つかこうへいに師事した3人が結成した9PROJECT『熱海殺人事件』(文学座初演版)の上演に挑む!

北区つかこうへい劇団で、つかこうへいに直に教えを受けた吉田智則、友部康志、高野愛と、若手注目劇団の1つイン・ノートを主宰し、昨年の9PROJECT公演『幕末純情伝』で勝海舟役を好演した芝原れいちが、つかこうへいの『熱海殺人事件』(文学座初演版)の上演に挑む!
1975年の文学座アトリエでの初演から、無数のバージョンが作られ、上演されてきた中、初演版にしかない魅力に取り憑かれた9PROJECTの面々。その魅力を出演の3人と同じく、つかこうへいに文才を認められ、氏のもとで作・演出を学び、今作を演出する渡辺和徳からのメッセージが到着した。

つかこうへいを知る人なら、だれもが通る名作が「熱海殺人事件」です。僕が北区つかこうへい劇団時代に入って間もない頃、つかさんは新しい「熱海」のバリエーションを作り始めました。一つの台本が無数のバリエーションになり、それがまたくっ付いては離れ…永遠とも思われる創作がそこでは行われていました。いや実際、つかさんの中には「書き終わる」ということがなかったように思います。その怒涛の創作を、時に執筆を手伝い、時に演じ、演出をさせてもらいながら、僕は見つめ続けていました。
2018年、初めてこの「初演版」を上演した時の衝撃は今でも忘れられません。これほどの面白さが、これほどの奥深さが、一つの作品の中に内包されるものなのか…。正直言って、その後のつかさんが、なぜあんなにも書き換える必要があったのか、分からない程でした。
今回、つか劇団の先輩である吉田智則さん、友部康志さんと共にこの作品を作ります。僕ら以上につかさんをよく知るお二人と作った時、どんな景色が見えるのか…? 新たな気持ちでこの作品に挑戦してみようと思います。
渡辺和徳
【ストーリー】
熱海の浜で、製紙工場の女工が殺された。捜査を担当するのは、かつては警視庁捜査一課にその人ありと言われたくわえ煙草伝兵衛こと、木村伝兵衛部長刑事。しかし事件は、あまりにもありきたりすぎて三面記事にもなりそうもない。
その“つまらない”事件を、新聞の一面を飾るような立派な事件にするために奮闘し始める刑事たち…。その中で、浮かび上がってくる犯人の真の殺意とは何であったのか?
「警視総監殿、日本は今大きく病んでおります」
【公演情報】


9PROJECT
『熱海殺人事件 〜1973初演ver.』
作◇つかこうへい
演出◇渡辺和徳
出演◇吉田智則 友部康志 高野愛 芝原れいち
5/22〜25◎上野ストアハウス
https://www.9-project.net/