別役実の不条理劇『力ラ力ラ天気と五人の紳士』開幕!
シス・カンパニー公演『力ラ力ラ天気と五人の紳士』が、本日、シアタートラムで初日の幕を開けた。
本作は、日本の不条理演劇を確率させた第一人者として人気の高い劇作家・別役実が1992年に初めて上演した作品。今回、その世界を演出するのは、映像・演劇の両分野で快進撃を続ける加藤拓也。キャストには堤真一・溝端淳平・野間口徹・小手伸也・高田聖子・中谷さとみ、そして藤井隆、と百戦錬磨の演劇巧者たちが顔を揃えた。
《あらすじ》
ある日ある所に、「棺桶」を担いでがやってくきた五人の紳士たち(堤真一、溝端淳平、野間口徹、小手伸也、藤井隆)。どうやら、この「棺桶」は、五人のうちのひとりが懸賞のハズレくじでもらった景品らしい。せっかくの「もらい物」を役立てるためには、仲間の誰かが死んで、この棺桶の中に入らねば、と、あぁでもない、こうでもない、、、と五人の議論が始まった。いかにして死ねるのかと真剣に模索する五人。そこへショッピングバッグを抱えた不思議な女性二人組(高田聖子、中谷さとみ)が現れた。彼女たちこそ、同じ懸賞の当たりくじ=一等賞の当選者たちだったのだ。そして、その一等賞の景品とは・・・?
【 コメント】
堤真一(紳士5)
不条理劇の経験は過去にもありましたが、別役実作品は初めて。実は、最初に台本を読んだ時、途中でワケがわからなくなってしまって、思わずパタンと台本を閉じてしまったんです(笑)。でも、最後まで読むと、別役さんの死生観が浮かび上がってくるのを感じました。それに今回、稽古の初期段階でじっくりと本読みに時間をかけて皆で話し合えたことが大きくて、これは決して「不条理」ではなく、「普通の会話」なんだという共通認識をもてるようになりました。その会話を皆で成立させていけば、自ずと世界観が見えてくると思っています。ご期待ください。
溝端淳平 (紳士2)
いつかご一緒したかった加藤拓也さん演出で、いよいよ別役作品をやらせていただけることに、身が引き締まるような感覚と嬉しさがありました。稽古場では、百戦錬磨の先輩方のお芝居へのアプローチを間近で感じられ、本当に贅沢な時間を過ごしていました。そんな中で、自分もしっかりと役の個性や存在感を作らなければ、と色々と考えていたのですが、削ぎ落としていく加藤演出では、「何もしないこと」を求められ模索の日々。ただ、その作業は同時にとても楽しく刺激的で、今は自分でも予想もしていなかった世界に行けるような気がしています。
【公演情報】
『カラカラ天気と五人の紳士』
作:別役実
演出:加藤拓也
出演:堤真一 溝端淳平 野間口徹 小手伸也/高田聖子 中谷さとみ/藤井隆
ヴィオラ演奏:徳高真奈美
●4/6~26◎東京公演 シアタートラム
●5/2~4◎岡山公演 岡山芸術創造劇場 ハレノワ 中劇場
●5/7~11◎大阪公演 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
●5/15・16◎福岡公演 キャナルシティ劇場
※小学生未満のお子様はご入場いただけません。
※当日券販売については、公式サイトでご確認ください。
〈お問い合わせ〉シス・カンパニー 03-5423-5906(平日11:00~19:00)
〈公式サイト〉https://www.siscompany.com/karakara/
【舞台写真撮影=宮川舞子】