「テーマパークライブ演劇 新ジャンル誕生!」30-DELUX collaborate with UNiFY『SHAKES2024~それは夢、だが人生という永劫の物語』公開ゲネプロ&取材会レポート
演劇ユニット30-DELUXと、昨年デビューした人気上昇中のボーイズグループUNiFYがタッグを組んだ公演、30-DELUX collaborate with UNiFY『SHAKES2024~それは夢、だが人生という永劫の物語』が2024年5月15日(水)に東京・俳優座劇場で開幕した。
「SHAKES」(シェイクス)は、2007年の初演からのべ20万人を動員してきた、30-DELUXコメディシリーズの代表作で、シェイクスピア作品の登場人物が一堂に会するテーマパーク「シェイクスピアランド」で起こるドタバタ喜劇。今回の上演では演出を大幅に変えてリアレンジし、UNiFYと共に贈るカーテンコールレビューショーを加えて「テーマパーク演劇×ライブ」で届ける、アクションコメディエンターテインメントライブとなっている。
初日に先立ち、公開ゲネプロとコメント取材会が行われた。
《公開ゲネプロ》
東京公演Aチームのゲネプロが取材陣に公開された。
シェイクスピア作品の様々な登場人物が一堂に会する「シェイクスピアランド」では、オープニングアクトの開演を前に現場がバタバタとしている。現場責任者の江口久之(福井巴也)は、マクベス役でオーナーの息子の倉木ユタカ(石沢瑠架)とハムレット役でユタカの腰巾着の小手形一郎(大塚晋也)のワガママや、ロミオ役で小心者の台場真仁(田中雅士)の不安な心や、演出家の宗像来雄(田中精)の個人的な事情などに振り回されてしまう。
そんな中、江口はかつての友人・匠士也(村瀬文宣)が舞台上で死んでしまうという予知夢を見る。胸騒ぎを覚える江口の前に8年ぶりに匠が現れる。江口と匠はかつて共に「劇団シェイクス」を立ち上げ活動していた仲間だったが、とある出来事をきっかけに2人は離れてしまっていた。今は殺陣師として活動している匠がユタカの依頼で急遽この現場に来てしまい、江口の心は乱される。江口と匠の間に何があったのか、カギを握る江口の妹・メイ(湯本亜美)が2人のことを心配そうに見守る中、様々な登場人物の思惑が複雑に絡み合い、シェイクスピアランドの開幕が刻一刻と迫ってくる。果たして江口の予知夢は的中してしまうのか?
幕開けから派手なショー仕立てで、見ごたえのある殺陣シーンも惜しみなく披露し、観客を巻き込みながら劇場のテンションは一気に高まる。そのスピード感とボルテージを保ったまま、物語はノンストップのコメディでありつつも、先の読めないミステリー要素も含みながら疾走していく。
登場するキャラクターの数は劇中劇も含めて非常に多いが、それぞれが個性的でエピソードもしっかり書き込まれているので、江口と匠を中心としたメインストーリーを軸としながらも群像劇としての面白さもある。ドラマあり、笑いあり、涙あり、アクションあり、歌も踊りもあり、とこれぞエンターテインメントショーという賑やかさと華やかさで最初から最後まで観客を牽引し続ける力強さを感じた。
劇中劇では「ロミオとジュリエット」の物語をベースにしながら、「夏の夜の夢」のパック、リチャード三世、マクベスといったシェイクスピア作品のキャラクターが次々と登場する。元の作品を知らなくても問題ないが、知っていると「あのキャラクターがこんなところに出てくるの?」という意外性を楽しめるだろう。
カーテンコールのレビューショーでは、本編を終えた出演者たちがそれぞれ演じた役柄、そして30-DELUXやUNiFYやゲスト出演という立場を超えて一体となったステージを見せ、舞台と客席が一体となって盛り上がることだろう。開幕前の前説(演出家の宗像役の田中精と演出助手役の伊月大和が担当)から終演の瞬間まで、余すところなくこの“エンタメライブ”を堪能して欲しい。
《コメント取材会》
脚色・演出の山本タク、キャストの福井巴也、石橋弘毅、石沢瑠架、村瀬文宣、竹之内景樹、田中精、湯本亜美、藤田奈那、清水順二が登壇した。
田中精 この作品は、公演としては5回目でのべいろんな方に見ていただいた。今回は大幅リニューアルということで、何度もこの作品に参加している僕らメンバーもてんてこ舞いになっています。僕の目標はラップを飛ばさない、という気持ちでいっぱいです。キャスティングが東京AチームとBチームがあって、大阪AとBはまた組み合わせが変わってくるので、各都市で味わいが違う『SHAKES』になっています。
──見どころは。
レビューショーがあって、UNiFY さんと肩を並べようという気持ちで30-DELUXも一生懸命やっています。それも含めてテーマパークみたいなお芝居になっていると思いますので、一緒に盛り上がってもらえると嬉しいです。
湯本亜美 メイはいろんなことを抱えながらこの世界にいると思うので、私もその大切な気持ちを持ちつつ、一生懸命演じられるように、お客様に届けられるように頑張りたいと思います。
石沢瑠架 倉木ユタカという役はシェイクスピアランドのオーナーの息子で、作品の中ではいろんな表情を見せたりとか、小手形との掛け合いとかは見ていてとても楽しいと思うので、見ていただければ嬉しいです。
石橋弘毅 劇団シェイクス自体が本当にあった劇団かのようなお話しなので、今回僕たちUNiFYと30-DELUXさんでやった今回の作品がいつか伝説のように、劇団シェイクスのように語り継がれるような作品になればいいなと思います。
福井巴也
