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(雑誌『演劇ぶっく』は2016年9月より改題し、『えんぶ』となりました。)
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三宅裕司・ビビる大木 インタビュー

三宅裕司 ビビる大木

突然のオファーで、ビビる大木!

熱海五郎一座が、新橋演舞場シリーズ第12弾となる東京喜劇『仁義なきストライク~弾かれた栄光と約束のテンフレーム~』を上演する。2004年に旗揚げした「伊東四朗一座」の流れをくむ熱海五郎一座は、東京の喜劇〝軽演劇〟を継承しようと公演を重ね、今回はゲストに沢口靖子と野呂佳代を迎え、「ボウリング業界の光と影」がテーマの喜劇を繰り広げる。座長の三宅裕司と、助っ人メンバーとして初参加するビビる大木に本作への意気込みを聞いた。

この世界でやってきて良かった! と

──今回、ゲストが沢口靖子さんと野呂佳代さんです。沢口さんは熱海五郎一座には2014年以来の再登場となりますが、前回の印象や思い出を教えてください。

三宅 沢口さんはああ見えて面白いんですよ。本当にちょっとしたなんてことないセリフでもお客さんに大ウケでした。
大木 普通っぽいこと言ってもウケるって最高ですね。
三宅 沢口さんは関西出身なので、天然ボケというよりも「このくらいの強さで言ったら面白くなる」とか、そういうのを分かってやってるんじゃないかという気がしています。もう一人のゲストの野呂佳代さんは初登場なので、どういう感じになるか今から楽しみですね。

──今回、大木さんが助っ人として参加することになった経緯を教えてください。


三宅 ずいぶん前に東MAX(東貴博)が「大木が出たがってますよ」と教えてくれたんです。年齢的なことも含めて、他のメンバーとキャラが被らないですし、チームワークを乱さない人だと聞いていましたから、よし出てもらおうと。我々はだいぶ長くやってきていてマンネリ化していますから、新しい風を吹き込んでくれることを期待しています。
大木 僕は過去に何回か熱海五郎一座を観に行って、その時に東さんに「一座に入っていること自体がすごいことだし、羨ましいです」とお話ししていたんです。それを東さんが三宅さんに伝えてくださったみたいで。まさかオファーをいただけるとは思っていなかったので、本当に驚きました。
三宅 突然のオファーで、ビビる大木(笑)。
大木 見出しはそれでお願いします(笑)。本当にビビりましたから。「俺?! 本当に?」って。でも呼んでもらえて感激ですし、「この世界でやってきて良かった!」と思いました。

──大木さんは演劇の舞台へのご出演は初めてですか。

大木 初めてです! 今まで演劇業界が全く見向きもしてこなかった大木を、熱海五郎一座が選んでくれたことが嬉しいです。ここでは一番後輩になるので、先輩たちと一緒にやりながら学ばせてもらえるということが幸せです。

──三宅さんは大木さんに〝新しい風〟としてどんなことを期待しますか。

三宅 大木くんは不動産屋の社長役で、部下がリーダー(渡辺正行)なんですよ。リーダーはこの一座で一番絡みにくいと言われているので(笑)、そこをどう乗り越えてくれるか楽しみですね。
大木 リーダー、そんな風に言われてるんですか?(笑) 皆さんのチームワークが出来上がっているところにお邪魔するので、その空気感を邪魔しないようにしながらも、ちゃんと自分の役割も果たさないといけないので、そこは挑み甲斐があります。こんなすごい一座に参加できるということはものすごく緊張しますが、でも一座の皆さんは緊張感を与えないような先輩たちなんですよ。これはすごいことです。
三宅 そうそう、稽古場が楽しくないとね。その雰囲気はそのまま舞台上に出るから。

稽古して積み上げる「演じる笑い」

──お二人はこれまで共演の経験はあったのでしょうか。

三宅 テレビ番組では一緒になったことありましたね。
大木 僕が三宅さんと初めて会ったのは、テレビ番組「THE夜もヒッパレ」だと思います。その時にメイク室で「僕、ヤンパラ(「三宅裕司のヤングパラダイス」)聴いてました」って三宅さんに言ったんですよ。
三宅 はいはい! 全然覚えてない(笑)。
大木 そんなこと言ってくる人たちは、いっぱいいたでしょうからね(笑)。だから今回こうして舞台で共演できるなんて光栄です。

