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(雑誌『演劇ぶっく』は2016年9月より改題し、『えんぶ』となりました。)
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演出・藤田俊太郎×主演・小瀧望『うま-馬に乗ってこの世の外へ-』開幕! 

PARCO劇場にて7月8日、PARCO PRODUCE 2026『うま -馬に乗ってこの世の外へ-』が開幕した。東京公演は28日まで。8月6日~12日には大阪・SkyシアターMBSにて上演する。

本作は、2022年3月に人気番組『開運!なんでも鑑定団』(テレビ東京系列)を通して発見され、井上ひさしが「井上ひさし」を名乗る前の1959年、24歳の時に執筆した作品。
東北の民話「馬喰八十八」(ばくろうやそはち)をベースとして構築された戯曲で、マレビトである主人公・太郎が、病身の母親と馬を一頭連れて村にやってくる。馬地主をはじめとする村の男たちを騙して金をとことん巻き上げていき、出会う女は 全て虜にして捨てていく…。自らの弁舌と才覚だけを信じ、信仰も否定するという胸がすくほどの極悪ぶりで、閉鎖的なムラ社会と常識を破壊していく様が描かれている。若々しい筆の勢いと生命力に溢れ、のちの井上の名作に繋がる創意に満ちた痛快な作品となっている。

本作で、周りを魅了していく極悪人・太郎を演じるのは、人気グループWEST.での活動だけでなく、俳優としても舞台『エレファント・マン』で20年度読売演劇大賞・杉村春子賞を受賞し、昨年の『梨泰院クラス』でも評価が高い小瀧望。今回、初の悪役、初の井上ひさし作品への挑戦となる。

そして太郎に翻弄される村人たちには、音月桂、加藤梨里香、大鶴佐助、小松利昌、小林きな子、小柳心、尾倉ケント、森加織。さらに安井順平、梅沢昌代といった個性豊かな実力派が集結した。

演出は、パルコ・プロデュース『ラビット・ホール』と東宝ミュージカル『ラグタイム』で23年度読売演劇大賞の最優秀演出家賞と大賞に輝いた藤田俊太郎。自身の出身地である東北を舞台にしたこの井上ひさしの原点ともいえる戯曲を、現代的な眼差しをもって演出している。

藤田俊太郎 音月桂 小瀧望 梅沢昌代 安井順平

その開幕前会見と公開ゲネプロが開催された。演出の藤田俊太郎、出演者の小瀧望、梅沢昌代、安井順平が登壇した。

【コメント】       
藤田俊太郎[演出]
ここまでキャスト、スタッフ、カンパニー一同稽古を積み重ねてきました。
様々な趣向と創造力を駆使して創作した作品です。皆さんに自信を持ってお贈りできる事を幸せに思っております。
僕自身、(作品の舞台と同じ)東北の秋田県出身なので小さい頃から親しんでいる環境です。敬愛する井上ひさしさんの未上演作品に挑戦できることはこの上ない喜びです。
言葉、物語を大事にエネルギーに溢れた作品に新しい気持ちで取り組みました。もし井上ひさしさんに実際に観ていただけたら楽しんでいただけるのではないかと思っています。
小瀧望さんは、身体的にも思考的にもアイデアを持っている方で、稽古場では小瀧さんのアイデアに音月さんがさらに違う視点で切り込んでくださり、それを梅沢さんががっしりと見て全体を受け止めてさらに深い愛で作品を包み、そこに安井さんが違った角度で僕に切り込んできました。カンパニー全員で創作し、どんどん作品が上昇していく良い稽古場でした。
皆さんのことももちろん尊敬していますが、稽古を通して【演劇人 小瀧望】を尊敬しています。
この作品の中には、喜劇に見せかけた悲劇や、悲劇に見せかけた喜劇がたくさんあって、村という共同体を善き者が変化させるのではなく、太郎という悪なる者が変えていく様が、芝居のどこに潜んでいるのか、その仕掛けをお客様に楽しんで発見していただけるように作品を演出しています。お客様には劇場にお越しいただいて、大いに泣いて大いに笑っていただけたらと思っています。

