【松永玲子の「今夜もネットショッピング」】「正月だけの甘やかし」

2024-02-08

龍昇企画×上野ストアハウス『エレジー～父の夢は舞う～』1/28に無事千穐楽。ご来場の皆様、お心を寄せて下さった皆様、感謝。
一見、日常会話のホームドラマ風だが、その奥底には劇作家清水邦夫の大河が渦巻き、言葉が螺旋となって演者も観客も巻き込んで行く、という恐ろしく質の高い戯曲でした。出会えて良かった！　が、2ヶ月間ずっとこの戯曲を考え続けていたので、なかなか頭から抜けずに困っています。
年末年始、お稽古は休みでもずっと『エレジー』漬けだったことと、ゾッとするニュース達で、お正月どころじゃなかったのですが、そんな年明けになることを知らなかった12月中旬に購入していたコレ。

ふうれん特産館“切り餅お試し9枚入り（白）”450g、海苔10枚付き、1,080円。

私の実家稼業は着物の仕立て屋。和裁学校であり和裁会社。学校というよりも、徒弟制度をイメージして下さい。私が子供の頃は、最大100人程の生徒さんや従業員（お弟子さん的な）の皆さんが敷地内の別棟で寮生活をなさっていました。否、正確には、和裁会社の敷地内の一角に実家がありました。
祇園の年末の恒例行事としてニュースで流れる【正月事始め】のご挨拶の儀式。12/13に舞妓さんや芸妓さんが踊りのお師匠さんのところにご挨拶に伺い鏡餅を納めるその習わしが、徒弟制度の延長線上の我が実家にもありました。大食堂の一辺にずらりと並ぶ何十の鏡餅は壮観でした。
我が家？我が社？我が校？では、その納められた鏡餅を切り分け、和裁業の最繁忙期である年末（正月の晴れ着の納期）を皆で乗り切るために巨大鍋で善哉を作るのです。
この鏡餅は、馴染みのお米屋さんや和菓子屋さんに発注された【本気の餅】です。便利な切り込みも無いし、すぐに柔らかくもならないし、扱い辛いのですが、なんせ美味い！美味いのです！
時代と共にこの大変な行事は我が実家からなくなりました。
【餅を食べきる】というミッションからは解放され、餅は正月だけの己へのご褒美となりました。
そこで困るのが、【本気の餅】の味を知ってしまっている我が舌と、独居です。餅を冷凍して上手くやりくりなさる方は多いはずですが、私は必ず忘れ去ります。
なので、
美味い餅を少しだけ買いたいんじゃ！

そんな折、瀧波ユカリ先生が旧twitterでお勧めしてらした餅がコレです。
北海道名寄市産もち米「はくちょうもち」使用450g。
瀧波ユカリ先生といえば、あたくし出演の劇団、本谷有希子『遭難、』のチラシイラストを描いて下さった方、大好きな『臨死!!江古田ちゃん』の作者、現在は『わたしたちは無痛恋愛がしたい～鍵垢女子と星屑男子とフェミおじさん～』連載中の、北海道出身の漫画家。
あたくしの中でいちいち信用度が高いのです。
その方がジャストミートなブツをご紹介なすってる！即買い。

一日3個ずつ。三が日で完食。
美味しゅうございました。
雑煮餅として食べきりました。関西は丸餅では？ええその通りですが、美味い餅であることが最優先です。

気は早いですが今年の師走もコレをリピ買いしたいです。
が、富山県民から、
「富山の昆布餅、美味いっすよ」
と聞きまして。
「豆餅の豆の代わりに昆布が入ったものを想像して下さい。そりゃ美味いっしょ」
と。
そりゃ美味いっしょ！
うわぁぁ。
お餅好きなんですよ。でもハイカロリーだし、食べ過ぎは消化に悪いから、子供の頃のようにいっぱい食べるわけにはいかん。
あと10ヶ月悩みます。

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