
異色の生演奏(クラリネット×三味線)で魅せるダークな童話の世界、花園神社・神楽殿にて、9⽉4⽇に開幕、12日まで上演中だ。その舞台写真とコメントが届いた。
SNS で「正義の名を借りた略奪者」が量産され、誰もが「⾃分は正しい側か︖」と疑う令和の現代。英雄がただの侵略者として描かれる芥川⿓之介の『桃太郎』(※英雄の仮⾯をかぶった⻤)は、今こそ私たちの⼼に痛烈に響く。時間が加速し、取り戻せない焦燥感が蔓延する中で、近代の⽂豪・芥川が解体した古典童話は、今を⽣きる私たちに何を語るのか。「綺麗な昔話にすがる⾃分たち」を静かに問い直し、童話を殺すことで初めて⾒える「⽣々しい今」を、夜の境内から届ける新しい演劇の幕開け。舞台となるのは、江⼾時代に内藤新宿が開かれて以来、新宿の守り神として街を⾒守り続けてきた新宿総鎮守・花園神社。由緒ある神楽殿で、⽉夜の中で⽴ち上がる特別な舞台は、⽇によって姿を変える唯⼀無⼆の空間となる。
花園神社の神楽殿で朗読劇が上演されるのは初めてのこと。新宿の喧騒の中⼼にたたずむ荘厳な空間に、本公演のためにテントと座席が設営され、期間限定の舞台空間が⽣まれる。
初⽇9⽉4⽇は⾬降りしきる中、9⽉5⽇は初秋の夜空の下、それぞれ異なる表情を⾒せる花園神社で、観客と⼀緒に作り上げる特別な公演となった。

構成・演出を⼿掛けるのは串⽥和美。出演には串⽥和美に加え、⼤空ゆうひを迎える。⾳楽には吉⽥誠(クラリネット)と本條秀慈郎(三味線)という、⻄洋の管楽器と和の弦楽器が⽕花を散らすユニークな2名編成の⽣演奏で物語を奏でる。本作のために書き下ろされたオリジナル楽曲だけでなく、和洋ジャンル幅広い楽曲のメロディが、芥川⿓之介が「桃太郎」を独⾃の⽬線で描くストーリーと、現代に響くメッセージに彩りを添える。



《あらすじ》
芥川⿓之介『桃太郎』
桃から⽣まれた桃太郎は、働くのが⾯倒で「おじいさん・おばあさんのような⽣活はいやだ」と、⻤ヶ島征伐を思い⽴つ。
きび団⼦(半分だけ)で⽝・猿・雉を雇い、島へ向かう。実は⻤ヶ島は平和で⽂化的な楽園だったが、桃太郎⼀⾏は⻤たちを蹂躙し、財宝を奪って凱旋。⽇本⼀の英雄として帰還する̶̶
という、伝統的な昔話の英雄譚を⾵刺・逆⼿に取った短編物語。
【コメント】

串⽥和美(構成・演出・出演)
朗読のあり⽅、⾳楽との共同作業のあり⽅を探しながら、実に刺激的で楽しい稽古時間を持つことができました。
そもそも最初は、新宿・花園神社の神楽殿という場所だけが決まっていて、何をどうするのかも定かではないところから、朗読劇でいこうとなって、いくつかの作品の中から芥川⿓之介の『桃太郎』が選ばれ、出演メンバーが決まりました。
そうなると何か不思議な⼒が、どんどん我々を引っ張って⾏くように、⽬指すモノの姿が⾒えてきて、
とうとう皆さんの前にお⽬⾒えする時がやってきました︕︕ 私たちは今、確かにとても興奮しております︕︕

⼤空ゆうひ(出演)
花園神社神楽殿の宵。
芥川⿓之介の思考の世界が楽器と声の⾳⾊で新宿の夜に広がっていきます。
温度や⾵、⾍の⾳、サイレンの⾳、環境の全てが融合する野外での朗読はとても刺激的。
串⽥さんとの朗読、素晴らしいクラリネットと三味線の演奏とのセッションで⽣まれる桃太郎。
怖いけど楽しい。楽しいけど恐ろしい。
私⾃⾝ドキドキしながら⾔葉を紡ぎたいと思います。

吉⽥誠(クラリネット)
⾳楽は⾔葉から⽴ち現れ、⾔葉もまた「⾳」そのものと⾔えます。芥川の詩的な⾔葉が串⽥さんや⼤空さんの叙情的な声⾊に乗ることで、その世界観は⼀層幻想的な深みを増していきます。
本演⽬は、単に朗読と⾳楽を掛け合わせたものではありません。美しく深い⾔葉の⼀つひとつを読み解き、「声⾳」「⾳」の響きによって探求する世界です。⽿を傾けていただくほどに、観客の皆様それぞれの⼼の中に『桃太郎』の情景が鮮やかに浮かび上がるのではないでしょうか。
約1時間の公演を通じ、私⾃⾝も⼀秒⼀秒芥川の世界観をを噛み締めながら⾳を奏でられることを、⼼から楽しみにしております。

本條秀慈郎(三味線)
芥川の⾔葉に「どうせ⽣きているのだがら苦しいのは当たり前」。
この彼の⽇頃に存在していた「どうせ」が、私の⽣きている事に重なる。
1世紀も前の哲学が、いま巨匠を伝って語りかけてくる。名優が其れと⾒事呼応する。
そして名⼿の笛童⼦がその⾳世界を構築。ひとり側で贅沢した。何より、、救われた気がした。

【公演情報】
宵ノ奏劇 〜芥川⿓之介童話外伝〜
構成・演出:串⽥和美
出演:串⽥和美 ⼤空ゆうひ
吉⽥誠(クラリネット) 本條秀慈郎(三味線)
●9/4〜12◎新宿・花園神社 神楽殿
〈公式X〉 https://x.com/hanazono_stage
【舞台写真 (C)「宵ノ奏劇」実⾏委員会】