──舞台のお笑い、特に熱海五郎一座は〝東京喜劇〟ということにこだわっているので、テレビのお笑いとはまた少し違うのかなと思いますが、そのあたりはいかがでしょうか。

三宅 今のテレビの笑いは、スピード勝負というか、即興力を求められることが多いと感じています。舞台の場合は、一ヵ月稽古しますから、それはかなり違いますね。いい本を創って、きっちり稽古して、という「演じる笑い」は、もうテレビではなかなかやっていないんじゃないかな。
大木 僕自身、そういうことに憧れがあったといいますか、稽古して積み上げて笑いを創っていく、という作業自体が僕にとって勉強になります。僕は今年で芸歴31年になったのですが、それでもまだ勉強できる部分があるというのが、とても楽しいです。テレビだとどうしても「瞬間の面白さ」という仕事になる部分があるので、それとは違う挑み方でどんな感じになるのか楽しみです。

──舞台の場合、観客から全身を見られていることもテレビとの大きな違いかなと思います。体の使い方など、三宅さんは何か意識されていますか。

三宅 特にはないかもしれないですね。ただ、僕は母から日本舞踊を教わっていたので、やっておいてよかったな、と思うことはあります。ポーズをとった時に、日本舞踊をやっていたおかげで良い型ができるというのは感じています。
大木 例えばセリフがないときは、どういう意識で舞台に立っているんですか?
三宅 いや……できるだけ休もうと思ってる。
大木 それが熱海五郎一座のいいところですね! 本番中なのにちょっと休もうかなという発想がある!(笑)

──お客様へのメッセージをお願いします!

三宅 とにかく笑っていただきたいです。良い役者たちがいて、ストーリーがしっかりあって、いい塩梅のギャグが入ってきて、でも最後はちょっとグッときて、観劇後は「いや、面白かったな~」と言いながら劇場を出て、駅へ着く頃には「あれ、どういう話だっけ?」と忘れてる(笑)。そんな感じの〝軽演劇〟をお届けしますので、もし初めて芝居というものを観る方がいらっしゃるのであれば、この一座が一番相応しいと思います。
大木 これまで熱海五郎一座という名前は聞いたことあったけど観たことはない、という方は、僕も一座に初参加なので「大木も初めてなのか」というのを一つきっかけにして足を運んでいただけると嬉しいですね。とてもその世界に入りやすい作品ですし、僕も明るく楽しく遊ぶ、というつもりで務めさせていただきます!

(このインタビューは雑誌「えんぶ2026年6月号より転載)

インタビュー◇久田絢子 撮影◇松山仁 スタイリング◇三宅・加藤あさみ(Yolken)、大木・齋藤孝伸

プロフィール

みやけゆうじ○東京都出身。俳優、タレント、司会者。劇団スーパー・エキセントリック・シアター(エスイーティSET)主宰。ラジオ「三宅裕司のヤングパラダイス」や、「三宅裕司のいかすバンド天国」(TBS)、「THE夜もヒッパレ」、「どっちの料理ショー」などで絶大な人気を得てマルチエンターテイナーとして活躍中。2006年に熱海五郎一座を座長として旗揚げ。14年に新橋演舞場に進出、毎年新作公演を行っている。

びびるおおき○埼玉県春日部市出身。1995年、渡辺プロダクションに所属し、コンビ「ビビる」を結成。2002年にコンビ解散、以後ピン芸人としてマルチに活躍中。現在、テレビ東京『家、ついて行ってイイですか?』、TBS『ラヴィット!』出演中。趣味は幕末史跡めぐり。ジョン万次郎資料館名誉館長、春日部親善大使、埼玉応援団、萩ふるさと大使、高知県観光特使など、さまざまな観光・親善大使を務める。

公演情報

東京喜劇 熱海五郎一座
新橋演舞場シリーズ第12弾


『仁義なきストライク
~弾かれた栄光と約束のテンフレーム~』

作◇吉髙寿男 構成・演出・出演◇三宅裕司
出演◇渡辺正行 小倉久寛 春風亭昇太 東貴博(交互出演) 深沢邦之(交互出演) ビビる大木 ゲスト出演◇沢口靖子 野呂佳代

5/31~6/24◎新橋演舞場
〈問い合わせ〉チケットホン松竹 0570-000-489(ナビダイヤル 10:00-17:00)またはチケットWeb松竹

えんぶ2026年6月号にインタビューを掲載しています!▲