劇団青年座創立70周年記念公演、第一弾『ケエツブロウよ-伊藤野枝ただいま帰省中』5、6月に上演!
劇団青年座の創立70周年記念公演第一弾として、作・マキノノゾミ、演出・宮田慶子、主演・那須凜で、新作『ケエツブロウよ-伊藤野枝ただいま帰省中』が、紀伊國屋ホールにて5月24日~6月2日、上演される。
《上演にあたって》
与謝野晶子と明治の若き文学者たちの交流を描いた群像劇『MOTHER』。物理学者寺田寅彦をモデルにその家族を描いた『フユヒコ』。小説「坊っちゃん」の赤シャツに小説家夏目漱石を重ね合わせた『赤シャツ』。 劇作家マキノノゾミと演出家宮田慶子のコンビによって創られたこれら三作品は、明治、大正、昭和の実生活の中に文人たちのありままの姿を描いた評伝劇として、いずれも高い評価を受けた。その後も『横濱短篇ホテル』、『わが兄の弟-贋作アントン・チェーホフ傳』を発表し、マキノノゾミは青年座の創作活動に欠かすことのできない劇作家となっている。
そして今回取り組む新作は、昨年没後100年を迎えた伊藤野枝の物語。主演のノエには、今年入団10年目を迎え成長著しい那須凜を抜擢、3年ぶり青年座の舞台に満を持しての登板となる。そして横堀悦夫、綱島郷太郎、松熊つる松、さらにベテランの土屋美穂子といった劇団の中核を担う俳優陣が脇を固める。
アナキズム(無政府主義)を標榜し、男女間のあり方、結婚や貞操観念にまで絶対的自由を求めたノエ。「青踏」に関わりをもつ17歳から甘粕らによって殺害された28歳まで、たびたび帰省した福岡県今宿の実家を舞台に、嵐のように生きたノエの実像に迫る。
《ものがたり》
明治45年(大正元年)の夏、福岡県糸島郡今宿の海辺の家。 17歳のノエは進退窮まっていた。東京の上野高等女学校を卒業したものの、決められていた地元の男との結婚がイヤで、実家を飛び出したのが春の終わり。 女学校の恩師だった辻潤のもとへ身を寄せ、「青鞜」の平塚らいてうとも出会い、正式に離婚するために戻ってきたものの、親族はそろって猛反対。といって東京に戻る金もなく、毎日が針のムシロである。
そんなある日、ノエの姿が見えない。部屋から出てきたノートの切れ端には「どうせ死ぬならケエツブロウよ、かなしお前とあの渦巻へ──」と謎の文句が書かれている。さては入水でもしたか! 一同は大慌てでノエを探す。むろんノエは死んでなどいない。押入れの中に隠れていたのである。そこへ、東京のらいてうから待ちに待った金が送られてくる。ノエは「うちの人生はうちのもんばい。自分自身をもっともっと成長させたいんじゃ。もう二度とこん家には戻りませんけん!」と告げて、元気いっぱい再び故郷を出奔する。
それから三年、大正4年の秋、ノエは次男の出産のため、「二度と戻らない」はずの実家に再び戻ってくる。というより、これからのちは、たびたびシャアシャアと帰ってくるようになる。 パートナーも辻潤から大杉栄へと変わり、ノエ自身も「新しい女」から、無政府主義の著述家・活動家へと変貌してゆく。そのたびに振り回される親族や今宿の人々も、やがてノエの生き方を少しずつ理解してゆく。
大正12年、彼女が二度と帰省しなくなる年がやってくる──。
【公演情報】
劇団青年座創立70周年記念公演 第一弾
紀伊國屋ホール開場60周年記念
劇団青年座第256回公演 『ケエツブロウよ-伊藤野枝ただいま帰省中』
作:マキノノゾミ
演出:宮田慶子
配役:
ノエ・・・・・・・・・・・・・ 那須凜
与吉(父)・・・・・・・・・綱島郷太郎
ウメ(母)・・・・・・・・・ 松熊つる松
ツタ(妹)・・・・・・・・・ 松平春香
サト(祖母)・・・・・・・ 土屋美穂子
代準介(叔父)・・・・・横堀悦夫
キチ(叔母)・・・・・・・ 遠藤好
世話役・・・・・・・・・・・小豆畑雅一
辻潤・・・・・・・・・・・・・伊東潤
キミ(従妹)・・・・・・・・角田萌果
大杉栄・・・・・・・・・・・松川真也
村木源次郎・・・・・・・古谷陸
西山錬太郎・・・・・・・岡本大樹
●5/24~6/2◎c
〈料金〉前売5,500円 当日6,000円(全席指定・税込)
夜公演割引(24日、29日、31日)前売5,000円 当日5,500円
*U30(30歳以下)3,000円 ※U18(18歳以下)1,800円 グループ割引18,000円(同一日4名) 以上青年座のみ取扱い
〈チケットお問合せ〉劇団青年座 0120-291-481(チケット専用11:00~18:00、土日祝日除く)
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〈公式サイト〉https://www.seinenza.com
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