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(雑誌『演劇ぶっく』は2016年9月より改題し、『えんぶ』となりました。)
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粟根まこと 連載200回記念インタビュー

書く時にはこのような資料写真を
撮っています、というデモンストレーション

よく続いてますよね(笑)。

演劇ぶっくも劇団☆新感線もまだ駆け出しの頃出会って33年半、とっくに四半世紀が過ぎてしまいました。忙しいときも、わりとそうでないときも、毎号いつもどおりに淡々と入稿してくださる粟根さんに感謝こそすれ、ともすれば日常の出来事の一つとして流れていきました。こちらのご無礼はさておき、今回お話しをさせていただき、そここそが粟根まことの魅力なんだなぁ〜とあらためて感じる次第であります。次回は連載300回記念でお会いしたいです。
(えんぶ編集長 坂口真人)

お互いに良かった?

──連載200回記念ということで、月並みですけど感想とかいかがですか?

粟根 33年ほどですね。よく続いてますよね(笑)。

──そうですね。僕らにしてみると雑誌がこんなに続いたのが奇跡的ですが。劇団☆新感線が続いたっていうのもね、お互いに、まあ今や大劇団☆新感線になってますけど。

粟根 いやいや(笑)。

──お互いに良かったねっていう部分ではあります。

粟根 確かに。

──この連載をお願いしたきっかけみたいなことのは覚えてます?

粟根 演劇ぶっくの新感線特集コーナーに僕の手書きのイラストを描くっていう企画があって、稽古場日記のようなルポを書かせていただいて、その流れだったんじゃないかなと。

──その前にもいろいろ新感線ネタでお世話になってるんですよね。

粟根 下北沢の本多劇場の側の喫茶店で打ち合わせをしたのを覚えてます。

ギャラって当時から・・・

粟根 連載始まったのって雑誌ができてしばらくしてからですよね。

──そうですね。6、7年経ってからですね。1回目は1992年の12月号ですね。

粟根 新感線がちょっと人気出始めたころで、それで呼ばれたのかなと思ってました。

──もちろんそうですけどね。 単発の企画で描いていただいていて、これは続いていったら面白いのかなっていうのが僕らの中にはあったかもしれないですね。

粟根 何しろその頃は何の仕事もないし、新感線も当時はギャラが出ないので定収入があるのが嬉しかったですね。

──そういえばギャラって当時から全然上がってないですよね。

粟根 そうですね。

──もう三十年上がって、

粟根 ないと思います。はい。

粟根さんの活動記録?

──連載100回目の取材の時に、よく100人知り合いがいたっておっしゃってました。

粟根 もう2倍になりました。

──大変な数ですね。

粟根 そうですね。 知り合いっていう言い方をしてまして、 友達はそんなにいません。基本的にはいま共演している人、少し前共演した人を中心に書かせていただいています。

──ある意味粟根さんの活動記録みたいなものですね。人気のある方だけではなくてスタッフさんとか、えっ、この人みたいな方もいて、それはそれで嬉しいですよね。 そこら辺の目配りはどうしてるんですか?

粟根 2回に1回ぐらいはみんなが知ってる人みたいなことを言われてるんですよね。

──それ僕らが言った。

粟根 はい、毎回スタッフは困ると。2回に1回ぐらい、新感線を見るような人なら知ってそうな人っていうオーダーでした。

──それはまあ編集者としては適切なお願いですね(笑)。

粟根 適切です。第1回目がいのうえひでのりで、2回目にいきなり久保克司さんというすごくお世話になったスタッフさんを書いてます。

共演した人やお世話になった人を書く

粟根 2回に1回いいんだって思ったので、初めの頃は書きたい人から書いていってますね。

──途中からだんだん意識は変わっていってるんですか?

