
8月29日に東京芸術劇場 プレイハウスにてBunkamura Produce 2026 マルコス浄瑠璃『金閣寺』が開幕した。
自らのカンパニー〈La Veronal(ラ・ヴェロナル)〉を率い、パリ・オペラ座、サドラーズ・ウェルズ、アヴィニョン演劇祭など欧州の主要劇場で作品を発表し続けてきた演出家マルコス・モラウ。その世界初演となる最新作が『金閣寺』。
マルコスが本作で挑むのは、踊り手と人形が共演する新たな「人形浄瑠璃」。人形が生き、人間が操られる。その生きているものと作られたものが入れ替わる一瞬に宿る美を、舞台上に可視化する。
題材は、生誕100年を越えてなお読み継がれる三島由紀夫の代表作『金閣寺』。三島文学の“美と滅び”が結晶したこの物語に登場するのは、父・吉田玉幸(4代目 玉助)、祖父(3代目 玉助)より続く家系に生まれ、現代の文楽を代表する立役として活躍する吉田玉助らが遣う文楽人形。確かな技術でマルコスの独創的な身体表現に挑み、人形に新たな命を吹き込み、三位一体の至芸で文楽の可能性を拡張する。
肉体をもって〈人形〉を演じるのは、上方歌舞伎の女方・中村壱太郎。日本舞踊吾妻流七代目家元・吾妻徳陽としての一面を持ち、映画『国宝』では所作指導も務める踊りの名手が、伝統の「人形振り」を軸に踊りの根源的な姿を描き出す。
さらに三島文学の「美」と「危うさ」を体現する存在として、STARTO ENTERTAINMENTジュニア随一の身体能力を持つ末永光が出演。マルコスがその振付の理解力に驚嘆し、本作の要へと抜擢された。
さらに、壱太郎に寄り添う子方として、七代目尾上菊五郎を祖父に持つ名門・尾上家を継ぐ13歳の若き才能・尾上眞秀が、伝統と現代が交差する舞台で次世代の輝きを放つ。


また、1,200名を超える世界各国の応募者から選ばれた、ベルリン国立バレエ団、ヨーテボリ・オペラ・ダンスカンパニー、スカピーノ・バレエ・ロッテルダムなどで経験を積んだ7名の精鋭ダンサーが“黒子”として舞台の中枢を担う。
物語をひとつへ束ねる「浄瑠璃」は、竹本連中の語りに加え、カタルーニャの伝統歌唱を現代的に再構築してきたスペインの歌姫マリア・アルナルが担当。人と人形、伝統と現代が分かちがたく結び合う、新たな「人形浄瑠璃」を立ち上げる。




【コメント】

吉田玉助
マルコスの金閣寺に文楽人形遣いとしてお声を掛けていただき、良い経験をさせて頂いています。
文楽は三人遣いなので、ダンサーの動きに邪魔にならない様に、必死について行けたらと。
美が何なのか皆さまも体験してください。

中村壱太郎
マルコス・モラウさんの現場の稽古は、これまでのどんな現場よりもエキサイティングでした。共通する “体現” という言語の基で、それぞれの踊り手の特性をリスペクトしながら、それぞれが知らない未知なるセッションで他ジャンルを組み合わせる。焼け落ちた金閣寺に集いし者たちによる、凄まじく驚異的な “芸術” が、今、ここに!!

末永光
本日はお越しいただきありがとうございます。
バルセロナの稽古から始まったこの「金閣寺」は、自分にとって初めての経験や出会いに溢れていました。間違いなく、自分の中の価値観が大きく変わった時間でした。当初は本当に自分にできるのか不安でいっぱいでしたが、沢山の方々に支えていただき、こうして無事にステージに立てることを本当に嬉しく思います。

尾上眞秀
マルコスさんは世界でも有名なすごい演出家だと伺って、この舞台に出演させていただけるのが本当に楽しみでした。お稽古中大変でしたが、頑張って皆さんに付いていって、良い作品を創り上げていく一員になりたいと思っています。美を追求した作品になっていると思います。是非ご覧ください。

【公演情報】
Bunkamura Produce 2026 マルコス浄瑠璃『金閣寺』
原作:三島由紀夫『金閣寺』
演出・振付:マルコス・モラウ
脚本:ロベルト・ファティーニ
音楽・歌:マリア・アルナル
美術:マックス・グレンツェル
衣裳:シルヴィア・ドゥラニョー
邦舞振付:吾妻徳陽(中村壱太郎) 花柳源九郎
出演:吉田玉助 中村壱太郎 末永光 尾上眞秀
アキーレ・デ・フルーヴェ アダム・ラッセル=ジョーンズ エヴァン・ベスコン エドゥアルド・イグナシオ・フィソナ・カマルゴ シャケド・ヘラー チョ・ジョンイク ロレンツォ・チマレッリ
吉田蓑紫郎 吉田玉延
●8/29〜9/6◎東京芸術劇場 プレイハウス
〈公式サイト〉https://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/26_marcos/
【舞台撮影/渡邉肇】



