【みょんふぁの気になるわぁ〜】第9回 韓国戯曲ってどこで読めるの?〜日韓演劇交流史エトセトラ〜

ところで皆さん、
韓国演劇ってどこに行ったら見れるの?
韓国戯曲はどこで読めるの?

お隣の国韓国。
羽田―金浦は片道2時間半。

そりゃ行ってしまうのが早行っちゃあ早いですが、
とは言え、言葉の問題が大きいですよね。

でもって、コロナも明け、規制が外れて自由に往来可能になってきてるとは言え、
まだまだ飛行機がめっちゃくちゃ高いらしい💦

コロナ前はJALとかANAでも、よっぽど人気の時間帯を除けば往復40,000円代もあったのですが、今は10万近いとか。。。

でも、成田―仁川航路なら格安チケットも頑張ってきてはいるみたいです。
(一時期は往復8,000円とかのチケットもあった!円安も含め日本の弱国化をひしひしと感じるw)

さてさて、
今は交流も盛んな日本と韓国。
もちろん昔から仲良しなわけではありません。
(今も政治に振り回されているのが現状)

今日は、日韓の演劇交流について簡単に駆け足でご紹介します。
・・・簡単な日韓文化の背景も。

今でこそ、K-POPの人気に始まり、日韓コラボなど韓国ブームはものすごい勢いですが、
もちろん戦後はそんなわけにはいきませんでした。

とっとと結論から言うと、なんと、なんとなんと!
正式には、2004年まで、日本の音楽などの輸入は禁止されていたのです。
たった20年前ですよ!!

え? そりゃもちろん闇はいっぱいありました(笑)
路上で、長渕剛の音楽が流れ、
違法のカセットテープやC Dが並んでいる光景はそこかしこ。

文化交流はと言うと、

1998年、小渕首相と金大中大統領が、「21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ共同宣言」で、日本文化解放方針が発表し、相互文化の解放や紹介が大きなスタートを切ったわけです。

これもほんの少し前ですよね。

あの最初の韓流ブーム、冬のソナタは2002年。
日韓ワールドカップもあり、日韓の関係は急に近づきます。

逆に言うと、
公式のメディアや興行的なものの解放はこれまではなかったと言うことです。

が!しかし!

さすが演劇!
体と体の交流です。

こんな社会背景の中でも、友情が友情を産み、
1970年代には既に水面下で交流を深めておりました。

1972年の唐十郎率いる状況劇場がソウルで『二都物語』を上演。
同時公演として、金芝河の『金冠のイエス』も上演されました。
これは戒厳令下での無許可ゲリラ公演です。
韓国当局に逮捕された金芝河は、危険を顧みず、唐さんが日本に帰国できるよう助けたと言う
有名なエピソードがあります。

これが実質の現代演劇交流の始まりでした。

その後の70年代は、日本の劇団『昴』の韓国公演、韓国の劇団『自由』による日本公演、
また韓国演劇協会と日本現代演劇協会が、日韓演劇交流の出版について韓国政府当局に掛け合うなど、交流の裾野を広げる活動が活発に行われつつありました。

とは言え、驚くなかれ、

この頃の韓国はまだ夜間通行禁止令というものがあり、
夜12時〜朝4時までは戒厳令が敷かれていました。

深夜12時になるとサイレンが鳴り、あちこちに鉄製のバリケード設置、装甲車が出動、
「通禁(トングム)」と叫ぶ夜警団が違反者を取締り、逮捕されたものは罰金のみならず、
裁判にまでかけられていたのです。

この戦後から続いた夜間通行禁止令、
1982年1月まで続きました。

これまたついこないだじゃんっ!!

