情報☆キックコンテンツ一覧
お得なチケット販売中!
情報☆キック
株式会社えんぶ が隔月で発行している演劇専門誌「えんぶ」から飛び出した新鮮な情報をお届け。
公演情報、宝塚レビュー、人気作優のコラム・エッセイ、インタビューなど、楽しくコアな情報記事が満載!
ミュージカルなどの大きな公演から小劇場の旬の公演までジャンルにとらわれない内容で、随時更新中です。

(雑誌『演劇ぶっく』は2016年9月より改題し、『えんぶ』となりました。)
公演チケットで広告掲載

和希そらインタビュー

役柄の変化を緻密に繊細に創っていきたい

誰のなかにもある善と悪という二つの魂が別人格として動き出す悲劇を描いたR・L・スティーヴンソンの不朽の名作「ジキル博士とハイド氏」を、フランク・ワイルドホーンの壮大で多彩なメロディーで紡ぎ出したミュージカル『ジキル&ハイド』が、2026年3月東京国際フォーラム ホールCで九度目の上演にして、新演出版となる新たな幕を開ける。

2001年の日本初演以来、鹿賀丈史、石丸幹二という名優が刻んできた主演者のバトンを2023年公演に初めて引き継いだ柿澤勇人と共に、佐藤隆紀がWキャストでタイトルロールに加わるのをはじめ、新演出版に相応しい豪華な顔ぶれが揃う。その一人、ジキルとハイドの狭間で翻弄されるヒロイン、ルーシー・ハリス役で初登場するのが和希そら(真彩希帆とのWキャスト)。歌・芝居・ダンスと三拍子揃った男役スターとして活躍した宝塚歌劇団退団後、ミュージカルの舞台を中心に躍進を続ける和希に、作品とルーシー役への思い、更に退団後の多彩な活動で目指すものを語ってもらった。

自分なりのルーシーを見つけていきたい

──まず、ご自身が携わることになる以前に、ミュージカル『ジキル&ハイド』という作品をどう感じていましたか?

 重厚感のある暗い作品だなと思ったのが最初でしたが、決してマイナスの意味ではなくて、私は元々ダークな世界観が大好きなので、とてもいい意味での暗さを感じました。特に演者さんの熱量を強く感じて、演じる上では相当な気力が必要だろうと思いながら、惹きこまれて拝見していました。

──そんな作品にルーシー・ハリス役で出演が決まった時にはいかがでしたか?

 本当に嬉しかったです。ルーシーはいつか挑戦したいと思っていた役のひとつでしたし、これまで触れていない色合いを持った役柄で、尚且つたくさんの素敵な役者さんが演じてこられた役なので、私も自分なりのルーシーを見つけていきたいです。

──そのまだ触れていない色合いと感じられる役柄を、いまの段階でどうイメージしていますか?

 最初の登場シーンからジキルに出会ったことで、どんどん変化していく役だと思います。パブでのショーのシーンでジキルに出会いますが、そこでのジキルに対してのものの言い方や振る舞いは、彼女にとって、日々を生きていくため染み付いている、娼婦としてのものなんですよね。いつものようにただお金の為、食い繋ぐために生きている。そこがまずベースにあった上で、ショー自体もやりたいなと。ジキルとの関わりで、ルーシーにもこれまで触れていなかった愛や希望が生まれ、別の生き方ができるのかもしれないという思いを持ち、変わっていく様を緻密に繊細に創っていきたいです。ジキルの柿澤勇人さん、佐藤隆紀さんのお二方とのお稽古で、きっと感じることも様々だと思うので、それぞれの方とのセッションを大切にしながら演じていきたいです。

──またこの作品はフランク・ワイルドホーンメロディーが大きな魅力のひとつですが、楽曲についてはいかがですか?

 大好きな作曲家の方ですし、本当に素敵な楽曲ばかりなのでとても嬉しいです。曲のパワーがとにかくすごいので、いざ歌うとなるととても難しいのですが、どの曲も多彩で、魅力にあふれているので、きちんと歌いこなせるようにしていきたいですね。

常にワクワクしてもらえたら

──公開されている扮装ビジュアルもとても素敵ですが、撮影はどのように?

 今までにない感じの撮影だったんです。すごく暗いなかで撮っていただいて、自分でもどういう仕上がりになるのか全くわからなかったのですが、それがまたこの作品の世界観にマッチしていましたし、出来上がりを見てこんな風に撮っていただけるんだと驚きました。

──お話を伺うほどに期待が高まりますが、宝塚を退団されて以来、次々と魅力的な舞台を観せてくださっていますが、この期間を少し振り返っていただいて、特に印象に残ることなどはありますか?

