
よりパワーアップした〝ザッツエンターテインメント!〟の世界を!
『シティハンター』など、数多くの名作を世に送り出した漫画家北条司の代表作のひとつ「キャッツ♥アイ」。美人三姉妹が、夜の街を駆ける美術品専門の怪盗として繰り広げる痛快な物語のなかに、家族、姉妹への愛を詰め込んだ作品は、1981年の発表以来、爆発的な人気を博し、時を超えて愛され続けている。そんな作品の舞台を明治時代に移して初演された舞台『メイジ・ザ・キャッツアイ』が、待望の再演を果たすことになり、2026年秋、東京・明治座をはじめ全国3都市で上演される。この華やかな舞台を前に、キャッツアイ三姉妹を演じる藤原紀香、高島礼子、剛力彩芽が揃い、再演への舞台への抱負を語ってくれた。
お客様の笑顔にすべてが報われた初演
──初演の大好評を受けて待望の再演となる舞台『メイジ・ザ・キャッツアイ』ですが、初演で印象に残るエピソードや、再演に向けて深めたいことから教えて下さい。
藤原 まず台本を見てびっくりしませんでした? ものすごく厚くて!
剛力 びっくりしました!
高島 久しぶりに出してきて、改めて驚いて。
藤原 でしょう? それだけにお稽古初日に演出の河原(雅彦)さんから「皆さん、(お稽古期間が)1ヶ月あっても時間が足りません!」といきなり言われたのが忘れられなくて。「歌あり、ダンスあり、アクションあり、宙乗り、セリなど、明治座の舞台機構をすべて使います。ですからキャストもスタッフも本当に大変です。でもひとつだけ言えるのは、その分お客様が楽しいということです。だからこれを実現させましょう」と。もうその言葉通り本当に舞台裏は大運動会のように忙しくて、お客様に心から楽しんでいただけるものを作るというのは、こんなにも大変なことなのかと思いました。でも私は宙乗りで3階席まで飛んだのですが、お客様が満面の笑顔で手を振ってくださる、その笑顔が本当に嬉しくて、仲間を信じてやってきた末にこの景色が観られた、全てが報われたと思いました。ですから再演できることも心から嬉しいですし、より進化したものをお届けできるように頑張ろうと思います。
剛力 初演の初日が雪でしたよね?
藤原 そうそう、そうだった!
剛力 それでこんな天気のなかお客様が来てくださるのだろうかと、すごく心配だったのですが、たくさんの方が足を運んでくださって。私は明治座さんで初舞台を踏ませていただいたので、三姉妹の一員としてここにいられることがとても感慨深かったですし、今回は季節的に雪の心配もありませんから、より頑張って楽しい舞台をお届けしたいです。
高島 私は自分でジャンプして着地する演出がついていて、毎日毎日、試行錯誤を繰り返して、セットも変えていただいたりと、とても大変だったのね。でも映像を見たら「私、結構ちゃんと飛んでるじゃない」と思えて(笑)、頑張った分、結果って出るんだなと思いました。特に私は出演した作品が再演されるのは今回が初めてなの!
藤原 本当?
高島 そうなの。だから再演ってどうなるのかな? と、まだイメージできないところもあるのだけど、色々ブラッシュアップされると伺っているのでそれも楽しみです。
剛力 初演から約二年半経ちますが、公演が終わってからも、キャストの方々が出演する舞台を観に行ったり、ご飯に行ったりと、お姉ちゃん二人とずっと親しくさせていただいて、こういうことって珍しいと思うんです。
高島 例えば「美弥ちゃんの舞台、私何日に観に行きますけど、行きませんか?」って具体的に声をかけてくれるからすごくありがたいのよね。いつか会いたいね、行きたいねだと、結局実現しないままになってしまうんだけど、スパッと決めて声をかけてくれるから集まりやすいの。
藤原 初演以来の私たち姉妹の絆も深まっているし、カンパニーみんな仲が良いので、全員でパワーアップしていけると思います。
真ん中にある家族の物語
──再演が実現するほど、いま上演しても全く色褪せることのない、世界中で世代を超えて愛されている「キャッツ♥アイ」の魅力をどう感じていらっしゃいますか?
