
夏羽がもらった人生の光を
皆様に届けられることを目指して!
全世界で累計800万部を突破して愛され続けている、藍本 松によるコミックス『怪物事変』(けものじへん)が、舞台「怪物事変」-東京編-として初舞台化されることになった。地元で疎まれながら暮らしていた13歳の少年・夏羽(かばね)。人と屍鬼(クーラー)と呼ばれる怪物(けもの)との間に生まれた半妖の子である彼が、怪異現象を扱う探偵・隠神と出会い、彼の助手として東京の探偵事務所で働きながら、様々な事情を抱える仲間たちと友情を育み、成長していく物語だ。そんな作品で主人公・夏羽を演じる富本惣昭が、作品に臨む想いを語ってくれた。
その場その場できちんと感情を動かして
──TVアニメ化もされた大人気作品ですが、まず原作に対する印象はどんなものでしたか?
シンプルにすごく面白いなと思いましたし、展開がポンポンとテンポ良く進んでいく作品なので、次は何が起こるんだろうと、ワクワクしながら読んでいました。
──その作品で主演ということになった、いまの気持ちはいかがですか?
大好きな作品で主演をさせていただけることが純粋にとても嬉しいです。その分プレッシャーもありますが、皆さんに良いものをお届けできるように頑張りたいです。
──舞台版の台本についてはどんな印象を?
原作そのままの掛け合いがたくさん出てきて、とてもイメージしやすい台本だなと思いました。読んでいてパッと情景が浮かびますし、キャラクターが話している感覚もそのまま想像できたので、共演の皆様と実際に台詞を交わせるのが、いまからとても楽しみです。
──演じる夏羽役についてはどうですか?
本当に純真無垢で世間のことは何もわかっていないのですが、それでも自分のなかで、命のやりとりに対するルールはしっかり持っている子なんですよね。生き物に対する熱さ、信念があるのが夏羽の魅力のひとつなんだなと感じています。自分の人生に灯りをともしてくれた、探偵の隠神さんをはじめ、探偵事務所のメンバーとの交流を大事に演じたいです。共演の皆さんが多くの経験を積まれている先輩方ばかりなので、お一人おひとりからたくさん吸収させていただけたらと思っています。
──少年と言える年頃ですが、その点については何か意識されますか?
やはり、大人びないことが大切かなと思っています。相手からもらったものをとても大切にして、素直に受けとめる力が夏羽にはあるので、台詞はきまっているのですが、その時初めて受けたものを聞いて、きちんと感じて答える、その場、その場で感情を動かすことを大切にしていきたいです。
ひとつひとつの積み重ねを大切に
──実際に夏羽の扮装をしていかがですか?
もうワクワクです! 衣裳さん、ヘアメイクさんなどスタッフ皆様のご協力で、こうして夏羽になることができるんだなと改めて思いました。早く皆様にもこの姿を見ていただきたいです。
──富本さんは、昨年出演された海外戯曲のストレートプレイ『リンス・リピート』での演技も素晴らしかったですが、戯曲ひとつから立ち上げていく作品と、今回のような原作漫画がありアニメにもなっている、決まったビジュアルがすでにある作品とでは、ご自身の取り組み方に違いは感じますか?
やっぱりメディアミックスで展開されている作品は、役柄に対するヒントがたくさんあるので、創りやすい部分はあります。それはすごくありがたいですね。一方で『リンス・リピート』の時には、まず海外の戯曲なので、そもそも文化が違うんだ、ということをすごく感じました。そこから理解しないと役の根源を辿っていくことができないので、とても難しかったです。でもすごく良い経験でしたし、演じることはどちらの場合でも好きで、楽しいです。
──そうした経験を経たことで、ご自身に変化は感じますか?
それはすごくあります。やっぱり一つひとつの仕事をさせてもらう度に、自分も成長させてもらえるし、ものの見方も変わっていっていると思います。実際に僕は、以前に演じた作品の台本を時々読んで、動画も観るのですが、自分でもひどいなって笑っちゃうことがあるくらいなんですよ(笑)。もちろんその時々の精一杯で演じているので、それが当時の自分にとっての正解ではあるんですけど、いまだったらもっとこうするのに、というものがたくさん見つかるので。
──それはつまりどんどん成長している、ということですよね?
そうなのかなと思えるので、折々に振り返って、よし次の仕事も頑張ろうと思います。積み重ねていくことは本当に大切なんだと感じています。
──そうした積み重ねのなかで心がけていることはありますか?
普段から人をよく見ることは意識しています。周りの人や関わる人を理解しようとする気持ちを強くもっています。人間観察というとまたちょっと言葉が違うのですが、人をちゃんと知りたいし、知ろうとしたい。それは常に意識に置いています。
──素晴らしいですね。そんななかで、今後ここを目指していきたいなどの夢やビジョンはありますか?
ひとつの目標としては、富本惣昭が出るなら観に行こうかな、と思っていただけるような俳優になりたいと思っています。映像や舞台に限らず、お客様からの信頼を得られる役者を目指していきたいです。あとはやってみたいのが、ミステリーやサスペンス系のお芝居です。観ていても、本を読んでもすごく面白いので、いつか挑戦できたらと思っています。
──シャーロック・ホームズものや、アガサ・クリスティの作品などもたくさん上演されていますので、めぐり逢われる日に期待しています。まずはこの舞台『怪物事変』-東京編-を楽しみにされている方たちにメッセージを。
この作品には友情もありバトルもあり、人と人が助け合って成長していく物語だと思っています。観ていただいたお客様があとから舞台を振り返ってくださった時にも、そんな物語を感じて楽しい気持ちになっていただけたら嬉しいですし、そんな作品にできるように頑張っていきたいです。夏羽が人生の光を教えてもらったように、僕たちも観てくださるお客様に光を届けられるよう精一杯務めますので、是非観にいらして下さい!
プロフィール
とみもとそうしょう〇東京都出身。近年の主な舞台作品にミュージカル「テニスの王子様」、迷宮歌劇『続・美少年探偵団』、Action Stage『エリオスライジングヒーローズ』、『リンス・リピート ーそして、再び繰り返すー』、『飛龍伝』などがあり、8月に映画『ブルーロック』の公開が控えている。
(このインタビューは雑誌「えんぶ」2026年8月号より転載)
インタビュー◇橘涼香
公演情報

舞台『怪物事変』東京編
原作◇『怪物事変』藍本 松(集英社「ジャンプSQ.」連載中)
総合演出◇毛利亘宏
脚本・演出◇鄭光誠
出演◇富本惣昭 和泉宗兵 田中尚輝 大見拓土 大湖せしる 國島直希
遥 りさ 弦間哲⼼ 石飛恵里花 大滝 樹 松井勇歩 山川ありそ 他
9/17~27◎シアターH
〈問い合わせ〉https://www.kemonojihen-stage.com/




