
久ヶ沢徹 町田マリー 百瀬朔 白又敦
北川結 内海正考 中村駿 塚越志保 肥田野好美 米原有我
神保悟志 温水洋一
KAAT神奈川芸術劇場では、2026年度メインシーズンのホール公演として、ウォーリー木下演出による、木下順二の不朽の名作『蛙昇天』を上演する。本作は2026年度メインシーズンのテーマ「なぜ人は線を引くのか -Why do people draw the lines ?」を掘り下げる3作のうちの1作となる。
米ソ冷戦激化の時期を背景に、シベリア抑留者の帰還をめぐって当時の日本社会を揺るがせた実際の事件をテーマに、木下順二が書き下ろした『蛙昇天』。発表当時から大きな注目を集め、三越劇場での初演を観劇した、当時まだ高校生であった演出家の故・蜷川幸雄は、衝動的なものをそのまま表すこの演劇表現に惹かれ、この観劇体験が演劇を志すきっかけとなったと後年語っている。
本作は誠実に生きたいと願った青年が、苛烈な政治的対立の抗争の場に引きずり込まれ、ついに自殺へと至った事件を、寓意あふれる蛙の世界に写し取った傑作。世間のありように揺さぶられ、容易にゆがめられてしまう「個」という存在の脆さを生々しく抉り取り、人間の存在の意味をも私たちに問いかけてくる。
個人と民衆、真意と解釈、政治対立──。メインシーズンのテーマに結びつく、様々な線とその揺らぎを、懸命に生きる蛙たちの視線から見つめなおす。

演出を手がけるのは、KAAT初登場のウォーリー木下。国内外で高い評価を受けた東京2020 パラリンピック開会式で見せた独創的かつ包容力ある演出は、異なる価値観や立場の違いをつなぎ、観る者に深い共感を呼び起こした。音楽はウォーリー木下からの信頼も厚いトクマルシューゴと、のこぎり演奏家としても活躍する音楽家の西村直晃がタッグを組んで世界観を盛り上げる。振付はモモンガ・コンプレックスのメンバーとしても活動し、『SHELL』『パンドラの鐘』などの振付を担った北川結、仁科幸が務める。
真実を伝えようと立ち上がるも、世間の波に翻弄される主人公・シュレを演じるのは、ミュージカルからストレートプレイまで数多くの舞台で主演をつとめ、一人舞台や楽曲など、活躍の場を意欲的に広げる中山優馬。シュレの元同僚・グレ役に、実力派として話題作への出演が続く矢崎広。シュレの母・コロ役に元宝塚歌劇団雪組トップで、退団後も舞台・映像で幅広く活躍する音月桂。
さらに、唯一無二の存在感と絶妙な愛嬌で魅了する温水洋一、ドラマ「相棒」の監察官としてもおなじみで、幅広い役柄を自在にこなす神保悟志、23年まで「猫のホテル」に所属し、印象的なキャラクター性を放つ市川しんペー、透明感のある佇まいと繊細な感情表現が魅力の中村里帆が出演。
また、久ヶ沢徹、町田マリー、百瀬朔、白又敦など舞台を中心に活躍する俳優が、個性豊かな蛙たちを演じる。
【コメント】
中山優馬
今回、大役をいただけたこと、大変光栄に嬉しく思います。
胸の奥底を突き刺すセリフの数々で、説明の難しい感情になる瞬間が多くあります。
この想いを肉体に乗せて精一杯取り組もうと思います。
演出のウォーリー木下さんや、素敵な共演者の皆さまとご一緒出来ることもとても楽しみにしています。
劇場で見届けて下さい。
矢崎広
またKAAT神奈川芸術劇場に戻って来られることを、嬉しく思います。
次に挑むのは、なんと“カエル”の世界。
ウォーリー木下さんとは今回が初めてのご一緒となりますが、今から非常に楽しみです。
そして、素晴らしいキャスト・スタッフの皆様と共に、木下順二氏の不朽の名作に挑めることを、大変光栄に感じております。
今回のKAATでの旅路が、どんな出会いや景色へ繋がっていくのか。
ぜひ劇場で見届けていただけたら嬉しいです。
皆様のご来場を、心よりお待ちしております。
音月桂
私は一体、どう在りたいのか?
戯曲を読んだあと、私の中の何かが疼き、この問いが生まれました。
この作品、そしてコロという役と向き合いながら、私自身ともじっくり向き合うつもりです。
ご観劇くださる皆さまにとっても、この作品が、ご自身と向き合うきっかけや、心に残るカケラとなれば嬉しいです。
初めて立たせていただく劇場、そしてご一緒する皆さまとの時間に、今から胸が高鳴っています。
劇場でお待ちしております。
【公演情報】
KAAT神奈川芸術劇場『蛙昇天』
作:木下順二
演出:ウォーリー木下
出演:
中山優馬 矢崎広 音月桂 中村里帆 市川しんぺー
久ヶ沢徹 町田マリー 百瀬朔 白又敦
北川結 内海正考 中村駿 塚越志保 肥田野好美 米原有我
神保悟志 温水洋一
演奏:西村直晃 成田七海 清田瞬
●10月下旬~11月上旬◎KAAT神奈川芸術劇場<ホール>
〈公式サイト〉https://www.kaat.jp/d/kaeru2026



