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八代目菊五郎・六代目菊之助、親子同時襲名披露の掉尾を飾る『六月博多座大歌舞伎』開幕レポート到着!

「連獅子」右から八代目尾上菊五郎_尾上菊之助(C)松竹

【博多座初日開幕レポート】
昨年5月の歌舞伎座を皮切りに全国各地で行われてきた襲名披露興行。その大劇場公演の締めくくりとなる、尾上菊之助改め八代目尾上菊五郎襲名披露、尾上丑之助改め六代目尾上菊之助襲名披露『六月博多座大歌舞伎』が、6月2日、博多座で初日を迎えた。(千穐楽は6月22日)

先日開催された「船乗り込み」では約3万5千人の観衆が集まり、大きな盛り上がりを見せた博多の街。親子同時襲名披露の集大成となる公演とあって注目度は高く、初日の昼夜とも大盛況となり、劇場は祝祭ムードに包まれた。

八代目尾上菊五郎、六代目尾上菊之助に加え、市川團十郎、市川右團次、坂東彌十郎、中村雀右衛門ら襲名披露興行にふさわしい豪華な出演者が顔を揃えた。なかでも、令和の“團菊”の新菊五郎と團十郎が博多座で共演するのは約19年ぶりとなり、大きな注目を集めている。

音羽屋の芸と継承を示した昼の部

「寿式三番叟」右より中村鷹之資_中村玉太郎_大谷廣松_上村吉太朗_中村莟玉(C)松竹

昼の部は、天下泰平や国土安穏、五穀豊穣を祈るご祝儀舞踊『寿式三番叟』で幕を開けた。能の『翁』を題材とした格調高い舞踊が、音羽屋二代の襲名を寿ぐ祝祭の雰囲気を高め、劇場を華やかな空気で包み込んだ。

「菅原伝授手習鑑 車引」右より尾上菊之助_中村鷹之資_坂東彌十郎_上村吉太朗(C)松竹

続く『菅原伝授手習鑑 車引』は、義太夫狂言の三大名作の一つ『菅原伝授手習鑑』の中でも、鮮やかな様式美と荒事の魅力が凝縮された人気演目。新菊之助は、昨年六月の歌舞伎座襲名披露興行で初役として挑んだ梅王丸を勤めた。それから約一年、数々の大役で経験を重ねた成果を感じさせる堂々たる舞台姿を見せ、客席からは大きな拍手が送られ、若々しいエネルギーの中にも確かな成長を印象付けた。

「茨木」_右より八代目尾上菊五郎_市川團十郎(C)松竹

昼の部最後は、五世尾上菊五郎が制定した「新古演劇十種」の一つであり、音羽屋のお家芸として受け継がれてきた『茨木』。襲名披露狂言として新菊五郎が初役として真柴実は茨木童子に挑み、妖艶さと凄みを併せ持つ演技で客席を魅了した。片腕を失った鬼神が繰り広げる舞踊や迫力ある立廻りに、劇場の熱気は一層高まり、新たな菊五郎の誕生を強く印象付ける舞台となった。

豪華俳優陣が彩る襲名披露興行の夜の部

「ぢいさんばあさん」右から八代目尾上菊五郎_中村雀右衛門(C)松竹

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夜の部は、森鷗外の短編小説を原作に宇野信夫が脚色した名作『ぢいさんばあさん』より幕開け。新菊五郎が初役として美濃部伊織、中村雀右衛門が妻るんを勤め、離れ離れとなった夫婦が再び巡り会うまでの歳月と変わらぬ愛情を情感豊かに描き出した。人生の変転の中でも変わることのない夫婦愛に、客席は静かに引き込まれた。

「男伊達花廓」市川團十郎(C)松竹

続く『男伊達花廓』では、市川團十郎が江戸随一の男伊達・御所五郎蔵を勤め、粋な心意気と華やかな江戸情緒で観客を魅了。傘を使った華やかな立廻りも見どころとなり、音羽屋の襲名披露興行に鮮やかな彩りを添えた。

「襲名披露口上」右から坂東彌十郎_中村雀右衛門_八代目尾上菊五郎_尾上菊之助_市川團十郎(C)松竹

そして襲名披露興行の大きな見どころである『襲名披露口上』では、裃姿の出演者が舞台に勢揃いし、新菊五郎、新菊之助の新たな門出を寿いだ。

新菊五郎は「歴代の菊五郎が大切にしてまいりました『伝統と革新』の精神に則り、精進していく覚悟でございます」と挨拶。また、新菊之助は「大きな名跡を襲名させていただく感謝とともに、立派な歌舞伎俳優となれますよう、なお一層精進してまいります」と力強く決意を述べた。
昨年5月の歌舞伎座から続いてきた襲名披露興行が、博多座で大劇場公演の締めくくりを迎えることもあり、客席からはひときわ大きな拍手が送られ、劇場は祝福ムードに包まれた。

「連獅子」右から尾上菊之助_八代目尾上菊五郎(C)松竹

夜の部の掉尾を飾るのは『連獅子』。獅子の親子を通して芸の継承と厳しさを描く歌舞伎舞踊の大曲であり、その姿は今回の親子同時襲名とも重なる。前半では親獅子と仔獅子の情愛が丁寧に描かれ、後半では新菊五郎と新菊之助が豪快な毛振りを披露。親子ならではの息の合った舞台に客席の熱気は最高潮に達し、幕切れには惜しみない拍手が劇場を包み込んだ。

全国各地で行われてきた襲名披露興行の大劇場公演を締めくくる『六月博多座大歌舞伎』。音羽屋の芸と精神を受け継ぐ親子の新たな門出を祝う、華やかな幕開けとなった。

【公演情報】
尾上菊之助改め 八代目 尾上菊五郎襲名披露
尾上丑之助改め 六代目 尾上菊之助襲名披露
『六月博多座大歌舞伎』
<昼の部>11:00開演   
一、寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)
二、菅原伝授手習鑑 車引(くるまびき)
三、新古演劇十種の内 茨木(いばらき)
<夜の部>15:45開演
一、ぢいさんばあさん
二、男伊達花廓(おとこだてはなのよしわら)
三、襲名披露口上(こうじょう)
四、連獅子(れんじし)
出演:
八代目尾上菊五郎、尾上菊之助/市川團十郎、市川右團次、市川男女蔵、大谷廣松、中村虎之介、中村鷹之資、中村莟玉、中村玉太郎、上村吉太朗、市村橘太郎、市川九團次、中村亀鶴、片岡市蔵、坂東彌十郎、中村雀右衛門
●6/2〜22◎博多座 
[休演日]8日(月)、16日(火)
〈問い合わせ〉博多座電話予約センター 092-263-5555(10:00~17:00)