
シェイクスピア四大悲劇の最高峰に、内野聖陽が満を持して挑む東京芸術劇場『リア王 -KING LEAR-』。そのコメント動画・上演スケジュールなどが公開された。 特設サイト https://kinglear.geigeki-classics.jp/
“老い”を描き、上演の相次ぐ『リア王』。シェイクスピア悲劇の最高峰に名匠 森新太郎は今、いかに挑むのか。
シェイクスピア四大悲劇の一つ『リア王』は、老いた王が権力も領土も娘たちの愛も失い、転落する姿を描き出す。
”老い”、”世代交替”、”相続”といった現代の日本に通ずるテーマを持ち、近年あらためて注目を集めている。今回、演出を手掛けるのは、日本演劇界を牽引する森新太郎。シェイクスピア劇の演出でも高い評価を受ける森が、悲惨な結末に突き進んでいく人間ドラマを通じて、混迷する現代社会に何を問いかけるのか。
シェイクスピア作品屈指の難役・リア王を演じるのは内野聖陽。舞台、映画、テレビと各方面で活躍し、硬軟・老若を問わず多彩な役柄を演じ分ける実力派として高い評価を得ている。昨年はWOWOW連続ドラマW『ゴールドサンセット』で、シニア劇団で「リア王」を演じる老人役を務め、その経験と熱い思いが今回の出演につながった。2017年には当劇場で『ハムレット』を演じており、聡明で全てを知りながら破滅する若いハムレットから、愚かで無知なまま滅びていく老いたリア王まで、四大悲劇を代表する二人の主人公を10年のうちに演じる振り幅こそ、内野の真骨頂と言える。演出の森新太郎とは『東海道四谷怪談』『THE BIG FERRAH』に続く三度目のタッグになる。
共演には、前田公輝、井之脇海、清水くるみ、川上友里、内田慈、大山真志、永島敬三、和田正人、杉本哲太、山路和弘といった実力派・個性派俳優が集結。愛に飢え、人を信じられず、互いを裏切りながら破滅へ向かう人間たちの壮絶なドラマを、熱く鮮烈に描き出す。
《あらすじ》
長年王国に君臨した絶対権力者のリアは、王位と領土を譲渡すべく、娘たちの愛情を試す。甘言を口にする長女・次女をいさめて王に苦言を呈する三女コーディリア。最愛の末娘の不愛想な態度に激怒したリアはコーディリアを勘当し、長女・次女に領土を分割する。しかし頼った二人はリアを歓迎しない。その非道な仕打ちにリアは出奔し、道化とともに荒野で狂乱する。一方、臣下のグロスター家では、私生児のエドマンドの策略に嫡男エドガーが陥れられ、逃走。エドマンドはリアの長女と次女それぞれを篭絡して権力の座を目指す。悲惨な境遇の中で狂気に陥るリア、エドマンドの裏切りでとらわれ目をくりぬかれるグロスター。フランス王に嫁いだコーディリアはリアと再会を果たし、二人の姉に戦いを挑む。姉二人はエドマンドの愛、互いの領土をめぐって対立を深める…血で血を洗う抗争はやがて悲劇の結末を迎える…
【コメント】
岡田利規:舞台芸術部門芸術監督
東京芸術劇場は、徹底的にヴィヴィッドな現代的問いとして機能させる、というコンセプトのもとで〈古典〉を扱っていきます。
森新太郎さん演出、内野聖陽さん主演の、希望のなさに打ちひしがれた果てに残る問いをわたしたちに突きつけてくれるようなヒリヒリした「リア王」が生み出されます。
演出:森新太郎
リアという一人の王の破滅だけでなく、一つの世界秩序がいとも簡単に、凄まじいスピードで崩壊する様を描けたらと考えています。人間をこうまで無知無力、虫けら同然だと感じさせるシェイクスピア作品を私は他に知りません。新時代への希望などほとんど……あるいはまったく謳われていない終幕だからこそ、この劇がいま必要なのだと思う次第です。魂の俳優・内野聖陽さんと共に、〝リア王の荒野″に力強く分け入っていきたい。
内野聖陽:リア王役
