
7月15日に東京芸術劇場 プレイハウスにて、舞台『NORA』が開幕した。
19世紀末の初演から今日まで世界各国で上演されるヘンリック・イプセンの『人形の家』を、いまヨーロッパで最も注目を集める演出家の一人であるティモフェイ・クリャービンが、大胆に現代風にアレンジする本作『NORA』。
クリャービンはイプセンが創出した会話劇を、メッセージアプリでテキストを送り合う“今ならでは”のコミュニケーションで表現。セリフの8割は物語の登場人物たちの手元のスマートフォンを用いてやりとりされ、そのスマホの画面はリアルタイムで舞台上に映し出される。

この斬新な演出に挑むのは、タイトルロールのノラ役の黒木華、ノラの夫・ヘルメル役の勝地涼、ノラの友人クリスティーン役の瀧内公美、ノラを追い詰めるクログスタ役の鈴木浩介という人気も実力も兼ね備えた俳優陣が集結し、ティモフェイと共に、現代版『人形の家』を創造する。

【あらすじ】
ノラは夫・ヘルメルと仲睦まじく暮らしている。
献身的に夫を支えるノラと、彼女に対し優しく寛大に接し、年明けから銀行の頭取に着任することも決まっているヘルメルの間には、幼い子供たちもおり、誰から見ても幸せで理想的な生活を送っていた。
しかしノラには夫には言えない秘密があった。
クリスマスを控えたある日。
ノラのもとにクログスタからメッセージが届く。
ヘルメルの部下であるクログスタは、過去に犯した過ちのせいで評判が悪く、ヘルメルの頭取就任とともに解雇される運命にあった。
代わりにクログスタのポジションに就くのは、ノラの古い友人で夫と死別したクリスティーンだ。
追い詰められたクログスタは、かつてノラが彼を頼って作った「借り」を盾に取り、彼女に脅迫まがいのメッセージを送ったのだ。
三分割されたステージと、四つのスマートフォン画面を介して錯綜する思惑。
それは「罪」なのか。真の幸福とはなんなのか。

この作品の出演者のコメントと舞台写真が届いた。
【コメント】

黒木 華 [ノラ 役]
いよいよ『NORA』の幕が開きます。
ティモフェイ・クリャービンさんの演出によって、イプセンの『人形の家』が現代ならではの表現で新たな息吹をまといました。長く愛され続けてきたこの物語が、今を生きる私たちにどう響くのか。そして皆さまがどんな思いを受け取ってくださるのか、私自身とても楽しみにしています。劇場でお待ちしております。

勝地 涼 [ヘルメル 役]
いよいよ開幕です。
「人形の家」をスマートフォン上のやり取りで描く舞台。僕たちも未知の体験にワクワクしながら稽古しました。
みなさんもきっと初めての演劇体験になると思います。
夏にクリスマスの物語。
劇場を出た時に余韻を感じられる舞台になっているので是非お楽しみください。

瀧内公美 [クリスティーン 役]
この作品は、これまでヨーロッパ2カ国で上演されているのですが、最初にブルガリアでの公演をスマホで見た時、”演劇”という概念が覆されるような衝撃を受けました。
「アート性の高い作品」というと、ざっくりとした表現になりますが、この形態で演劇を立ち上げる試みを非常に面白く思っています。
視覚的には情報量が多く、不思議な感覚に誘われる作品に仕上がっています。
お客さまからどんな反響をいただけるのか、楽しみでなりません。
スマホと格闘しながら、頑張ります!(笑)

鈴木浩介 [クログスタ 役]
ティモフェイの演出が何を大切にし、どのような意図で生まれたのか、そのすべてを自分自身が完全に理解できているわけではありません。だからこそ、この作品は観客の皆さんにご覧いただいて初めて完成するものだと感じています。皆さんがどのように受け止め、どんな答えを見つけてくださるのか。その答え合わせができることを、今からとても楽しみにしています。




【公演情報】
『NORA』
原作 :『人形の家』 ヘンリック・イプセン
演出:ティモフェイ・クリャービン
出演:黒木華 勝地涼 瀧内公美 鈴木浩介
石村みか 今井公平 越後静月 大滝樹 小幡貴史 木山廉彬 中野風音
天野叶愛 木根渕凛音 佐々木直輝 滝澤このみ 福元愛悠 師岡結月
●7/15〜26◎東京公演 東京芸術劇場 プレイハウス
〈公式サイト〉 https://nora.geigeki-classics.jp
【地方公演】
●8/1◎宮城公演 えずこホール 大ホール
●8/15・16◎愛知公演 春日井市民会館
【舞台撮影/後藤敦司】