 一つひとつの作品については、短い時間で完璧にお話するのはなかなか難しいので、退団してからの約二年間の歩みで考えると、当たり前ですが、退団してすぐの私には、皆さんの中に男役のイメージがありますよね。宝塚で培ったものは、もちろんいまも、今後もそれは自分の中に確実に流れているものだし、ときには活かしてもいきたいと思いますが、「こういう役がピッタリですよね?」と想像していただけるものを越えて、「こんな役もできるんだ」とか「こういう系統もやるんだ」と、常にワクワクしてもらえたらいいな、という気持ちがまずあったんです。ですから持っている技術や、得手不得手はひとまず置いて、本当に色々なジャンルの様々な系統の役に挑戦したいなと。例えばポップな作品の次にはちょっと暗めの作品、でもそのカラーが続いてしまわないように、自分のイメージが固まらないようにしたい、という思いでここまで出演する作品を考えてきたつもりです。そのなかで、ファンの皆様や、観て下さった方々が「このお役はピッタリでしたね!」と言ってきてくださる役がバラバラなのが、私としては「やった!」という感じでした。その感想こそ私が求めていたものなので。

──本当に次々と新たな顔を観せてくださるなと思っていましたが、ご自身のなかでも意識してのことだったんですね。そんななか、先日シアタークリエで開催された「Songwriter SHOWCASE 2025」にも出演されました。日本のミュージカルクリエイターの育成を目指す催しで、日本、韓国、米国、英国のSongwriterの手になる12作品の概要と、ミュージカルナンバーが1曲ずつ披露される密度の濃いものでしたが、実際に参加されていかがでしたか?

 とても新鮮で、面白い体験でした。私たち歌い手に知らされている作品全体の情報もご覧になった皆さんとほぼ同じなんですが。

──そうなんですか?全体のシノプシスと楽曲解説という感じでしたが。

 得ている情報としては同じだと思います。どういう感じがいいのか? という相談はしましたが、基本的にはいただいた楽曲の歌詞や役柄の設定から情景を想像しつつ歌ったので。

──1曲で世界観が伝わってきて、この作品の続きが観たい! と思いましたが。

 どの楽曲もそうでしたよね。短時間に12作品、本当に色々な方の歌を聞かせていただけたので楽しい経験になりました。私自身も常に新しいものを見て、経験して、刺激を受けていきたい人間ですし、今までと同様にこれからも様々な作品のカラーの違う役柄をやっていきたいので、ああした場から新たな作品が生まれてくるといいなと思います。

──そうした機会も心待ちにしていますし、新たな和希さんに出会えるのを楽しみにしています。では最後に改めて、このミュージカル『ジキル&ハイド』の開幕を待たれている方たちにメッセージをお願いします。

 九度目の上演になる、再演が繰り返されてきた作品ですが、今回は新演出版になりますので、はじめてご覧になる方はもちろん、これまでに何度もご覧になっている方にも新しく楽しんでいただけるものになると思います。日々精一杯ルーシー役と作品と向き合いながら頑張りますので、是非楽しみに劇場にお越しいただければと思っています。

(このインタビューは「えんぶ4月号」より転載)

インタビュー◇橘涼香 撮影◇中村嘉昭 ヘアメイク◇遊佐こころ スタイリスト◇村田佳保里(ネックレス、ブレスレット/グロッセ・ジャパン)

プロフィール

かずきそら〇2010年宝塚歌劇団に入団。歌・ダンス・芝居の三拍子揃った男役として活躍し、『WEST SIDE STORY』のアニータ『アナスタシア』のリリーと女性役でも注目を集める。2024年2月に退団後『9 to 5』ジュディ・バーンリー『SIX』のキャサリン・パー『梨泰院クラス』のチョ・イソ『SPY×FAMILY』のヨル・フォージャーなどを次々に務め活躍中。6月『神経衰弱ぎりぎりの女たち』、9月〜10月『タイムトラベラーズ・ワイフ』への出演が控えている。

公演情報

ミュージカル『ジキル&ハイド』 

原作◇R.L.スティーヴンソン
音楽◇フランク・ワイルドホーン 
脚本・詞◇レスリー・ブリカッス
演出◇山田和也
上演台本・詞◇髙平哲郎

出演◇柿澤勇人/佐藤隆紀(LE VELVETS)(Wキャスト) 真彩希帆/和希そら(Wキャスト)、Dream Ami/唯月ふうか(Wキャスト) 竪山隼太 章平 佐藤誓 栗原英雄 ほか

〈東京公演〉3/15〜29◎東京国際フォーラム ホールC

〈問い合わせ〉東宝テレザーブ0570-00-7777 

〈全国ツアー公演〉4/3〜6◎梅田芸術劇場メインホール、4/11〜12◎福岡市民ホール 大ホール、4/18〜19◎愛知県芸術劇場 大ホール、4/25〜26◎やまぎん県民ホール

えんぶ2026年4月号にインタビューを掲載しています!ご購入はこちら▲