
つかこうへい十七回忌特別公演『熱海殺人事件』ラストメッセージのライオンチームが、一足早く2月14 日に開幕を迎えたが、続いて2月17日が初日のユニコーンチーム(出演:荒井敦史、大原優乃、横田大雅(CLASS SEVEN)、高橋龍輝)が、同日昼に、新宿・紀伊國屋ホールにてゲネプロを公開した。
物語終盤のクライマックス約30分が披露され、ライオンチームとは異なる俳優構成によって立ち上がる「もう一つの熱海」の輪郭が、濃密に提示される時間となった。
《公開ゲネプロレポート》

公開されたのは、浜辺の再現へと至るクライマックスシーン。
荒井敦史の伝兵衛は、大原優乃が演じるアイ子に扮する水野朋子とともに、横田大雅が演じる犯人大山金太郎を追い詰めていく。
荒井と高橋龍輝(熊田留吉刑事)の二人が築く揺るぎない軸はライオンチームと同様だが、ユニコーンチームではそこに若いエネルギーが流入し、舞台の質感が大きく変化する。
大原優乃の水野は、若さと儚さを併せ持つ存在として立ち上がる。
アイ子として現れる瞬間の痛切さは、技巧ではなく感情の純度によって観る者の胸を打つ。


大山金太郎を演じるのは最年少16 歳の横田大雅。
つかこうへいが亡くなった年に生まれた彼が、つか作品の犯人像を体現するという事実自体が、この舞台に特別な意味を与えている。
横田の大山は、完成された人物像というより、まだ形を持たない存在として舞台上に現れる。
その無垢さが残酷さへと変化していく過程は、作られた演技というより生成そのものだ。
ユニコーンチームの若さは、浜辺の再現シーンをいっそう生々しく浮かび上がらせていた。
なお本編では、大山の登場シーンにおいて横田が所属するグループ「CLASS SEVEN」のデビュー曲「Miss You」を歌い踊る演出が予定されている。
現代の若者の身体性がつか作品の世界と接続される瞬間も、本チームの特徴の一つとなっている。


《ユニコーンチームの「熱海」》
つかこうへいの舞台は、人間がどのようにして役割を与えられ、物語に組み込まれていくのかを描き続けてきた。
伝兵衛が大山を“犯人”へと作り上げていく構造は、時代が変わってもなお存在する社会の力学を映し出す。
つかの死後に生まれた俳優が、その物語の中心に立つとき、作品は単なる継承ではなく更新として現れる。
純粋さが過去の形式を洗い流し、新たな舞台として再生させる力を持つことを、ユニコーンチームは示している。
副題に掲げられた「ラストメッセージ」。
それは過去からの遺言ではなく、いま生成されつつある世界への問いとして舞台上に存在していた。



【公演情報】
つかこうへい十七回忌特別公演
『熱海殺人事件』ラストメッセージジ
作:つかこうへい
演出:中江功
出演
⽊村伝兵衛部⻑刑事:荒井敦史
⽔野朋⼦婦⼈警官:⼤原優乃・村⼭彩希(Wキャスト)
犯⼈⼤⼭⾦太郎:横⽥⼤雅(CLASS SEVEN)・百名ヒロキ(Wキャスト)
熊⽥留吉刑事:⾼橋⿓輝
●2/14〜3/2◎紀伊國屋ホール
2/25(⽔)・2/26(⽊)・・・・シャッフル公演(全員出演)
2/20(⾦)18:00 ・・・・⼗七回忌特別公演(全員出演)
〈問い合わせ〉Mitt 03-6265-3201(平⽇12:00〜17:00)
〈公式サイト〉http://www.rup.co.jp/
〈公式X〉@rup_produce
【舞台撮影/サギサカユウマ】



