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情報☆キック
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『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS 幻影戦争 THE STAGE』開幕!

『FINAL FANTASYシリーズ』(以下、FF)初のストレートプレイによる舞台化となる『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS 幻影戦争 THE STAGE』が、2月23日、ヒューリックホール 東京で幕を開けた。(3月3日まで)

上演に先立ち、開幕直前取材と公開ゲネプロが行われ、吉田仁人(M!LK)、武藤潤(原因は⾃分にある。)、川上千尋(NMB48)、鈴木紗理奈、前川泰之が登壇した。

《開幕直前取材会》

吉田仁人(モント・リオニス役)
初主演で初アクションなので、いろいろなことが初めてだらけです。スタッフと演者全員が仲良く、和気あいあいとしながら稽古を重ねてきました。登場人物それぞれの物語が交錯していく、誰かしらに感情移入できるようなストーリーだと思うので、たくさん浸っていただければと思います。

──キャラクターを演じるにあたり意識したポイントや、自分と似ているところ、違うところは。

モントはみんなと会話をする中でヒントを得てどんどん成長していくので、僕もみんなのセリフの言い回しや、込めている思いを汲み取る努力をして、毎日みんなとコミュニケーションを取ることを意識して、モントを成長させるようにしながら稽古に臨みました。僕自身はインドアですぐに家にこもっちゃうような子だったので、モントは勇敢ですごいなと思います。

──稽古場でのエピソードは。

シュテル(武藤)は稽古場でずっと謎めいた行動をしていて、でもそれで現場の緊張がほぐれるのですごくいいなと思います。基本的にみんな仲がいいです。

──観客へのメッセージ。

FFのゲームをプレイされている方には、再現度で言ったら納得していただけるクオリティなんじゃないかと思いますし、ストーリーをまったく知らないし、ゲームをプレイしたこともないという方でも必ず誰かに共感してもらえると思います。アクションも満載で、とにかく見た後に「楽しかったな」と思っていただけるように、10日間14公演すべて100%を超える力でやっていこうと思っていますので、ぜひ楽しみにしてください。

武藤潤(シュテル・リオニス役)
FFの世界を舞台で体験できるような作品となっています。ゲームも新作(『FINAL FANTASY VII REBIRTH』)が発売されますが、舞台も熱いよ、ということを証明していきたいと思います。

──キャラクターを演じるにあたり意識したポイントや、自分と似ているところ、違うところは。

僕は一人っ子だし、王子でもないので(笑)、でも家族思いというところは似てるかなと思います。

川上千尋(マシュリー・ホルン役)
バトルが多いので臨場感あふれる舞台になっていると思います。男性だけでなく女性もバチバチに戦いますので、そこを見てもらえたら嬉しいです。

──キャラクターを演じるにあたり意識したポイントや、自分と似ているところ、違うところは。

女王にも関わらず国のため、みんなのために戦場に出る姿はかっこいいなと思います。私自身も誰かのために行動することを意識しようと思っているんですけど、なかなかできることではないと思うので、憧れる女性像だなと思いながら演じています。

──稽古場でのエピソードは。

リオニス家の4人が普段から「パパ」「ママ」「息子たち」と呼び合っていて、家族の絆が出来上がっているなと思います。

鈴木紗理奈(ヘレナ・リオニス役)
FFのすごいところは、各人物の背景がしっかり描かれているところ。生の人間の感情のやり取りを我々役者が体現して、より人物を考察できて感じられる作品になるよう頑張りたいと思います。

──キャラクターを演じるにあたり意識したポイントや、自分と似ているところ、違うところは。

ヘレナは王妃としての役割もあるんですが、やはり母親として息子たちを成長させたい、生き延びさせたいという心が垣間見えて、国を守る以上に子どもを守りたいという思いが勝つ瞬間がすごく理解できるので、そこを一番大切に演じるようにしています。自分と違うところは、王妃なので動きがゆっくりで品があるところです。

前川泰之(エルデ・リオニス役)
見どころは、衣装とか我々が身に着けている甲冑、武器です。専門のスタッフさんたちが努力と気持ちをこめて、見えないところまでこだわって作ってくれたので、僕らはこれを身に着けることでこの世界に入りやすくなったと思います。舞台上に生きた人間が立って、血の通ったキャラクターとして人生をかけて一生懸命生きている姿はみなさんに楽しんでもらえるものになっていると思います。