小瀧 望[太郎 役]
この作品は井上ひさしさんの若かりし頃の荒々しさみたいなものがどこか残っていて、この物語の時代の言葉に、すごく現代っぽい言葉も入り混じっていて役者たちは非常に悩みましたし、苦しみました(笑)。テーブルワークから始めて、「(井上先生が)何を描きたかったのか?」と日々役者同士で意見を出し合って、なんとか井上先生に食らいつきました。皆さんと台本を読んだとき、こんなにもこの作品はコメディなんだということを感じて、悲惨なシーンも中にはありますが、軽快な会話を滑稽に思って楽しんでいただけたらと思います。
藤田(俊太郎)さんは「最初からこうです!」と提示する感じではなくて、役者に自由にやらせてくださって、そこからどんどん自分の太郎を引き出してくださる方なので色々なことに挑戦できて楽しかったです。井上ひさしさんを実際に知る梅沢(昌代)さんがいらっしゃることも自分にとっては本当に大きな支えで、精神的支柱になっていました。アドバイスをいただくこともありましたし、稽古中のテーブルも隣だったので「井上さんはこうだったんだよ」というお話をしていただくこともありました。
最初から最後まで徹底的に強情で薄情な極悪人の役は初めてなので、とても刺激的で日々楽しみながら演じていましたが、たまに心が痛むときがありました(笑)。太郎という人物の選択は、小瀧望の中にはない選択が多いので、それはなぜなんだろう?ということを模索することは難しかったです。ある日、「こういうことか!」と思えた時に、スッキリした感情と共にどんどん自分が太郎の思考に近づいていて恐ろしくも感じましたが、悪役と向き合う日々は充実していました。
初めてのことに挑戦することはとても怖かったりもしますが、今回はプロフェッショナルなスタッフの方々と、素晴らしい魅力あふれるキャストの皆様に支えられているので、何も怖がらずにトライ出来ました。『うま―馬に乗ってこの世の外へ―』という井上ひさしさんの幻の戯曲に世界初演として挑むことが出来て本当に幸せで、誇りに思います。この作品の魅力を存分に伝えたいですし、皆で一生懸命、チーム一丸となって約1か月半挑んできたので、いよいよ皆様にお届けできるということを幸せに思います。
本当に内容が濃いので、井上先生の言葉を余すことなくひとつひとつお届けできればと思います。難しいことは考えず、ただ単純にこの物語や登場人物たちの滑稽な会話や、時々言葉を失うような恐ろしい出来事を体感してほしいなと思いますので、今年の夏は劇場でお待ちしております。

音月 桂[お京 役]
PARCO劇場の舞台に以前立たせていただいたのは『ひげよ、さらば』(2023年)という作品で、その時は猫の役でしたが、今回「うま」ということで動物つながりです…(笑)
物語自体はとても爽快で、あっという間に過ぎてしまいます。出番がない時は他の方のシーンを拝見しているのですが、この作品全体を客席で観たい!と強く思いました。今回観に来てくださるお客様には楽しさをお届けできたらと思っています。
小瀧さんはアイドル活動もされていますし、映像や舞台の他の作品からも硬派な役が多いように感じていたので、本読みではすごく荒々しさもあって、良い意味で印象にギャップがありました。こういう役をさせたら右に出るものはいないんじゃないかと思うくらい、台風のように色々なシーンを振り回してくださる素晴らしい俳優さんだなと思っています。

安井順平[松左エ門 役]
小瀧くんは本当に売れっ子ですから、偉そうな人だったらどうしよう?なんて思いましたが(笑)、まあ腰の低い素晴らしい役者です。(演出の)藤田さんから台本の解釈について質問があった時に、稽古が始まる前からきちんと台本を読み込んでいるからこそ、その答えに至るのだなという回答をしていて、本を読める俳優だということが初期段階から垣間見えたので「こいつ、デキる…!」と思いました(笑)。
井上(ひさし)先生の若かりし頃の、まだ舞台に上げたことのない戯曲を初めてやるということで、ある種今回の公演が『うま-馬に乗ってこの世の外へ-』という作品のひな型になるので、正直緊張しています。たぶんこの作品は今後色々な劇場で上演されていくと思いますので、その第一弾の上演として気合はかなり入っていると思います。座組も皆さん仲良く、おおむね良好だと思うので、ひとつ最後までよろしくお願いします。

梅沢昌代[太郎の母/観世音 役]
小瀧くんは素晴らしい俳優です。ダイナミックなのに繊細ですし、信頼できる役者さんだなと思います。
井上(ひさし)先生が24歳の時に書かれた、とてもエネルギッシュな作品を全員で力を合わせてここまで創り上げてきました。皆様にパワーをお届けできると思っていますので、ぜひ劇場にいらしてください。

【公演情報】
PARCO PRODUCE 2026 『うま-馬に乗ってこの世の外へ-』
作:井上ひさし
演出:藤田俊太郎
出演:小瀧望 音月桂 加藤梨里香 大鶴佐助 小松利昌 
小林きな子 小柳心 尾倉ケント 森加織 
安井順平 梅沢昌代
●7/8〜28◎東京公演 PARCO劇場
●8/6〜12◎大阪公演 SkyシアターMBS
〈公式サイト〉https://stage.parco.jp/program/uma
 

 【撮影:岡千里】