2026年の私の舞台二本目はプロジェクトKUTO-10「三大劇作家の世界大冒険」です。つい先日に劇団ホチキス「ベイビーブラフ」が終わったと思ったのに、もうすぐに本番が始まってしまいました。いや、とにかく舞台が続くことは幸せですので何の不満もないのですが、大阪稽古からの大阪公演ですので長らく東京に戻れてなくてちょっと困っています。ほら、自前の衣裳とかも調達できないしさ。
さて、前回は小劇場に於ける移動距離の短さについて語りました。大劇場だと楽屋から舞台までが遠いんだけど、小劇場だと楽屋と舞台が近くで楽だって話です。まあね、これまでにも小劇場ならではの面白さなどを書いてきましたが、今回はその「小劇場」そのものについて書いてみたいと思います。
前回の「ベイビーブラフ」では久しぶりに小劇場に出演して楽しかったと書きましたが、いやもちろん実際に楽しかったのですが、この「小劇場」の定義を定めようと思うと意外と難しいのですよ。まあね、一般的には1200席以上の劇場を大劇場、1200〜400席の劇場を中劇場、400席以下の劇場を小劇場と呼んでおります。その区別については諸説あるとは思うのですが、個人的にはこんな感じかなとか思っております。その線引き自体に意味はありませんし、客席数だけじゃ無くて舞台面の広さなども関係してくるのでややこしいところですが、まあザックリとそんな感じかなと思っております。
でね、そんな感じで大雑把にサイズ分けが成されているのですが、その大中小のなかでも色々と違いがあると思うのです。例えば単純に客席数だけで話しますと、大劇場の1500席と1300席ではそれほどの差はありませんが、小劇場の300席と100席では大きな差が出てくるように思うのです。
先日の「ベイビーブラフ」では350席ほどの劇場のツアーでしたが、今度の「三大劇作家の世界大冒険」では100席足らずの劇場ツアーなのです。ザックリ言って三倍以上の差があります。つまり、同じ200席の違いでも、1500〜1300の違いよりも300〜100の違いの方が割合が大きいってコトですよ。87%になるのと33%になる違いと言えば判りやすいかもしれません。
要するに、同じ「小劇場」といいましても300席と100席では大きな違いがあるんだよってコトです。例として、本多劇場と、今回の大阪公演会場であるウイングフィールドをザックリ比較してみましょう。
まずね、客席が狭い。舞台から客席一番奥の席までの距離が近いんです。本多劇場の半分くらいしかありません。もちろん客席の横幅も半分くらいです。つまり客席の面積が四分の一くらいしかありません。さらに天井も低いですよ。普通のビルの一階分しかありませんから。
そして舞台も狭いのです。芝居に使えるアクティングエリアは本多劇場の六分の一くらいしかありません。舞台ソデは上下ともに1mも無いし、裏通りに至っては50cmくらいしかありません。そりゃそうだよ。雑居ビルのワンフロアを劇場にしているのですから。全てがカツカツです。ギリギリです。
東京でいえば新宿シアタートップスとか下北沢の小劇場B1とか新宿御苑前のサンモールスタジオなどが80〜150席のキャパシティで同様の感じです。
このね、狭い感じが「ザ・小劇場」という感じで良いのですよ。久しぶりに純小劇場でやってみて気付いたことの一つに「熱い」というのがあります。何しろ天井が低い。ですので吊ってある照明が近い。もろに照明を浴びるものですから熱くて暑いのです。手が届くような真上から自分を狙っている照明を浴びていると頭が焦げそうなくらいに熱いのです。客席だって暑いと思います。冬場でも冷房を入れるくらいに暑いのです。
他にも、舞台面が低くて客席と同じ高さだとか、とにかくソデが狭くて居場所がないとか、楽屋も狭くて居場所がないとか、小道具や衣装の置き場に困るとか、トイレや洗面台が少なくて取り合いになるとか、客席も狭くてギュウギュウだとか、イスだって小さなパイプイスで座りにくいとか、場合によっては桟敷席で体育座りで見なきゃいけないとか、まあそれはそれはたくさんの「小劇場あるある」があります。
でも、そんなに不便なのに、小劇場には小劇場でしか得られないような面白みがあるのですよ。その面白みについては、まあまた今度書きましょう。とにかく今は60〜80席の純小劇場ツアーを楽しみたいと思います。

今回の大阪稽古中に、久しぶりにかつて実家があった阪急豊中駅あたりも歩いてみましたよ。

粟根まこと
あわねまこと│64年生まれ、大阪府出身。85年から劇団☆新感線へ参加し、以降ほとんどの公演に出演。劇団外でも、ミュージカル、コメディ、時代劇など、多様な作品への客演歴を誇る。えんぶコラム「粟根まことの人物ウォッチング」でもお馴染み。
【出演予定】
プロジェクトKUTO-10「三大劇作家の世界大冒険」
【大阪公演】
3/3〜9◎ウイングフィールド
【山形公演】
3/13〜15◎山形市民会館
【東京公演】
3/18〜22◎小劇場B1





