制作集団・真夏座は、1972年に創立した現代劇センター真夏座が2020年春に活動を終了したとき、次の展開を模索する江口ふじ子、岩﨑幸代、羽藤雄次によって「劇団という形にとらわれない機動性の高い集団を作ろう」と新たなスタートを切った。
以降、公演ごとにスタッフ・出演者を募る「制作集団」として活動。今回、第9回公演としてカレル・チャペックの『白い病』を、5月14日〜17日に東京・両国のシアターX(カイ)にて上演する。脚色・演出は矢内文章。出演は江口、岩﨑、羽藤に加えて、葛城ゆい、小谷佳加、古木杏子、磯部莉菜子ほかが客演する。

物語は、そう遠くない未来、戦争を目前に控えたある軍事国家の物語。
感染すれば必ず死に至るという謎の伝染病「白い病」が世界を覆う中、この国の独裁者である元帥は、自らの娘に、市井に出て「白い病」の状況を記録するよう命じる。そんな中、一人の町医者が特効薬を発明。病を権威の元で治そうとする者、正義と命を天秤にかける者、国益のためにすべてを捧げる者、それぞれの正しさは、偶然のような必然の中で互いを踏み潰していく。元帥の娘は全てを目撃し、記録し、やがて────。
カレル・チャペックが1937年に発表した名作SF戯曲が、2026年の今、問いかけるものは?
岩﨑幸代からのメッセージ

私が演じるのは、特効薬を発明する町医者です。戦争をこの世界からなくしたいと一途に願う彼女の正義は、単純で現実離れした理想に映るかもしれません。その信念の通し方も非難を浴びるやり方です。それでも私は、彼女に強く心を動かされました。町医者を演じながら、彼女に「頑張れ!」と言い続ける私が伴走している気がします。
原作である『白い病』が描いたテーマは現代でも色あせませんが、脚色・演出をお願いした矢内文章さんの大胆な解釈によって、私たちは今、世界で起こっていることを舞台で表現しようとしています。主要な6人の登場人物以外のたくさんの役を、次々に演じるのは9人のアンサンブル。特にアンサンブルの皆さんが表わす白い病や民衆の存在感は圧倒的で、そのエネルギーとぶつかり合うことで、この作品の緊張感が生まれていると感じています。正義とは何か、人を戦争へと向かわせるものは何か、命とは? その問いを抱えながら舞台に立ちたいと思います。






