ブロードウェイとウエストエンドを感動に包んだ話題作『インヘリタンス-継承-』チラシビジュアル&公演詳細!
東京芸術劇場では来年 2 月、2019 年ローレンス・オリヴィエ賞 4 部門、2020 年トニー賞 4 部門を受賞し、ブロードウェイ・ウエストエンドを感動で包んだ話題作『インヘリタンス-継承-』を、熊林弘高を演出に迎えて上演する。
東京芸術劇場では気鋭の演出家に新たな活躍の場を提供してきた。演出家・熊林弘高とは、2010年『おそるべき親たち』のシアターウエスト公演以来、充実した共同作業を積み重ねている。熊林はシェイクスピアやチェーホフの古典作品を斬新な現代劇として蘇らせたプレイハウス公演、日本の現代劇やアングラ戯曲をスタイリッシュに演出した小劇場公演などを手掛け話題になった。唯一無二の演出家として錚々たる名優たちから一目置かれる熊林は、寡作の人としても知られている。自身が納得した作品を1~2年に1本選びぬく熊林が「これだけは」と上演を切望した作品、それが『インヘリタンス-継承-』だ。
本作は2015~18年のNYを舞台に、1980年代のエイズ流行初期を生きた60代、HIVと共に生きる30代・20代の3世代のゲイの人々を描きだす。感染症と向き合って生き抜く彼らの姿は、ここ数年コロナの猛威と苦闘し、いまようやくそれと共に生きていくところまでたどり着いたわれわれ全ての同時代人に相通じる。彼らが差別や抑圧を受けながらも、真実の自分に出会い、愛を貫くさまを描く本作は、LGBTQなど多様な個性の人々がそれぞれ自分らしく幸せに共生できる社会とは何かを問いかける。日本では『真夜中のパーティ』『ト―チソング・トリロジー』『エンジェルス・イン・アメリカ』などの、ゲイの人々を描く傑作が上演されて来ましたが、本作は、まさしく”いま”を描いて、私たちに深い感動と希望を与えてくれるはずだ。
キャスティングにこだわる熊林の指名を受けてたったのは、信頼篤き実力派の福士誠治、今後が期待される感性豊かな田中俊介、正反対の二役を演じる新原泰佑、そして柾木玲弥はじめフレッシュな若手俳優陣。対するベテラン勢には、多彩な役を演じて実績のある篠井英介、そして円熟した演技で熊林作品を支える山路和弘。さらに熊林作品に欠かせない名優 麻実れいが後篇のみ、クライマックスで登場するのも見どころとなる。
実力・魅力あふれる顔合せで送る『インヘリタンス』は、不安に満ちた現代社会で、傷つき疲弊する我々を励まし、エネルギーをチャージしてくれる。ポジティブで、セクシーで、痛快な舞台に、必ずや時を忘れるにちがいない。
《あらすじ》
[前篇]
エリック(福士誠治)と劇作家のトビー(田中俊介)、初老の不動産王ヘンリー(山路和弘)とそのパートナーの ウォルター (篠井英介)の2組のカップルを中心に物語は展開する。ウォルターは「田舎の家をエリックに託す」と遺言して病死する。トビーの自伝的小説がヒットしてブロードウェイで上演されることになるが、その主役に抜擢された美しい青年アダム(新原泰佑)の出現により、エリックとトビーの仲は破たんする。しかしトビーはアダムにふられ、彼にそっくりのレオ(新原泰佑 二役)を恋人にする。一方、リベラルと保守の両極のようなエリックとヘンリーが、ふとしたことから心通わせる。エリックは、ウォルターの遺言の「田舎の家」が、エイズで死期の近い男たちの看取りの家となっていることを知る。
[後篇]
エリックとヘンリーが結婚することになり、ジャスパー(柾木玲弥)ら古い友人たちとの間に溝ができる。結婚式に、トビーがレオを伴って現れる。レオを見て顔色を変えるヘンリー。トビーは式をぶち壊して失踪する。トビーに捨てられHIVに 感染し行き場をなくしていたレオをアダムとエリックが救う。レオを「田舎の家」に連れて行くと、そこには男たちに寄り添い続けたマーガレット(麻実れい)がいて、この家で起ったことを語り始める…。ウォルターの遺志を継ぐ決心をするエリック。 レオは彼らの物語を書き残していく。
【公演情報】
『インヘリタンス-継承-』
作:マシュー・ロペス
演出:熊林弘高
出演:
福士誠治
田中俊介
新原泰佑
柾木玲弥
百瀬 朔
野村祐希
佐藤峻輔
久具巨林
山本直寛
山森大輔
岩瀬 亮
篠井英介
山路和弘
麻実れい(後篇のみ)
●2024年2/11~24◎東京芸術劇場 プレイハウス
●2024年3/2◎大阪 森ノ宮ピロティホール
●2024年3/9◎J:COM 北九州芸術劇場 中劇場
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