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情報☆キック
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片桐はいり・安藤玉恵の2バージョン『スプーンフェイス・スタインバーグ』開幕! 

KAAT神奈川芸術劇場では、2023年度メインシーズンのシーズンタイトル「貌(かたち)」の最後を飾る作品として、一人芝居『スプーンフェイス・スタインバーグ』を、小山ゆうな演出、片桐はいり・安藤玉恵の2バージョンで上演。その初日が2月16日に開幕した(3月3日まで)。

本作はミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』や映画「ロケットマン」の脚本で知られる劇作家リー・ホールによってラジオドラマとして書かれた。1997年にイギリスのBBCラジオ4で放送され、人生・愛・信仰の意味を詩的かつユーモアを含んだシナリオの独白が大きな反響を呼び、再放送を重ねた。その後1998年にテレビドラマ化、2000年に舞台化され、舞台版初演では、野田秀樹演出『THE BEE English Version』などにも出演したキャサリン・ハンターが当時42歳でタイトルロールを務めた。舞台版は、イギリスのほか世界各国でもたびたび上演され、日本でも2010年に、現KAAT神奈川芸術劇場芸術監督・長塚圭史が、リーディング公演として上演している。

今回の演出を手がけるのは、2017年『チック』で第10回小田島雄志・翻訳戯曲賞および第25回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞し注目を集め、近年ミュージカルやストレートプレイの演出・翻訳で数々の話題作を世に送り出している小山ゆうな。2022年2月にKAATで上演した『ラビット・ホール』(作:デヴィッド・リンゼイ=アベアー)では、息子の死に向き合う母親の心の動きを繊細に表現し、高い評価を得た。本作で再び“子どもの死”をテーマに扱うことについて、「人の生き死にと向き合う事が演劇をやるという事でもありますし、(中略)私も覚悟を決めて作品に真っすぐ向き合いたいと思います」と決意を語った。

/7歳の少女スプーンフェイスを演じるのは、ドラマ・映画・舞台・文筆など幅広く活躍し、初舞台から40周年のメモリアルイヤーに出演した野外劇『嵐が丘』(22年)で圧倒的な存在感を魅せた片桐はいりと、『桜の園』(23年)や『阿修羅のごとく』(22年)などの話題舞台に次々出演し、連続テレビ小説「らんまん」や東京ガスのテレビCMでも注目を浴びる安藤玉恵。舞台俳優としてキャリアをスタートし、映像作品でも個性が光る二人が、この珠玉の一人芝居をダブルキャストで務める。

《あらすじ》
顔がスプーンみたいに丸いため“スプーンフェイス”と名付けられた自閉症の少女は、7歳にして癌に侵される。死を間近に、両親やお手伝いのおばさん、病院の先生、大好きなオペラに思いをめぐらせながら、生きることや死ぬこと、そしてこの世界の意味をも問い語り続ける…

人間が生きるとは、死ぬとは、どういうことなのか、死んだらどこに行くのか...命の終焉を迎える少女の目に映る世界の貌にまで思いを巡らせる静かなドラマとなっている。

【コメント】
小山ゆうな[演出]
この一人芝居を引き受けここまで弛まぬ努力で作り上げてくださった片桐さん・安藤さんお二人に拍手!
スプーンフェイスは「勇気」があると周りの人に言われますが、お二人も勇気があるかっこいい俳優さんたちだという事を改めて感じました。
客席も近く、正に客席と一緒につくり上げられていく作品。お客様と演者の間に火花が起きる瞬間を沢山感じました。お客様も本当にありがとうございます。
今しか観る事のできない、正にライブな素敵な作品なので沢山の方に、そして出来れば両バージョン観ていただきたいです。

片桐はいり/W キャスト
ここ数か月スプーンフェイスと過ごして、生きること死ぬことのいろんなことに、七歳の哲学とちょっとシビアなユーモアで立ち向かう彼女にすっかり感化され、わたしもこの世でもっとも苦手なこと、セリフをたくさんしゃべること、死について考えること、がほんのちょっと怖くなくなってきました。奇跡!
安藤玉恵さんと二種類の違うタイプのミラクルを、ぜひ皆さんにもおすそ分けしたいです。

安藤玉恵/W キャスト
はいりさんと一緒のお稽古の何が素晴らしかったのかと言うと、演技に対して厳しい先輩が、私をじっと見ているという緊張感でした。演出の小山さんは、私のチャレンジを尊重して、変化に敏感に反応してくださって、いろんな話をしながらいい稽古時間を過ごしました。今、やる気に満ちているのは小山さんのおかげです。
緊張とどう向き合うか、出る前の舞台袖で考えていました。お見せできるという高揚も、かみしめていました。
スプーンフェイス・スタインバーグ、初日の幕が開きました。
翻訳も美術も衣装も照明も音響も映像も、制作さん達もみーんな素敵です。
毎ステージ、じっくりと丁寧に、やりたいと思っています。

【公演情報】
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
『スプーンフェイス・スタインバーグ』
作:リー・ホール
翻訳:常田景子
演出:小山ゆうな
Wキャスト:片桐はいり 安藤玉恵
●2/16〜3/3◎KAAT 神奈川芸術劇場<大スタジオ>
〈料金〉一般5,500円(入場整理番号付自由席・税込)
※U24、高校生以下、シルバー、神奈川県民割引など各種割引あり。詳細は公式サイトにて。
〈お問い合わせ〉チケットかながわ 0570-015-415(10:00〜18:00) 
 https://www.kaat.jp
〈公式サイト〉 https://www.kaat.jp/d/spoonface_steinberg

 
【撮影: 渞忠之】

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