オペラシアターこんにゃく座が、幻のオペラを45年ぶりに新演出で上演!
1971年、台本・若林一郎、作曲・林光コンビで誕生した民話オペラ『あまんじゃくとうりこひめ』の全国巡回公演から活動を開始したこんにゃく座。その公演を観てこんにゃく座オペラの可能性を感じ、こんにゃく座の座付き作家になった林が、座に書き下ろした2作目の作品が、オペラ『浮かれのひょう六機織唄』。
この作品の台本も担当した若林は「オバケのQ太郎」などの子供向け番組の台本や、「ヤッターマン」「忍者ハットリくん」などのアニメソングの歌詞も数多く手がけた放送作家・劇作家で、こんにゃく創立当初の顧問。林は東京芸術大学作曲科を中退後、1953年『交響曲ト調』で芸術祭賞を受賞するなど器楽曲の作曲で注目を集める中、並行して日本語によるオペラの作曲も意欲的に行い、長くこんにゃく座の芸術監督兼座付き作家をつとめた。
1977年初演、翌年の再演以来、こんにゃく座では上演されていないこの幻のオペラを45年ぶりに上演する。今回、演出を手がけるのは、こんにゃく座に入座する前に京都オペラグループでこの作品の主人公「ひょう六」を演じたことのある大石哲史。1981年の入座以来、歌い手として活躍する一方、様々なオペラの演出も手掛けてきた大石より、作品上演に向けたメッセージが届いた。
写真:前澤秀登
1977年。今から46年前にこのオペラはうまれました。その頃のこんにゃく座は、古い路線バスを買い取り、そこに寝泊まりして年中旅公演をしていました。えっ!座席のある路線バスにどうやって寝ていたかって?……真ん中の縦通路に3人、座席に足を投げ出して8人、(スタッフを入れて15人はいたはず……)あとの4人はというと……なんと!座席の背の上に分厚い身長大の板を渡して寝ていたのです。恐ろしい!旅館に泊まるお金が捻出出来なかったのです。そんなこんにゃく座が、初めて東京で公演を打ったのがこのオペラ『浮かれのひょう六機織唄』でした。当時の座員の心意気がいっぱい詰まったオペラになっています。乞うご期待!
大石哲史(演出)
”村いちばんの色男〈ひょう六〉が、色仕掛けで村のピンチを救う?!”
奇想天外なストーリーが楽しい民話オペラ。林光の〈日本オペラの夢〉が詰まった作品をぜひお見逃しなく!
【物語】
村いちばんのモテモテ男ひょう六は
歌と踊り、色事にかけては人並み以上
でもちっとも働かない困ったヤツ
しかしある時ひょう六に
凶作でピンチ続きのこの村を救うため
大きな役目が舞い込んだ
となり村は
評判の機織娘、お糸の織り出す布のおかげで
たいそう豊かに栄えている
「ひょう六、おまえ、お糸を口説きたぶらかし、
お糸の機織りの技で、この村のピンチを救っておくれ」
天下はれて ひょう六は
ああ堂々の
色じかけの旅へと出発する
【公演情報】
オペラシアターこんにゃく座公演
オペラ『浮かれのひょう六機織唄』新演出
台本◇若林一郎
作曲◇林光
演出◇大石哲史
*一部ダブルキャスト公演
7/9〜10◎俳優座劇場
https://www.konnyakuza.com/produce/