なぜいま『リア王』を演じるか?それは、自分が納得いくリアという作品を見てみたいからです。17世紀のシェイクスピアの時代も21世紀の現在も、人間ってのは大して成長してないなということ。そして、非常事態の中で見せる人間の本音の絡み合いは、やはりワクワクするものがあること。そういう作り手のワクワク感をお届けしたいのと、やはり、創作過程で自分たちが思いもよらなかった景色が見えて来たら最高だなと思っています。何よりリアという人物を、今、初老の段階に入っている自分なら、どう演じるのかをみてみたいという感覚があります。
この企画を立ち上げた時はこんなにも『リア王』ラッシュが続くとは思いもよりませんでした。『リア王』には現代に生きる我々が直面している問題が多いからなのではと思ってます。国のトップの覇権争い、親子・血縁・側近のディスコミュニケーション、そして、老いや健康寿命の問題などなど…またリアかよと思われるかもしれませんが、森新太郎演出のリアは、絶対に面白くなる予感がします。
まずはテキストを深く掘り下げて内野ならではの感性でリアを自由に羽ばたかせたい。そして才能ある共演者の皆様とのセッションで面白い景色を沢山発見したいです。 森新太郎さんという現代演劇の気鋭の才能に、演者としてたくさん提示して創造的なセッションが沢山出来れば、きっといい結果が生まれると信じてます。
ご期待ください。
前田公輝:エドマンド役
エドマンドは、権力を得るために王家を利用し、本音を隠して相手ごとに顔を使い分ける役どころです。その危うい揺らぎをどう立ち上がらせていけるのか、楽しみです。嘘に信憑性を持たせるためにも、相手の心を汲み取ることを大切にしながら、自身が持つ家族への愛や信頼を、あえてその裏返しの感情として役に注ぎ込んでいきたいです。そして森新太郎さん、内野聖陽さんが創り出す『リア王』の世界に身を委ね、この役に挑みたいと思います。
井之脇海:エドガー役
シェイクスピア作品への初挑戦で、エドガーを演じられること、とても幸せであると同時に、身の引き締まる思いです。素敵なカンパニーの皆様に食らいつきながら、精一杯挑みたいと思います。エドガーは、すべてを失いながらも、必死に生き抜こうとする人物です。どん底の苦しさの中でもがく人間の強さを、真正面から演じられたらと思います。頑張ります。
清水くるみ:コーディリア/道化役
今回、コーディリアと道化の二役を務めさせていただきます。シェイクスピア作品に挑むだけでも大きな挑戦ですが、その中でも特に難解かつ重厚だと言われる『リア王』でこのような大役を託していただき、身の引き締まる思いです。昨年、シェイクスピアの故郷へ足を運び、彼らが生きてきた場所を肌で感じてきました。また、先日は台本打ち合わせにも参加させていただき、異なる形で真実を伝える二人を同じ役者が演じる意味を深く感じました。昨今さまざまな『リア王』が上演されていますが、念願の森組で、この座組だからこそ生まれる作品をお届けできるよう頑張ります。ぜひ劇場で受け取っていただけたら嬉しいです。
川上友里:ゴネリル役
ゴネリル役で出演いたします、川上友里です。私は最近、シェイクスピアの作品にご縁があるように思います。今回は『リア王』の世界に行けるのかというワクワク感でいっぱいです。稽古が始まってからもそんな気持ちでやっていきたいです。出演者のみなさんも、ほとんどが初めての方々なので緊張感がありますが、恐れずに飛び込みたいです。自分らしくいられるといいなぁと思っています。演出の森新太郎さんの作品を初めて観たとき、口をあんぐりあけてしまう衝撃がありました。舞台と客席の隔たりが無いような表現をされる感じ。すごく好きでしたので、森さんの作品に出られる喜びもあります。お客様に楽しんで観ていただけるよう、『リア王』の世界を自分の中で深めていきたいです。ご来場を心よりお待ちしております。