高島 演じてみて改めて気づいたのが、この作品が描いていることって「家族愛」なんですよね。怪盗の話と言っても、お金の為ではない。そこがいいんだなと思いますし、やっぱり三姉妹の物語というのも大きいかな。ケンカする場面もあるけど、目的をひとつにした三姉妹が、言いたいことを言い合いながら成長していくところが私はキャッチーで好きですね。
藤原 スタイリッシュでクールな美人三姉妹というイメージですけれど、そこに家族の物語があり、怪盗とは絶対に相いれないはずの警察官の恋人がいる。考えたらすごい設定の真ん中に普遍的な家族の絆が描かれているから老若男女、時代を問わず愛されているんだと思います。
剛力 私はまんがもアニメもリアルタイムでは観ることができなかった世代なんですが、それでも「キャッツ♥アイ」って三姉妹で怪盗をしている物語だよね? と知っていたんです。これって考えたらすごいことですよね。実際に読んでいないのに、インプットされている。それだけのインパクトがある作品の世界観に入れているのがとても嬉しいですし、初演で「『キャッツ♥アイ』に出るんだ!」と言ったらみんなから「愛ちゃんでしょう?」と言ってもらえたのもすごく嬉しいことでした。長く愛されている作品の一員になれるのは幸せですし、今回は再演ですけれども、続編というか、いつか違う物語もできて、シリーズ化されていったらいいなという夢もあります。
藤原 原作のエピソードはたくさんあるものね! 今回この『メイジ・ザ・キャッツアイ』の世界に戻ってくることができて、本当に嬉しいし、東京だけでなく、福岡と大阪のみなさまにも観ていただけるのでとてもワクワクしています。三姉妹の絆を深めながら、より力強くエネルギッシュな、さらに進化した『メイジ・ザ・キャッツアイ』〝ザッツエンターテインメント!〟の世界をお送りしたいと思っています。皆さまにたくさんのエネルギーをお届けしますので、お祭りのような舞台に是非お越しください!
(このインタビューは雑誌「えんぶ」2026年10月号より転載)
インタビュー◇橘涼香 撮影◇中村嘉昭
プロフィール
たかしまれいこ〇神奈川県出身。1988年ドラマ「暴れん坊将軍Ⅲ」で俳優デビュー。1993年映画『さまよえる脳髄』でヒロイン役を演じて話題に。その後も映画『陽炎』『極道の妻たち』シリーズなどの人気作に主演。2001年には『長崎ぶらぶら節』で第24回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。主な出演作にドラマ『御宿かわせみ』『天地人』『女系家族』『精霊の守り人』、映画『犬鳴村』『祈り–幻に長崎を想う刻–』、舞台『女たちの忠臣蔵』『春日局』など。
ふじわらのりか〇兵庫県出身。大学在学中に’92ミス日本グランプリを受賞。卒業後に上京し、俳優としての活動を開始。以降、映像・舞台を中心に数多くの作品で主演を務め、CM、司会、声優など幅広い分野で活躍。主な舞台出演作に、『キャバレー』、『マルグリット』、『南太平洋』、『熱海五郎一座』、『華の太夫道中』、『カルメン故郷に帰る』、『サザエさん』、『魔界転生』、『忠臣蔵』『罠』など。 芸能活動のみならず社会貢献活動にも長年取り組み、自身のNPO「Smile Please 世界子ども基金」の活動を通じてアフガニスタンやカンボジアなどの開発途上国で学校建設、子どもたちへの教育支援を継続している。 2025年大阪・関西万博日本館名誉館長。2026年度関西大学客員教授就任。
ごうりきあやめ〇神奈川県出身。2008年から5年間、雑誌「SEVENTEEN」の専属モデルを務める。2011年のドラマ「大切なことはすべて君が教えてくれた」(フジ)で脚光を浴びる。以降、ドラマ・映画・舞台と幅広く活躍中。近年の主な出演舞台作品に〜女子大小路の名探偵 新章〜 舞台『死は、ど真ん中に転げ落ちて』熱海五郎一座 新橋演舞場シリーズ第11弾 東京喜劇『黄昏のリストランテ ~復讐はラストオーダーのあとで~』『四畳半神話大系』などがある。
公演情報

舞台『メイジ・ザ・キャッツアイ』
原作◇北条司『キャッツ♥アイ』(コアミックス)
脚本◇岩崎う大(かもめんたる)
演出・共同脚本◇河原雅彦
出演◇藤原紀香・剛力彩芽/崎山つばさ 上山竜治/長谷川初範/川久保拓司 佃井皆美 新谷姫加/美弥るりか/高島礼子
9/26~30◎福岡・博多座、10/9~11/1◎東京・明治座、11/14~23◎大阪・新歌舞伎座
〈お問い合わせ〉明治座チケットセンター 03-3666-6666(営業時間10:00~17:00)





