益山貴司作・演出、ホラーミュージカル『キッチュ&ホラー・イン・モータース』開幕!
浅草九劇にて益山貴司作・演出のホラーミュージカル『キッチュ&ホラー・イン・モータース』が、10月31日に開幕した。(11月10日まで)
本作は、「ロッキー・ホラー・ショー」や「リトルショップ・オブ・ホラーズ」のような、“イカれて、イカしたホラーミュージカル”を日本でも作りたい、という思いから、立ち上がった。まるでパーティーのような新しくて懐かしいホラーミュージカル。
ホラーなストーリーなはずか、個性豊かな俳優たちにより、なぜか笑いが止まらない・コメディとして楽しめる作品に。さらに客席参加型も楽しめる要素の一つ。出演者と観客が一体となって作品を完成させる演出となっている。
また、オリジナル曲は12曲。ミュージカルらしい曲から、パンク調の曲、SF風などキャッチーな音楽と、楽曲の魅力を引き立てる演出・振り付けも魅力の一つ。さらに、出演もしながら美術を手掛けた益山寛司による、圧巻の段ボール美術や小道具たちが作品の世界観をより引き立てる。他では見られない段ボールアートも見逃せない。
《あらすじ》
雷鳴とどろく墓場で涙を流す青年、エミル(佐々木崇)。彼は唯一の肉親である父親(曽世海司)を失い、更には足の怪我でバスケットボール選手の道を閉ざされ、人生に絶望していたのだった。そんな彼の元に現れた不気味な男。彼は、山奥にある自動車整備工場マキモトモータースからの使いだという。どうやら、亡き父親がエミルに一台の車を遺しているようなのだ。
工場へ向かう道中、ヒッチハイクで拾い上げた謎の美少女ミサキ(村田寛奈)は「私は車になりたいのです」という言葉を残して行方をくらます。
マキモトモータースにたどり着いたエミルは、パンクでファンキーな工場長ラチェット牧本(益山寛司)やその部下のレンチ(柳内祐介)、ジャッキー(小飯塚貴世江)といった不気味な工員たちが繰り広げるドタバタ騒ぎに巻き込まれ、そのまま捕らえられてしまう。なんと、この工場では人間を車に改造していたのだ!
監禁された地下室で再会したエミルとミサキ。互いに惹かれ合う二人は工場からの脱出を試みる。しかし、更なる陰謀が二人の行方を阻むのであった──。
果たして、ミサキは車になるのか!?エミルの恋は成就するのか!?そして、宇宙からの声の正体は!?
【コメント】
作・演出:益山貴司
「ロッキー・ホラー・ショー」が好きだ。残酷で、バカバカしくって、ロマンチックで、何より「人生にはこんな時間があってもいいじゃないか」って思える。こんな作品が作られた50年前の世界は、今よりもっと自由で、アナーキーなものを楽しむ余裕があったのだ。翻って現在の世界はどうだろう。なんだかちょっと息苦しい。みんなアップアップしている。だからと言って、どれだけ今に絶望しても過去に戻ることはできない。ならば、せめて舞台の上だけでも、あの頃の風を吹かせてもいいんじゃないか。舞台の上だけでも、大騒ぎしていいんじゃないか。僕は、「ロッキー・ホラー・ショー」の孫のようなこの舞台『キッチュ&ホラー・イン・モータース』で今の世の中に風穴をブチ開けて、「人生にはこんな時間があってもいいじゃないか!」と大声で叫びたいのだ。観客の皆様には、ぜひ、この「パーティー演劇」を楽しんでいただければ。少なくとも、舞台上の役者たちは、びっくりするほど楽しんでいます。
【公演情報】
ホラーミュージカル『キッチュ&ホラー・イン・モータース』
作・演出:益山貴司
出演:佐々木崇 村田寛奈 益山寛司 小飯塚貴世江 柳内佑介 曽世海司
清水琴 深月要 ナオ フクモト
●10/31〜11/10◎浅草九劇
〈公演サイト〉https://asakusa-kokono.com/kyugeki/2024/08/id-13834