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情報☆キック
株式会社えんぶ が隔月で発行している演劇専門誌「えんぶ」から飛び出した新鮮な情報をお届け。
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(雑誌『演劇ぶっく』は2016年9月より改題し、『えんぶ』となりました。)
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【ノゾエ征爾の「桜の島の野添酒店」】No.133「うおーきん」

新国立劇場「デカローグ」に参加させていただくにあたり、さて、初台までどう通おうか?といくつかの選択肢がある中で(これまでは基本的に自転車)、今回は俳優での参加ということでセリフ練習も兼ねて、徒歩なんてどうだろうか?と思い、所要時間を検索してみると約1時間とでた。
少し長いように感じながらも、まず稽古初日歩いてみた。
台本を読みながらだと、なんともあっという間で、かつ、程よい運動で気持ちも随分と落ち着くではないか。汗も軽くかいて、ちょうどいいウォーミングアップになっている。往復2時間、長いようでいて充実した時間になることを得られて、これは最高かもしれないぞ?と思い数日歩いていたところ、
ふとある日、足がちょっと痛いことに気づいた。
なるほど、我が足元は、ザ・スニーカーではないか。運動寄りというよりシティ寄りの。徒歩で言えば、片道20分程度がちょうどいいかなくらいの。
歩くからといってウォーキングシューズを履くというのは、何かどこか少し恥ずかしいような気持ちがあったのだけど、これから一月半、毎日往復2時間歩いていては、我のシティ系シューズたちは全部ぶっ壊れてしまうかもしれない恐怖心と、足に痛いマメができたりしたらすごく嫌だな、などといった理由から、さっくりとウォーキングシューズなるものを購入してみた。
見た目はまあ、ウォーキングシューズでしかないようなもので、気分が上がりも下がりもしない。
それで、履き心地はというと。
餅は餅屋とはよく言ったもので、まあ、とても、驚きました、歩き心地の快適さに。
1時間のところ、50分くらいで着いてしまうような気がするし、足などへの負担もないに等しい。
さて、それから一月以上経って、舞台も無事に開幕して、今はどうしているかというと。
歩いています。
雨の日も、ちょっと酒の入った日も、歩いています。
なんか、気持ちいいのです。
稽古や本番に行く前、終わった後に、一人で歩くこの1時間が、とっても贅沢で大切な時間となりまして、はい、今後、例えば徒歩15分とかで着いてしまう稽古場などは、どうしよう?どう遠回りして1時間歩けるだろうか?と今から少し考え始めている。
ちなみに25億円盗んだとされる人の1万9千回にもおよぶ賭け事は、時間に換算するとどれくらいだったのだろうか? そのうちの1日1時間でもウォーキングに回せたら、気持ちも賭け回数も多少はマシになっていたのではないかと、まあそれはどうでもいいか。

著者プロフィール

ノゾエ征爾
のぞえせいじ○1975年生。脚本家、演出家、俳優。はえぎわ主宰。青山学院大学在学中の1999年に「はえぎわ」を始動。以降全作品の作・演出を手がける。2011年の『○○トアル風景』にて第56回岸田國士戯曲賞を受賞。

【次回予定】
・新国立劇場「デカローグ」
デカローグ1への出演。
2024年4月13日より、新国立劇場・小劇場にて
https://www.nntt.jac.go.jp/play/dekalog/

▼▼前回の連載はこちら▼▼
https://enbutown.com/joho/2024/03/22/nozoe132/

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