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(雑誌『演劇ぶっく』は2016年9月より改題し、『えんぶ』となりました。)
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室将也・麻央侑希インタビュー

室将也・麻央侑希

歌にダンスに古典芸能に! Barに集う人々が織りなすミュージカル

劇団とっても便利の代表作で、バレエやコンテンポラリーダンス、古典芸能まで取り入れたオリジナルミュージカル『complex』。人気のBar「complex」の常連の国木田威が区議会議員への立候補を宣言したことから、Barの人々による型破りな選挙運動をスタートする。誰もが感じている絶望と、誰もが持っているちょっとした狂気、そして誰もが望んでいる暁の光。そんな今を生きる人々が感じ、直面している世界を描き出した本作で、国木田威を演じる室将也、妻の国木田蓉子役の麻央侑希に話を聞いた。

共感できる人間味あふれた人たちの物語 

──ご出演が決まって、台本や前回公演の映像をご覧になったときの率直な感想を聞かせてください。

室 僕が演じる国木田威と僕自身のこれまでの経験が重なるところがあって、共感できるところが多い作品だなというのが最初の感想でした。国木田は周りの人に染まってしまう、すごく無垢な人です。僕も人に影響されやすいですし、やりたいと思ったことを自分で決めて進んできたので、国木田は演じやすいと思います。難しく考えず共感できる役柄だなと感じました。

麻央 私はミュージカル作品に出演するのは久しぶりなので、最初にお話をいただいたときは少し身構えてしまったのですが、前回公演の映像を拝見したり、台本を読んでいくうちに、どこかで出会ったことがあるような、人間味あふれた人たちの物語だと感じて、すごく共感できました。壁にぶつかったり、承認欲求に振り回されたり、人間らしいところがしっかりと描かれているので、今の自分をさらけ出して挑戦できる舞台だと感じ、お話をいただけたことがとてもうれしかったです。やりがいのある時間を過ごせるのではないかと思います。

──今、お二人から「共感」という言葉が出てきましたが、それぞれの役柄をどのように演じていきたいと考えていますか。

室 僕はミュージカル初挑戦なので、きっと皆さんに迷惑をかけることがあると思います。国木田は周りの人たちに支えられて議員になり、応援してもらいますが、同じように、カンパニーの皆さんに助けてもらいながらこの作品を作っていきたいと思います。

麻央 妻の蓉子は、根がすごく良い子で、友達思いで、いろいろな人に支えられて生きています。彼女の人生の中で、大きな決断はあまりしてこなかったかもしれませんが、この物語の中で、信じていたものが崩れていく瞬間を体験します。それは、生きていれば誰にでもあることです。そうした瞬間の愕然とした表情や、いつも通っていた道さえも色が変わって見えるような孤独感、そしてそうした経験を通して人間として深みを増していく姿を、深く作り込んで演じていけたらと思っています。

──今回、室さんは関西弁のセリフになるそうですね。

室 台本は標準語で書いてあるのですが、演出の大野裕之さんと「関西弁の方が感情が乗りやすいので、できるところは関西弁で話したい」とお話しさせていただきました。議員という設定なので、もちろん標準語で話すシーンもあるのですが、日常の会話は関西弁にさせていただこうと思っています。

お名前を見て「あっ、弟さんだ」と

人間味あふれた物語である一方で、歌や華やかなダンスシーンも魅力的な作品です。歌やダンスについてはいかがですか?

麻央 私たちは、それほどダンスは多くないんです。一番ドキドキしているのは、二幕冒頭の文楽のシーンです。そのためにお着物を着なければならないので、早着替えも必要ですし、着こなしで見え方も変わってくると思います。ただ、自分で踊っているのではなく、操られているという演出なので、それによって助けられるところもたくさんあるとは思いますが。

室 僕は、そもそもコンテンポラリーや日舞を踊ったことがないですし、ジャズダンスもそれほど得意ではないんです。今までに経験したことがないダンスは不安も大きいですが、今回が良い機会だと思って、いろいろなことを吸収できたらと思います。

──新鮮な体験になりそうですね。

室 新鮮すぎます(笑)。歌もミュージカルと普通に歌うのとではまた違います。お客さまにきちんと歌詞を伝えなければいけないというのも、これまで経験したことがないことです。未知のことも多いですが、挑戦だと思って頑張ります。

──麻央さんはコンテンポラリーやジャズはお手のものなのでは?