──キャラクターを演じるにあたり意識したポイントや、自分と似ているところ、違うところは。

リオニスの国王なので、国王たる威厳というものをどうやって表現するかということと、国の行く末を第一に考えていくうえで、自分の感情を押し殺している様を表現しなければいけないということころを意識しました。自分らしさをいかに押し殺して感情を見せずに表現していくか、そこは今回チャレンジしているところだなと思います。基本的に自分と似ているところはあまりないですが、子ども思いであるところは一緒かなと思います。

《ゲネプロレポート》
列強に囲まれたリオニスは、小国ながらも「翼ある者」に授けられた「指輪」によって一目置かれる存在だった。しかし、幾重にも交錯する残酷な運命によって、リオニスに生まれた双子の王子、モント(吉田仁人)とシュテル(武藤潤)の間に生まれた確執は、長きに渡る幻影戦争の戦端を開くことになってしまう。
争い事を好まないモントはリオニスの第二部隊を率いて戦場に赴き、父親譲りの剣の腕を持つシュテルは戦場に出ることを志願するもその願いは叶えられず、父である王エルデ(前川泰之)への不信感を募らせていく。エルデはリオニスの血を絶やさないことを第一に考えており、エルデの妻でモントとシュテルの母、王妃ヘレナ(鈴木紗理奈)はエルデのため、そしてリオニスのために尽くす覚悟を決めていた。
賊に襲われたホルン王国の王女マシュリー(川上千尋)との運命的な出会い、マシュリーを妻に迎える予定だったフェネスの王ムラガ(レイザーラモンHG)との戦い、クリスタル教の教祖サーダリー(浦野秀太)の隠された真意、謎の存在ギルガメッシュの予測不能な行動、そして双子の弟シュテルとすれ違う思い。モントは様々な人々に影響を受けながら成長していく……。

ゲームの世界からそのまま飛び出してきたような衣装やメイクと、マッピング技術により舞台上が様々な場所に姿を変えることで、FFの世界観に自然と入っていくことができるようになっている。FFの世界を表すのに欠かせないバトルシーンもふんだんに盛り込まれ、生身による迫力のアクションは見ごたえ十分だ。

様々な造形と性格を持った個性的なキャラクターが多く出てくるので、モントやシュテルといったリオニス家が物語の中心ではあるが、見る人によって好きなキャラクターや共感できるキャラクターはそれぞれに違ってくるだろう。各キャラクターの背景が緻密に設定されているので、本作の中で詳しく語られてはいないが彼らの考え方や行動に大きな影響を及ぼしている過去のエピソードなども垣間見える。

/吉田はモントの心の優しさを温かな空気感でにじませ、武藤はシュテルの屈折した思いを陰のある表情で表現している。川上からはマシュリーの王女としての気高さと強さが感じられ、女戦士のリリシュ(赤井沙希)とラマダ(清井咲希)が男たちに引けを取らない戦いぶりを見せるところも小気味よい。

王として絶対的な意思を持って行動する王エルデだが、家族への愛情ゆえに心が揺れる瞬間の人間味を前川が絶妙にのぞかせる。争い事の多い中で、妻として、母として、そして王妃としてリオニスを大きな愛で包み込む鈴木の存在感が頼もしい。

FFを知らない人でも一つの物語として楽しめるような構造になっているので、まずはこの世界観に飛び込んで、時に広大なFFの世界を俯瞰するドローンのように、そして時にミニマムな人間関係をすぐそばで見守るように、様々な視点や角度からこの舞台を楽しんでもらいたい。

【公演情報】
『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS 幻影戦争 THE STAGE』 
脚本・演出:松多壱岱(ILCA)
出演:吉田仁人(M!LK) 
武藤 潤(原因は⾃分にある。)川上千尋(NMB48)
赤井沙希 清井咲希 浦野秀太(OWV)  桜庭大翔
石坂 勇
レイザーラモンHG 姜 暢雄
鈴木紗理奈 前川泰之
奥平祐介 加納義広 工藤翔馬 熊倉 功 澤田圭佑 下尾浩章 中野貴文 横田 遼 (※五十音順)
●2/23~3/3◎ヒューリックホール東京
〈お問い合わせ〉公演事務局 https://supportform.jp/event(平日10:00~17:00)
〈公式サイト〉https://wotv-ffbe-stage.com/
〈公式X〉@WOTV_FFBE_STAGE

【取材・文/久田絢子 撮影/岩田えり】

 © SQUARE ENIX

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