粟根 はい。基本的には2回か3回共演して、この人面白いなと思った人を書くようにしています。 1回の共演だけだと割と一面だけになっちゃうので、できれば何回か共演した人やお世話になった人を書こうかなと。

──なるほど。そういう意味ではスタッフさんとかは割と分かりやすい。

粟根 いまは共演してる人が中心ですね。 初めの頃はこんなに長く続くと思ってないから、描きたい人がたくさんいました。中島らもさんとわかぎえふさんの時とかは、稽古場に行って取材させてくださいとお願いして取材してるんです。 別に自分は出演してないのにね。そういうのが初期の頃はありますが、後半はもうどんどんいま共演してる人ですね。

──共演中だとアプローチしやすいですね。

粟根 全然相手の気持ちも違うと思うんですよ。 特別の取材っていう風になると、やっぱりちょっと違った形になるかもしれませんね。いまはこの形がいいんじゃないかなというふうに思っています。

 個性的な顔の人がもちろん描きやすい。 で、描きにくいのは女優さんなんですよ。昔からよく知っている女優さんだと、ちょっとおもしろにデフォルメして描いたりできるんですが、ゲストで来られる芸能人系の方を描かせていただく時にデフォルメしにくいんですよね。 なのでそれが難しいです。 毎回困ります。

──似顔絵ってこう、おっ、ここが変だなみたいなとこも入れ込んで、込みで似顔絵っていう風になると思うんですけど、粟根さんの場合はあんまりそこんところを踏み込まないで上手に描かれていると思うんですよ。

粟根 結果似てないんですよね。

──いやいやいや。

粟根 古田新太くんや高田聖子さんが描く似顔絵って、ものすごいデフォルメが効いていて、すごく似るというか見て面白いんです。僕のはまあそこそこ似てるけど面白くはないっていう似顔絵が多いのですが、やっぱりデフォルメあんまりしないからですかね。 顔とかも極端な表情では描かないですしね。

──そうですね。

粟根 なんていうか、楽屋で僕が見ている姿を描いているので、芸能人系の人はイメージがそぐわない可能性があります。 楽屋ではこんな感じだけど、表に出るとちょっと別のを纏っている方が多いので。

──この人にこんな面があったのっていうね、文章も付いていますから合わせて読むと意外な面がたくさんあっておもしろいですね。

粟根 書くときに毎回ちょっと褒めてちょっと貶しますって言ってるんですけど、あとはマネージャーさんに見ていただいてチェックをお願いするんですが、まあ大体修正ないんですよ、恐ろしいことに。特に芸能人系の方は毎回ドキドキしながらこんなこと書いてますけどいいですか?と思いながらチェックに出すんですけど。明らかな間違い、僕の認識違い以外は修正されたことがないです。

──結構突っ込んでるところもありますね。

粟根 特に僕は役者だということもあって、共演者が書いているというフィルターがあるので。これが記者の方が書くと、またその言い方がちょっと問題になりがちみたいなことあると思いますね。共演者がこんな風に見ましたっていう書き方をすると、まあ 許してくれる感じはあるんじゃないかなと。

──相手の方をちゃんと理解して書いていらっしゃるっていうことなんですね。

粟根 まあ、ひどいことは書きませんが、ちょっと意外な一面をどっか入れたいなとは思っているので、これは許されるだろうなぐらいのオブラートで。

──読者の方はそのオブラート加減をたのしんでいただいていると思います。

粟根 そうだとうれしいですね。

 

PROFILE

粟根まこと
あわねまこと│64年生まれ、大阪府出身。85年から劇団☆新感線へ参加し、以降ほとんどの公演に出演。劇団外でも、ミュージカル、コメディ、時代劇など、多様な作品への客演歴を誇る。えんぶコラム「粟根まことの人物ウォッチング」でもお馴染み。

【出演予定】
劇団☆新感線「アケチコ!」
【東京公演】
6/12〜7/12◎EX THEATER ARIAKE
【福岡公演】
7/24〜8/8◎キャナルシティ劇場
【大阪公演】
8/20〜30◎フェスティバルホール