怒らせる。さらには、ニッキーが連れてきた一人の男、ロックハート(小日向文世)。彼こそが、シャーキーが忘れたくとも忘れられなかった男だった

【コメント】
初日を迎えるにあたり、演出の栗山民也とキャストのコメントが届いた。

大谷亮介 平田満 小日向文世 高橋克実 浅野和之 

演出家・栗山民也 
舞台での通し稽古が、今、終った。程よく熟したのか、ただ老化した
だけなのか、なんともゆったりとしたいい感じの空気が流れていた。
人間だけの手作りで出来上がったこの大事な作品を、何度も噛みし
める。芝居は、「生きもの」だと昔からよく言われるが、こんな素適な
「生きもの」とは、そう出会えるものじゃない。
2023 年の冬を、共にパルコ劇場で!

小日向文世
本作の再演から約10年経って歳を取ったので、若い時と比べて丸くなったのか、このメンバーと一緒にいるだけで楽しかったです。来年1月末の千穐楽まで健康第一で体調を整えたいと思います。若い方々に観に来ていただけるかどうか不安ですが、平均年齢約70歳、一番若くて(高橋克実さんが)62歳というこの年代が5人も揃ったなかなか貴重な作品になっていると思いますので、是非観に来てください。

高橋克実
私のみ初参加、そして最年少です。稽古場では若手扱いをしてただいて、60歳を超えていると感じない現場です。初演も再演も拝見していて、観るのと演じるのでは大違いです。PARCO劇場では、節目節目でお芝居をさせていただいていて、人生の方向が変わっていくきっかけとなった作品が多いです。4人の先輩は若い頃からお付き合いのある方ばかりで皆さんのおかげでなんとかここまでたどり着けました。12月をより楽しくさせるようなお芝居にとなっておりますので、ぜひ観に来てください。

浅野和之
初日はどの作品もそうですが、徐々に緊張が高まっています。来年1月の大阪大千穐楽まで怪我のないように完走したいと思います。この作品は70歳の生態系を見ているだけでも楽しいとは思いますが、期待を裏切らないような作品になっているので、楽しみにしていてください。記憶力は確かに少しずつ衰えておりますが、舞台は円熟味を増してもっとよい作品に仕上がっていますので、発酵しすぎないよう手前で頑張りたいと思います(笑)。

大谷亮介
皆さんほぼ70代、克実さんのみ60代で若手ホープのような感じになっておりますが、皆さまの心や思い出に残るような舞台にしたいです。稽古を重ねていて、いつの間にか自分がアイルランド人になったような気持ちになっております(笑)。
この作品がご覧になったお客様の、ささやかなクリスマスプレゼントになればいいなと思っておりますので、お客さまが楽しかったなと思っていただけるように頑張ります。

平田満
スタッフ&キャストが全員信頼できる人達なので、良いチームワークで最後までいけたらと思っています。3回目となりますが、(高橋克実さんが入って)新たに魅力が増した『海をゆく者』になっているかと思います。多分僕らにとっては最後の『海をゆく者』になるかと思いますので(笑)お見逃しなく!男5人でみすぼらしい恰好してますけど、作品自体は最後に温かい気持ちが伝わると思いますので、ご覧になって損はないと思います。暮れの忙しい時に恐縮ですが、皆さまにお越しいただけることを願っております。

【公演情報】
PARCO劇場開場50周年記念シリーズ
『海をゆく者』
作 :コナー・マクファーソン
翻訳:小田島恒志
演出:栗山民也
出演:小日向文世 高橋克実 浅野和之 大谷亮介 平田満
●12/7~27◎東京公演 PARCO劇場
〈料金〉10,000 円  ペアチケット18,000 円  U-18 チケット3,000 円 U-30 チケット5,000 円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈チケットに関する問合せ〉サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(平日 12:00~15:00)
〈公演に関する問合せ〉パルコステージ 03-3477-5858 https://stage.parco.jp/
〈公式サイト〉https://stage.parco.jp/program/seafarer2023

●2024/1/7◎新潟公演 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場
●2024/1/12~14◎愛知公演  穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
●2024/1/17◎岡山公演 岡山芸術創造劇場ハレノワ中劇場
●2024/1/20・21◎福岡公演 キャナルシティ劇場
●2024/1/24◎広島公演 アステールプラザ 大ホール
●2024/1/27~29◎大阪公演 サンケイホールブリーゼ

【撮影/細野晋司】

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