内田慈:リーガン役
シェイクスピア作品は常にどこかで上演されている印象ですが、特に『リア王』は近年本当にあらゆる座組があらゆる上演方法で取り組んでいます。先日、翻訳家の松岡和子さんとお話しする機会があり、「『リア王』はまさに”今”な作品なのよ」と仰っていたのがとても印象的でした。森さん演出、内野さんがリアを演じる私たちの『リア王』が、いかに観客にとって且つ立ち上げる自分たちにとって、”今”≒自分ごとなのだと哲学できるのか、とても楽しみです。
大山真志:コーンウォール公爵役
森さんの描く『リア王』の世界の中で、権力への執着や冷酷さを持ち合わせたコーンウォール卿を演じさせていただけることをとても楽しみにしています。激しい感情のぶつかり合いの中で、人間のおそろしさを丁寧に表現できるよう挑みたいと思います。
永島敬三:オズワルド役
森新太郎さんの演出でシェイクスピア劇に挑むのは2度目です。森さんのシェイクスピア愛に溢れた稽古に振り落とされないよう、心して臨みたいと思います。共演者の皆様もとても魅力的なので、ここにしかない刺激的な『リア王』が生まれることを楽しみにしています。
和田正人:オールバニー公爵役
リアの長女ゴネリルの夫、オールバニー侯爵を演じます。この男、気弱で優柔不断な気性であり、この時代に生きる男としては、いささか頼り甲斐がない。裏を返せば、思いやりや誠実さがあり、今作の中ではもっとも人道的で人間らしい男でもあります。今回、初めてご一緒するゴネリル役の川上友里さんは、その凄まじさを演劇仲間から嫌というほど聞かされており、すでに私の中の気弱さが顔を覗かせています。頑張れ!和田正人!負けるな!オールバニー!気負わず、らしく。役に没入したいと思います。
杉本哲太:ケント伯爵役
『リア王』にケント役で挑みます。
主君に寄り添い、真実を貫く男の静かな強さを、誠実に体現したいと思います。
王に嫌われてもそばにいる、なかなか面倒な忠臣です。しぶとく、まっすぐ務めます。
山路和弘:オグロスター伯爵役
もう随分昔、平幹二朗さんからシェイクスピア作品の出演オファーがあった。
古典を演った事のない当時の私は、ヤンチャさと不安から「シェイクスピアなんて観るもんだ、演るもんじゃねえ」などとマネージャーに嘯き、お断りしたことがあった。
後日、平さんに「山路君断るんだもん」とやんわりお叱りを受け、その後、平さんが亡くなり、悔やみに悔やんだ。
今、この『リア王』を前に、いい歳をして異常に緊張している自分が楽しい。
【公演情報】
『リア王 -KING LEAR-』
作:ウィリアム・シェイクスピア
訳:松岡和子
演出:森新太郎
出演:内野聖陽
前田公輝 井之脇海 清水くるみ 川上友里 内田慈
大山真志 永島敬三 和田正人 杉本哲太 山路和弘
原金太郎 佐川和正 チョウヨンホ 中山義紘 藤原薫
●9/21〜10/4◎東京芸術劇場 プレイハウス
〈特設サイト〉https://kinglear.geigeki-classics.jp/
〈芸劇WEBサイト〉https://www.geigeki.jp/performance/theater407/
【ツアースケジュール】
●10/8・9◎新潟公演:りゅーとぴあ新潟市民芸術会館・劇場
●10/17・18◎愛知公演:刈谷市総合文化センター 大ホール
●10/23〜25◎兵庫公演:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
●10/28◎岡山公演:岡山芸術創造劇場 ハレノワ 中劇場
●10/31・11/1◎福岡公演:J:COM北九州芸術劇場 大ホール



