情報☆キックコンテンツ一覧
お得なチケット販売中!
情報☆キック
株式会社えんぶ が隔月で発行している演劇専門誌「えんぶ」から飛び出した新鮮な情報をお届け。
公演情報、宝塚レビュー、人気作優のコラム・エッセイ、インタビューなど、楽しくコアな情報記事が満載!
ミュージカルなどの大きな公演から小劇場の旬の公演までジャンルにとらわれない内容で、随時更新中です。

(雑誌『演劇ぶっく』は2016年9月より改題し、『えんぶ』となりました。)
公演チケットで広告掲載

ノゾエ征爾の新作書き下ろしで『りんごが落ちる』新国立劇場にて6月上演!

ノゾエ征爾の新作書き下ろしを青年座の新鋭・金澤菜乃英が演出する『りんごが落ちる』が、6月13日~28日 に新国立劇場 小劇場にて上演される。本作は小川絵梨子芸術監督の任期最後のシリーズ企画「いま、ここに──」のラストを飾る作品となる。

自分の前に立ちはだかる「乗り越えがたい大きな壁」や、他者との断絶感、弱さを打ち明けられない葛藤など、現代を生きる誰もが抱える心の痛み。そんな痛みなどモノともしないタフさに憧れながらも、生きづらさを感じている人々を、「recover」や「cure」をキーワードに、ノゾエ征爾の誠実でユーモアあふれる筆致で、愛情いっぱいに描き出す。 ノゾエ自身が感じる「生きづらさ」を描こうとしたとき、行き着いたのは、自身が慣れ親しんだ演劇の世界だった。

《あらすじ》
台所に一人立つ男。ベテラン舞台俳優の田端光太郎。
1時間前、彼は舞台上にいた。近年仕事が減る中、久々に舞台の主役が巡ってきた。
迎えた初日。セリフが止まった。ラスト10分が沈黙劇となった。
田端は今、台所に立ち、料理をしている。二人暮らしの小学生の息子は合宿で不在だ。
そこへ、学生時代の後輩・猿橋が。この舞台の若い演出家・鴨川が。お隣の婦人・鶴野が。それぞれの事情で訪ねてくる。そして地元で働く妹・夢子からは、何度も気遣いの連絡がくる。
行き詰まり、息が詰まっているアンバランスな人々の、ズレた思いやりと身勝手が錯綜する。
田端は果たして、本当にセリフを忘れたのか? 明日セリフは言えるのか?
それぞれの人生で止まっているセリフたちが動き出す。
りんごが落ちる。誰が拾う。

梅舟惟永 浜田学 山口森広
宮川安利 大西多摩恵

主人公の舞台俳優・田端光太郎を演じるのは、浜田学。田端の学生時代の演劇部の後輩・猿橋通には山口森広。田端が現在出演中の舞台演出家・鴨川言には梅舟惟永、田端の住む家の隣人・鶴野郷美には大西多摩恵。そして田端の妹・夢子を宮川安利が演じる。

本作の演出を担うのは、青年座の気鋭の演出家・金澤菜乃英。新国立劇場には、今作が初登場となる。ノゾエ征爾と金澤菜乃英、初タッグとなる二人が届ける、不器用な大人たちの“息継ぎ”の物語。

【コメント】
作:ノゾエ征爾
「ああ、書けない。
舞台上でセリフが止まってしまった俳優の物語のセリフ(の執筆)が止まってしまった。
別件で中断しながらも、なんだかんだ書き始めて1年弱ほど経つ。
合間で提出してきた原稿は、制作さんたちにも『面白いいい!』と言っていただけているようだが、終盤のここに来てピタッと止まってしまった。
もう、数週間、一行も進んでいない。
望んでいないのに――物語の中のセリフが止まった男の気分をまさに味わっている。登場人物と共に歩めということだろうか。
そういうことならば、より活きた人物が描けて意味もある気はするが、共に歩もうがなんでもいいからともかく早く書き上げてくれ!
という現場の悲痛な声が毎夜頭の中でこだまする……」
みたいなことが、きっと今日もどこかで起きている。
なかなか報われない生活者たち、創作家たち。生きにくさと真正面からぶつかって、痛みを抱えて、優しさを抱いて、強く生きたいと思っている人たち。
それはまさに自分であるし、身近にいるあの人やこの人だ。
だからこの作品を書かなくてはと思いました。乞うご期待ください。

演出:金澤菜乃英
台上で台詞が止まりラスト10分間を沈黙劇にしてしまった主演俳優が、「来訪者たち」と過ごす公演初日の夜。
家業の老舗和傘屋を継いで演劇活動を諦めた大学の後輩、
人生の勝負をかけて臨んだ公演を沈黙劇にされた演出家、
夫に入れてもらうまでドアの外に佇むマンションの隣人、
兄の心配ばかりしている美容師の妹。
それぞれに肩身が狭い境遇を抱えているようだ。
息苦しい生活の中、どこで息継ぎができるのだろう。
劇を観ているのか?生活を覗いているのか?
舞台と客席の境目が溶けていくように、ちょっと可笑しくて不思議な”ノゾエワールド”へ一緒に足を踏み入れてみませんか。
演劇という虚構の世界と、日常という現実の生活を往来するような体験を、劇場で共有していきたいです。

【公演情報】
新国立劇場演劇 いま、ここに──[3]
『りんごが落ちる』  
作:ノゾエ征爾
演出:金澤菜乃英
キャスト:浜田 学、山口森広、梅舟惟永、宮川安利、大西多摩恵
●6/13〜28◎新国立劇場 小劇場
〈チケット問い合わせ〉新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999(10:00~18:00)
新国立劇場Webボックスオフィス https://nntt.pia.jp/
〈公式サイト〉https://www.nntt.jac.go.jp/play/nozoeseiji-newplay/