僕自身も今回が初の主演ということで、江口と自分を重ね合わせて背負いながらここまで来たんですけれども、最後まで責任を持ってこの役を主演として走り続けていきたいなと思っています。
──見どころは。
この2時間の中に喜怒哀楽いろんな感情があって楽しい舞台なんですが、泣けるところもあって笑えるところもあってということで、見てくださる方々にそういったところも届けばいいなと思いますし、UNiFYというダンスボーカルグループと30-DELUXという劇団がコラボして、そこにゲストのお二方、そしてスタッフの方が加わってくださり、本当に素敵な作品ができたと思っていますので、ぜひ見に来て欲しいと思っています。
村瀬文宣
4つの可動式のセットをふんだんにつかった殺陣シーンがたくさんありますので、ぜひ皆様楽しみにしていてください。
──見どころは。
ステージのショーをやる人たちの裏側の話なので、舞台を作る上であるあるのことが作品の中ににちりばめられていて、お客様が見たときに「こういうことが起きたりするのかな」とかいろんな想像をしていただける舞台だと思っています。可動式のセットがいろんなところで動いているので、タクさんがおっしゃった「しんどいことをしてお客様が喜んでくれる、演劇の醍醐味」みたいなものを僕ら全員でぶつけている舞台だと思うので、楽しんでいただけると思います。
竹之内景樹 今回、話としては裏方の裏側の話だったり役者の表面の話だったり、いろんなものがシェイクされた、題名にふさわしい内容になっていて、どんな方でも楽しめる作品になっているので、ぜひ一回だまされたと思って見に来ていただきたいです。
藤田奈那 Aチームの皆さんの公演からすごく熱量を感じて、緊張感が高まっています。Aチームの熱量を受け取って、Bチームもがんばりましょう。
山本タク 何度も再演されているという作品なので、どういうふうな作り方かと考えたときに、テーマパークテーマにしている物語ということで、そこをフューチャーして演出・脚色させていただきました。何度来てもお客様に楽しんでもらえるように、そして来なければわからない楽しみがこの作品にはたくさんあると思いますので、ぜひとも見に来ていただければと思います。
清水順二 この作品は2007年に東京芸術劇場でやった初演から16年経って、約20万人のお客様に見ていただいた作品です。今回は山本タクさんに新演出で初めて映像を入れたり、舞台セットを動かしたり、楽曲も全部変えて、そしてキャラクターに合わせて脚色していただいて、30-DELUXとUNiFYという新しいボーイズグループとのコラボレーションで、新ジャンルを作ってやろうという勢いでここまでやってきました。これからどんどんみんなが成長していく姿がありますので、どうか本番を見に来ていただいて、お客様がどれくらい盛り上がるのか、ペンライトをどこで振るんだろうか、そういったところに注目していただきたいと思っています。
──見どころは。
記事の見出しを提供させていただきたいのですが、キーワードは「テーマパーク」「歌」「ライブ」「演劇」なので、「テーマパークライブ演劇 新ジャンル誕生」みたいな、そういった見出しでお願いしたいと思います。30-DELUXとUNiFYがシェイクする、そしてテーマパークとライブと演劇がシェイクするということで、書いていただければ。
【公演情報】
30-DELUX collaborate with UNiFY
『SHAKES2024~それは夢、だが人生という永劫の物語』
脚本:IKKAN
潤色:田中精
脚本・演出:山本タク
《TA=東京公演Aチーム》
福井巴也、石沢瑠架、石橋弘毅、伊月大和、宝、新美直己、
湯本亜美、村瀬文宣、竹之内景樹、大塚晋也、石井鈴音、
田中雅士、森田凱斗、永易大空、原田百嘉、田中精
《TB=東京公演Bチーム》
福井巴也、雨宮大晟、石橋弘毅、伊月大和、中川将平、RAY、
藤田奈那、村瀬文宣、髙木俊輔、竹之内景樹、
藤原渚、林ちり、南勇大、長瀬友起、谷口敏也、清水順二
《OA=大阪公演Aチーム》
福井巴也、石沢瑠架、伊月大和、宝、富園力也、新美直己、
湯本亜美、村瀬文宣、竹之内景樹、大塚晋也、石井鈴音、
森田凱斗、永易大空、長瀬友起、谷口敏也、清水順二
《OB=大阪公演Bチーム》
福井巴也、雨宮大晟、伊月大和、宝、中川将平、RAY、
藤田奈那、湯本亜美、村瀬文宣、髙木俊輔、竹之内景樹、
田中雅士、原田百嘉、谷口敏也、田中精、清水順二
《NA=名古屋公演Aチーム》
福井巴也、石沢瑠架、伊月大和、宝、富園力也、RAY、
村瀬文宣、髙木俊輔、竹之内景樹、大塚晋也、石井鈴音、
永易大空、林ちり、長瀬友起、田中精、清水順二
《NB=名古屋公演Bチーム》
福井巴也、雨宮大晟、伊月大和、中川将平、新美直己、RAY、
藤田奈那、村瀬文宣、竹之内景樹、藤原渚、林ちり、
南勇大、原田百嘉、谷口敏也、田中精、清水順
●5/15~19◎東京公演 俳優座劇場
●5/31~6/2◎大阪公演 ABCホール
●6/7~9◎名古屋公演 メニコンシアターAoi
〈料金〉前売8,000円 当日8,200円/プレミアムチケット前売11,000円 当日11,200円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
※プレミアムチケット座席=俳優座劇場:1列~7列/ABCホール:XA列~G列/メニコンシアターAoi:A列~H列
〈チケット取扱〉 カンフェティ、チケットぴあ、ローソンチケット、イープラス
〈公式サイト〉https://30-delux.net/shakes2024/
〈公式X〉https://x.com/30delux_unify
【取材・文/久田絢子】 【撮影 : 伊東和則】