南座「三月花形歌舞伎」扮装写真公開！

南座では3月2日～24日まで「三月花形歌舞伎」を上演する。
公演に先駆け、中村壱太郎・尾上右近・中村隼人の活躍目覚ましい花形俳優の三名が、それぞれ初役にて挑む『将門』『河庄』『女殺油地獄』の扮装写真が公開された。

中村壱太郎が勤めるのは、『忍夜恋曲者 将門』の傾城如月実は滝夜叉姫。
妖しくも惹きつけられる美しさと、意味深長な表情からは、滝夜叉姫の強さが垣間見える。本作は、華やかで美しい踊りや派手な立廻り、最後には屋体崩しと呼ばれる大掛かりな道具で大蝦蟇を従えて登場するなど、スペクタクルに富んだ舞踊劇。舞台と客席が近い南座ならではの空間で、迫力を感じていただける作品となるはずだ。

また、滝夜叉姫と対峙する大宅太郎光圀役を、松プログラムでは中村隼人、桜プログラムでは尾上右近が、それぞれ演じる楽しみもある。

今年が近松門左衛門歿後 300 年にあたり、尾上右近と中村隼人が勤めるのは、いずれも近松門左衛門ゆかりの作品となる。
尾上右近が勤めるのは近松門左衛門の作品の中でも特に芸術性が高いとされる『心中天網島』を素材にした『河庄』の紙屋治兵衛。〈松プログラム〉
扮装写真からは、契りを交わした女性から約束を破られたと思い、前途を閉ざされた男の悲しいさまが漂う。
今回、中村鴈治郎指導のもと、紙屋治兵衛を勤める右近。そして、粉屋孫右衛門を隼人、紀の国屋小春を壱太郎と三つ巴で、上方和事の世界観を体現するとあって、期待が集まっている。

中村隼人が勤めるのは近松門左衛門の作品の中でも初演からしばらく上演されなかったという逸話をもつ『女殺油地獄』の河内屋与兵衛。〈桜プログラム〉
憂いを帯びた目つきで油樽を手に持ち、影を背負った姿は、のちに起こる悲劇を予感させる。片岡仁左衛門が監修を勤め、豊嶋屋七左衛門に右近、お吉に壱太郎という清新な配役で上演する。若者の心理や親の情、殺しの場面など、繊細な心理描写が胸を打ち、片時も目を離せない。

毎回、南座の「三月花形歌舞伎」は、歌舞伎の古典作品を上演し、これまで歌舞伎を観劇したことがない人も、歌舞伎好きの人も、“歌舞伎”を満喫してもらえるよう、趣向を凝らしている。今回も、それぞれカラーの異なる 3 作品により、歌舞伎の多面性を楽しめる。中村壱太郎、尾上右近、中村隼人という活躍著しい、次代を担う 3 名による公演に注目したい！

チケットは 2 月 9 日（金）午前 10 時より、チケット Web 松竹、チケットホン松竹ほかにて発売開始。南座の公式 X（旧 Twitter）、Instagram でも様々なコンテンツを公開予定。

【公演情報】
南座「三月花形歌舞伎」
2024年3月2日（土）～24日（日）
午前の部　午前11時～
午後の部　午後3時30分～
【休演】7日（木）、14日（木）
〈南座公式サイト〉https://www.shochiku.co.jp/play/theater/minamiza/　
〈公式X〉 @kyotominamiza
〈南座公式 Instagram 〉@kyoto_minamiza_theater
〈歌舞伎美人〉 https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kyoto/play/854