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(雑誌『演劇ぶっく』は2016年9月より改題し、『えんぶ』となりました。)
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宅間孝行・関口メンディー インタビュー

宅間孝行・関口メンディー

世知辛い世の中に温かさを届ける!

宅間孝行が作・演出を手掛けるタクフェス第14弾『北の島から』が、2026年11月から上演される。宅間が5年ぶりに手掛ける新作は、小津安二郎監督の映画「東京物語」や、テレビドラマシリーズとして人気を博した「北の国から」へのオマージュが込められた、家族を描いたヒューマンドラマとなっている。本作で演劇の舞台では初主演となる関口メンディーと、作・演出・出演の宅間に、作品への思いを聞いた。

「北の国から」に出たくてこの仕事を始めた

──本作は「北の国から」と「東京物語」がモチーフになっているそうですね。

宅間 今回はこれまで僕が書いていたものとはまた違うタッチの作品ができるんじゃないか、という自分なりの挑戦でもあります。「北の国から」も「東京物語」も、割と淡々とした物語であまり大きな事件は起きなくて、その面白さみたいなものって、若い頃よりもある程度年齢を重ねてからのほうが感じられるようになると思うんですよね。僕は特に「北の国から」が大好きで……メンディー、観たことないでしょ?
関口 まだないです。
宅間 せひ観てもらいたいです。僕は「北の国から」に出たいと思ってこの仕事を始めたと言っても過言ではないくらい、昔からずっと好きなんですよ。

──関口さんは台本を読まれてどのような感想を持ちましたか。

関口 大きな事件が起きるわけではなくて、淡々と家族の話が繰り広げられていく内容なんですけど、それを演じるということはとても技術がいることだなと思いました。些細な心の動きや機微みたいなものをちゃんと表現しないと見ているお客さんたちに伝わらないと思うので、すごい大役だなと思ってます。自分の課題として、芝居をオーバーにやりすぎてしまうというのがこれまであったので、こういう作品で繊細な心の動きだったり、お芝居の間だったり、そういうところに厳しく取り組んでちゃんと表現できるように頑張りたいと思っています。

──関口さんを今回の主演に選ばれた決め手はどんなところだったのでしょうか。

宅間 彼の役はわりと狂言回しというか、話をいろいろ転がしていくところがあって、彼がいるとその場が明るくなるみたいな、何かやってくれそうな期待感を持たせるような役なんです。メンディーは存在感があって華やかだし、どこか楽しい感じも持ち合わせている唯一無二のキャラクターなので、役にハマるんじゃないかなと思いました。

──関口さんは演劇の舞台での初主演となりますが、意気込みを教えてください。

関口 舞台にはこれまでも出演したことはあるのですが、こういう会話劇は初めてになります。映像作品でいろんな方と共演させていただく中で、やはり舞台経験者の間の使い方とか、発声一つとっても全然違うということに気づいた。そして舞台で芝居をすることの難しさや、そこでどんなものが得られるのか、それを経験すると一体どういう風に自分が変われるのか、というところに非常に興味を持ち始めていたら、ちょうど今回のお話しが来たので、これは運命だなと思っています。

家族の大切さを感じてもらいたい

──関口さん演じる翼は漁師です。衣裳がすごく似合っていますね!

宅間 漁師っぽいよね!
関口 そうですね。我ながらすごいハマり役だなぁ、と思ってしまいました(笑)。翼は人生にちょっと迷っているというか、ターニングポイントにいる感じで、それはきっと誰もが経験したり、これから経験することだと思うんですよね。僕自身の人生経験を振り返って、翼の人生をもっと想像して描けるように準備していきたいと思っています。

──宅間さん演じる隆についても教えてください。

宅間 長男、長女、次男の三兄弟の長男なんですけど、銀行員として堅実に生きてきた人です。僕の周りにも銀行勤めの人がいるんですけど、話を聞いてると僕くらいの年齢になると定年も近づいてきて、自分がどの辺まで行けるのかも見えてきて、少し切なさも感じ始めるそうです。なんとなく先が見えてしまうというか。もちろん、定年までの間にもっと上まで行くぞ! という人も中にはいると思いますが、ほとんどの人がそろそろ定年後の次のステージをどうするか考え始めていて、次のステージと言っても、どちらかというと守りに入ってコンサバティブな道を思い描いている感じみたいです。だから、僕が演じる隆という人はそんな感じの、ちょうど切なさを感じ始めているキャラクターというイメージです。

──お客様へのメッセージをお願いします。

関口 家族との時間とか家族愛みたいなものって、失ってからその大切さに気づくこともあると思うんですけど、なるべくであったら失う前に気づけたほうがいいよね、と思っています。みんな必死に生きているから忙しいと思うけれども、家族とか大切な人との時間を取るようにしてほしいなと思いますし、あとは「何をするか」より「誰といるか」のほうが大事なんじゃないかなと。人との絆だったりとか、周りの人を大切にすることだったりを感じられるようなお芝居ができたらなと思っているので、ぜひ楽しみにしていてください。
宅間 今回は、とにかく温かい作品です。メンディーがかなり笑かすと思います!
関口 ハハハ! 大役だ(笑)。
宅間 たくさん笑って、最後は結構グッとくる、非常に幸せな気持ちになれる作品だと思うので、世知辛い世の中ですから、劇場にあったかいものを受け取りに来ていただけたらなと思います。

(このインタビューは雑誌「えんぶ」2026年10月号より転載)
インタビュー◇久田絢子 撮影◇中田智章 ヘアメイク◇佐藤健司 衣裳◇佐藤憲也

プロフィール

たくまたかゆき○東京都出身。タクフェス・タクラボ主宰。俳優・脚本家・演出家。劇団作品の映像化はドラマ『歌姫』、映画『くちづけ』ほか多数。映画監督としても活躍。今年公開の映画『おそ松さん人類クズ化計画!!!!!?』で脚本を担当。現在、YouTube連続ドラマ『THE BAD LOSERS』シーズン1&2を配信中。

せきぐちめんでぃー○米・ニュージャージー州出身。ソロアーティスト、俳優として国内外で活躍中。最近の主な出演作は、ドラマ『おむすび』『東京サラダボウル』『コーチ』『ムショラン三ツ星』、映画『パリピ孔明THE MOVIE』『ババンババンバンバンパイア』など。

公演情報

タクフェス第14弾『北の島から』

作・演出◇宅間孝行
出演◇関口メンディー/矢島舞美/石垣佑磨 浜谷健司 石田亜佑美/鈴木杏樹/モト冬樹/宅間孝行
11/12◎練馬区立練馬文化センター小ホール(プレビュー公演)、11/20〜22◎名古屋公演 アマノ芸術創造センター名古屋、
11/26〜29◎大阪公演 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、
12/5◎小樽公演 小樽市民会館、12/11〜20◎東京公演 サンシャイン劇場  
https://takufes.jp/kitanoshimakara/

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