そう、こんな中でも演劇の草の根交流は続いていたわけです。

韓国の民主化宣言は、1987年。
1988年にはソウルオリンピック。

ここから韓国は急激に成長を進めるわけですね。

演劇交流では、
1992年に、日本演出者協会が『日韓演劇人会議』を立ち上げ、
会議やシンポジウムなどを通じ、相互の理解を深める場作りをスタートしました。

そして、2000年。

演出者協会や劇作家協会、評論家協会など各7団体から出向し、
日韓演劇交流センターを立ち上げます。

2002年には、韓国で韓日演劇協議会を設立。

お互いがカウンターパートナーとして、
両国の戯曲や演劇事情を広め合うべく、戯曲翻訳やリーディング公演、シンポジウム、ワークショップなどを継続的に開催してきました。

日韓演劇交流センターの主な事業は、
相互の戯曲を翻訳して紹介すること。

2000年に日本での出版を皮切りに、
以降、隔年で交代しながら、翻訳戯曲集の出版とリーディング公演を行なってきました。

(2023年1月の座・高円寺でのリーディング公演)

一冊に5作品の翻訳戯曲を収録。

(ロビーで戯曲集の販売風景)

20年で日韓それぞれ50作品が相互の言語に翻訳され、出版されています。

また収録戯曲のうち、2〜3作品のリーディング公演を行い、
演出家や俳優などの若手育成の場にもなっています。

更に、紹介された戯曲から多くの作品が各国で本公演まで発展し、
センターの手を離れて、民間レベルでの交流につながって行ってるのです。

2020年に、20年の節目を迎えた日韓演劇交流センターは
一般社団法人となり、組織を新たに、ネクストステップとして
これまでの事業を引き継ぎ、また、更なる育成に繋がるべく、間口を広げて、
新たなチャレンジへ取り組んだりしています。

(韓国メンバーと今後のミーティング風景)

ちなみにおいら、
この(社)日韓演劇交流センターの副会長でございます(笑)

で、ですね、

長くなりましたが、

何が言いたかったかと言うと、

日韓演劇交流センターに韓国現代戯曲集というものがあるので、
韓国戯曲にご興味ある方は、ぜひホームページを覗いてみてくださいませ。
https://tckj.org/

物故者から現代作家まで様々な戯曲を紹介しています。

演劇は時代を写す鏡。

まさにその言葉通り、出版された年と作品を見ると、当時の背景なども浮かび上がり、
とても興味深いです。

私も、数作品の翻訳をしています。
そして!

実は2019年に出版され、世田谷パブリックシアターでリーディング公演をして、
私の翻訳『アメリカの怒れる父』が、
ワンツーワークスさんによって、
10月26日から下北沢駅前劇場で上演されます!

韓国の作家チャンウジェさんも来日し、28日(土)にはマチネ終演後、
アフタートークも開催します^^。
通訳で同席します。

ちなみにおいらのアフタートークは31日(火)終演後。
ご注目くださいな。(下記、チラシ添付しますw)

ムフフ、

最後、宣伝になっちゃいましたが(笑)、

とにもかくにも、
ぜひ韓国戯曲、読んでみてもらえると嬉しいなと♫

個人的に、出版されていない翻訳戯曲もたくさんあるので、
もしご興味ある方はSNSなどででもご連絡くださいな。

たっくさんの人が、当たり前に韓国の戯曲や演劇に触れて、
あったりまえに合同制作ができるといいなと。

もうそんな時代だなと^^

ちなみにおいら、翻訳者としては、本名の洪明花(ほん みょんふぁ)で活動しております。

みょんふぁ出演情報

●ワンツーワークス『アメリカの怒れる父』 @駅前劇場 2023/10/26-11/5

●みょんみょんの韓国語教室
女優みょんふぁと一緒に遊びながら韓国語をマスター
진짜 좋아요!(チンチャ チョアヨ)めっちゃ素敵!

著者プロフィール

みょんふぁ
女優やナレーション・司会業を中心に、日韓の通訳翻訳や戯曲の紹介など公演のプロデュースも行う。
在外研修で韓国国立劇団に留学、韓国デビューし、小田島雄志翻訳戯曲賞受賞。
現在、日韓演劇交流センター副会長。
映画・舞台・ドラマなど多数出演。昨今は日韓合同制作作品にも多数出演。
日韓交流の拡大化のために母体となるSORIFAを設立し、代表を務める。

●Youtubeチャンネル みょんふぁ(SORIFA)チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCI2ITpnZzwAlruYJ6eVCNwA

●HP〜花笑み時間〜
https://myonpappa.amebaownd.com/

●ブログ〜遊びをせんとや生まれけむ〜
https://ameblo.jp/myonpappa

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