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水俣病に心を寄せる人々の物語『海の凹凸』上演中!

詩森ろば作・演出、竹下景子らが出演するserial number13『海の凹凸(おうとつ)』が、2月27日に下北沢 ザ・スズナリで開幕した。(3月8日まで)

「海の凹凸」は公害を扱った市民講座『公害原論』のおわりの時間を水俣病に心を寄せる人たちのそれぞれの物語として描いた詩森ろばの作品で、2017年に俳優座で上演された。その作品を大幅改訂し、今回は詩森自身の演出によって上演している。

2024年、熊本市において環境省と水俣病患者との慰霊式後の懇談の場が、時間になったからとマイクを切られ強制終了された。水俣病が発生してから約70年。政府にも自治体にも加害企業にも、当時の人たちは当然ながら存在せず、ニュースを受け取る人たちにも水俣病がなにかを正確に説明できる人はほとんどいない中で、当事者である患者だけが一生続く長い病と戦い続けている。その声が闇のなかに葬り去られる前に、演劇のかたちで彼らの痕跡をとどめたいと考え、今回の上演となった。

【物語】
1980年代、東京。東亜大学で公害に関わる市民講座が開催されていた。大学近くで印刷屋を営む安元は、その講座の記録をまとめてほしいと依頼を受けたことを機として水俣に深く関わるようになる。
それから10年あまり、水俣病はじめとする公害問題の解決を見ないまま、講座は少しづつ衰退し、最後の時間を迎えようとしていた。
そこに横浜で水俣病の勉強会をしたいという希望を持った加山が訪ねてくる。
そして

【開幕コメント】
詩森ろば  
自分の書いた戯曲だけれど、俳優座さんからお預かりした作品だという思いがいつもあった。外部に求めてもらえるなんて思いもよらなかったわたしが、少し大きめな賞を頂いて、立て続けに依頼をいただいた、そのいちばん最初のほうで依頼してもらったのが俳優座さんで、それで書いたのが『海の凹凸』だった。そのときはもちろん全力で書いたんだけれど、今思うと、全力ゆえに未熟さが際立ち、もっとできたことがあった気がしていた。それでも、この作品は、自分の作品の中でも思い入れのある作品であり続けた。
なので、今回、書き直し、自分の手で演出をできることになり、ほんとうに嬉しかった。
そして、これは水俣を書いたふたつめの作品でもあった。
心に期するものが大きい分、もちろんプレッシャーもある。でも稽古を重ねるうちに、この作品をこのメンバーで創れる喜びだけが、積み重なっていった。どのひともすごくチャーミングで立体的な人間を作り上げてくれた。そして水俣にいる大切なひとたちが、いつも稽古場にいるような気配がする。そんな中、毎日とても繊細な稽古をさせてもらった。
水俣は悲劇の土地だけれど、たくさんのひとに愛された場所でもある。わたしもその末席にそっと連なっている。そして本番は、稽古場でずっと気配として存在してくれていた大切なひとたちも劇場にじっさいに来てくれる。生きているひとだけではなくおそらく死者も。演劇を愛するお客様も集ってくれる。それに相応しい作品になったと信じて、本番の日々を大切に過ごしていきたい。

【公演情報】
serial number13
『海の凹凸(おうとつ)』
作・演出:詩森ろば
出演:川田希 西原誠吾 荻野友里 杉木隆幸 かんのひとみ 山下直哉 串田十二夜 花岡すみれ/竹下景子
●2/27〜3/8◎下北沢 ザ・スズナリ
〈チケット取扱い〉CoRichチケット https://ticket.corich.jp/apply/418857/
〈公式サイト〉https://serialnumber.jp/next.html

 【舞台撮影:市川唯人】