麻央 劇団にいたときは、常に踊っていました。あの時間は宝物で、今振り返るとすごくありがたかったです。でもこうして離れてみると、本当にできるだろうかという不安もあって。なので、「コンテンポラリーもジャズも日舞も、そしてお着物を着ることも一気に体験できることがすごく楽しみ」と言葉にして、自分を鼓舞しています(笑)。

──今回、お二人は初共演になりますね。お互いの印象は?

室 第一印象からすごく優しそうな方でしたので、ご迷惑をおかけすると思いますが、いろいろと教えていただこうと思っております。ほかの皆さんも、経験豊かな方ばかりなので、皆さんからいろいろなことを吸収して、頑張ります。

麻央 私は、彼のお兄ちゃんの龍太くんと共演させていただいたことがあるんですよ。なので、今回、お名前を見て、「あっ、弟さんだ」と(笑)。室家はみんなしっかりしていらっしゃるし、人懐こさがあります。実は今日初めてお会いしたのですが、初対面で感じるギスギス感がなくて、すごく心地よいんです。お稽古でもコミュニケーションを取って、楽しんで作っていきたいと思います。

──最後に、公演を楽しみされている方にメッセージをお願いします。

室 魅力的な人物がたくさん登場しますので、きっと誰かしらに感情移入できると思います。歌もダンスもあって、どなたでも楽しんでいただける最高のエンターテイメントをお届けします。ぜひ劇場に足を運んでいただけたらうれしいです。

麻央 室くんはミュージカル初挑戦、私もミュージカルは久しぶりで、それぞれ不安なところもありますが、きっとこのメンバーなら、みんなで助け合い、協調し合い、笑顔で千穐楽まで駆け抜けられると信じています。歌、ダンス、日舞とたくさんのエンターテインメントが詰まった作品ですが、それぞれに全力を注いでいきたいと思います。きっと、明るい気持ちを持って帰っていただける作品になると思いますので、ぜひ楽しみにお越しください。

(このインタビューは雑誌「えんぶ2026年6月号より転載)

インタビュー◇嶋田真己 撮影◇中田智章

プロフィール

むろまさや○京都府出身。0歳時「水戸黄門」でテレビデビュー。13歳から芸能界入り、関西で活動。その後、拠点を東京に移し、舞台を中心にラジオパーソナリティやアーティストとしても活動中。主な出演作品は、『サラリーマンナイトフィーバー』、『マテリアルパレード』、『あゝ同期の桜』、「Psyche Presents vol.2 〜新感覚つかこうへい〜『熱海殺人事件』『売春捜査官』」、『クロノステージvol.7『霹靂01』など。

まおゆうき○東京都出身。2006年 宝塚音楽学校卒業。08年 月組『ME AND MY GIRL』で初舞台。星組で男役として活躍、19年退団。以降、舞台を中心に活動中。主な出演作品は、『ル・シッド』、『夜明けのうた』、『罠』、『BUNNY GIRL~十人兎色~』、舞台『刀剣乱舞』禺伝 矛盾源氏物語』(23年、26年)、『APOCADENZA -アポカデンツァ-』、舞台『白豚貴族ですが前世の記憶が生えたのでひよこな弟育てます 2025』など。

公演情報

ミュージカル 『complex』

作曲・脚本・演出◇大野裕之
出演◇室将也 麻央侑希 加藤夕夏 岡本悠紀・大野裕之(ダブル) 松本岳 星名美怜 設楽銀河・横山統威(ダブル) 峰蘭太郎/高嶺ふぶき ほか

5/14〜17◎大阪 ABCホール、5/21〜24◎東京 博品館劇場

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